2018-08

1.2018年8月号配信のごあいさつ

一般社団法人日本技術者教育認定機構(JABEE)では企業の皆様にJABEEの認定プログラムなどについてもっと知っていただくためにメールマガジンを配信させていただいております。JABEEの活動についてより一層ご理解を深めていただき、ご協力いただければ幸いです。今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。

2.JABEE認定とは

【第2回】

◆認定はどうやるの?

認定申請のあった教育プログラムを約1年(各年度4月~3月)かけて審査し、その結果に基づいて認定の可否を判定します。 審査では、その教育プログラムがJABEEの定める認定基準に適合するか確認し、判断します。

◆審査のスケジュールはどうなっているの?

・ 教育プログラムから認定の申請(3月)

・ 審査チームの編成(5月)

・ 教育プログラムから、JABEEの認定基準への適合状況と、その裏付け資料をまとめた「自己点検書」を提出(7月)

・ 審査チームで「自己点検書」を審査

・ 審査チームが教育プログラムを訪問し、2泊3日程度の「実地審査」を実施(9月~11月)

・ 審査チームが「審査報告書」を提出、分野の委員会と全分野合同委員会の二段階で「審査報告書」を精査して、認定を決定(2月)

認定されたプログラム名が公表されます。2017年度には5つのプログラムが新しく認定されました。

◆認定基準はどんなもの?

つぎの4つの基準から構成されています

基準1:学習・教育到達目標の設定と公開

基準2:教育手段

基準3:学習・教育到達目標の達成

基準4:教育改善

最も重要な審査のポイントは、修了生に必要な知識、能力がつくような教育の仕組みになっているかです。

詳しくは次号で紹介します。

豊橋技術科学大学

生命・物質工学コースが新規認定

◆審査チームはどのように構成されるの?

教育プログラムの専門分野に対応する学協会で審査を担当します。たとえば建築学の教育プログラムは日本建築学会で担当します。学会で審査チームのメンバーを選定します。

審査チームは次のような構成になっています:

・ 審査長1名:審査チームの統括、受審プログラムとの連絡

・ 審査員1~2名:審査の実施

・ オブザーバーA:将来審査員になるための研修者

・ オブザーバーB:JABEEの教育認定を知ってもらうための視察者

審査チーム(イメージ)


◆実地審査では何をチェックするの?

JABEEの認定基準への適合状況と、その裏付け資料は「自己点検書」で説明されることになっています。実地審査では自己点検書の説明では十分わからないことについてプログラム関係者と質疑応答するとともに、次のような審査活動をします。

・ 資料点検:教科書、答案、成績、レポート、卒業論文など

・ 面談:教員、学生、修了生

・施設見学:研究室、実験棟、講義室、図書館、情報処理センタ、食堂など

実地審査は通常2泊3日で行われます。

実験棟の審査(イメージ)

3.JABEEのワシントン協定継続加盟が承認されました

技術者教育認定の世界的枠組みとしてワシントン協定があり、日本、米国、英国など20ヶ国が加盟、5ヶ国が暫定加盟しています。加盟団体が実施している工学教育プログラムの審査・認定が適切かどうかは、6年ごとに他の加盟国によって評価されます。JABEEは2017年11月に3ヶ国の評価チームが来日して評価を受けました。評価結果にもとづいて、2018年6月にJABEEの6年の継続加盟が全会一致で承認されました。

詳細は、JABEEウェブサイトの、「国際連携」>「ワシントン協定 」をご覧下さい。https://jabee.org/international_relations/washington_accord へリンク

ワシントン協定総会

4.2017年度は5つのプログラムが新規認定されました

5月29日にJABEEの2018年度定時社員総会が建築会館ホールで開催され、2017年度JABEE認定審査新規認定プログラムの代表4名の方に有信会長より認定証が授与されました。

2017年度新規認定プログラム

・摂南大学 理工学部住環境デザイン学科 住環境デザイン総合コース

・東京都市大学工学部機械工学科

・豊橋技術大学工学部環境・生命工学課程 生命・物質工学コース

・宮崎大学工学部 電磁物理学科

・名城大学理工学部メカトロニクス工学科

有信会長(中央)とプログラム代表者の皆様

授与式に出席されたプログラム代表者のご挨拶

・ 摂南大学

JABEEの認定審査を受けるに当たっては、科目ごとの試験、レポート等の資料を準備するのに各教員の理解と協力を得ることが苦労でした。また学科の枠を超えた、理工学部の共通基礎科目関連の資料準備は学部として対応する等の工夫を致しました。今後は、本学から送り出したJABEE認定プログラム修了生が技術士として社会で貢献してくれることを願っています。

・ 東京都市大学

大学の工学教育の中でもグローバル化が進んできたこともあり、一昨年、本学の工学部では学科長会議の合意を得て、すべての学科でJABEE認定を受けることとしました。受審に際しては準備した資料で良いのか、その評価等はどうなるのかといった不安がありましたが、本当のありのままの姿をみてもらい、不十分な点を指摘いただき、それを今後の教育改善に活かすという姿勢で臨みました。残りの学科でも準備を進めて行き 全学科認定プログラムとなるようにしてゆきます。

・ 豊橋技術科学大学

国際的に通じる技術認定を受けておくことは必要でありJABEEを受けています。また7年に一度の認証評価の受審時に、JABEE認定を受けていると助かります。特に、海外留学生はJABEE認定に関心があり、マレーシアの国費奨学金はJABEE認定を受けていないと採用されないようです。以前から本学は、全学科、JABEE認定を受けていましたが、約10年前の学科再編で、環境・生命工学課程は異分野融合の色彩が強く、当時は受審を諦めましたが、上のような事情から、今回、JABEE受審に挑戦し、生命・物質工学コースで認定を受けることができました。これにより、再び、全学科でJABEE認定を受けました。グローバル時代に学生が国際的に対応できるためにもJABEEの認定は重要であると思っております。

・ 宮崎大学

初めてJABEE認定を受けた際には基礎教育系教員との連携には苦労しましたが、その後、全学科が受審したことにより様々なノウハウが蓄積されました。今後、教育の質保証、改善のシステムを全学で構築していかなければなりませんが、全学でもJABEEに倣ったシステムで進めることを考えています。JABEEの認定は外部評価であり説得力があること、審査員はしっかりと訓練されていることなどから、工学部ではJABEE認定を継続していく方針になりました。

5.インタビュー

東急建設株式会社にて現役社員としてお仕事をされながら、JABEEプログラム認定審査の審査長もされたご経験のある方にインタビューさせていただきました。企業の未来を創出する技術者教育とJABEEの意義について伺いました。

JABEE Web site インタビュー

編集後記

"JABEE"を多くの方に知っていただけるように、メルマガ第2号を配信させていただきました。まだ不足な点が多々あるかと思いますが、有効な情報発信を進めてまいります。みなさまのご意見、ご要望等をお寄せくださいますようお願いいたします。


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