【ごあいさつ】
本展は、八戸工業大学感性デザイン学部 2020年度 卒業制作・論文の学外での一般公開を行うもので、学生による実行委員会を組織して企画・実施されます。卒業を迎える私たち大学4年生が、大学生活の最後に地域のためにできることは何か、と考え、地域の賑わいを取り戻していく一助とするべく、卒業制作・論文の一般公開となる「卒展」を、商業施設の空きテナントを活用するアートプロジェクトとしてデザインしたものです。
奇しくも、本展の開催は東日本大震災からちょうど10年を迎える日と重なります。震災の記憶は決して薄れることはなく、現在もまだ復興への道の途上にあります。また、昨今の社会状況も含め、私たちの大学生活はさまざまな世の中の変化と隣り合わせのものでした。しかし、恥かしながら、私たちは今日までこのことを強く意識せず過ごしてきてしまったように思います。
改めて、地域へと目を向けます。
八戸での学生生活はゆるやかで穏やかであったものの、しかし、穏やかならぬゆるやかさを持って、地域の疲弊は止まることがありません。地域の人口減少の問題に対し、私たちは華やかかりし過去との直接の比較ができないため、その実感は決して強くはありませんが、さまざまな地域での小・中・高校の閉校のニュースを聞くことは久しくなく、産業の衰退や中心市街地の空洞化は如実なものであると感じられます。そして、その背景となる地域の実情や社会状況へと思考は巡っていきます。
世の中や社会という大きなものごとへの気付きを自ら見つけ出すことは容易ではありませんが、この地域へと目を向けたことで、私たちそれぞれが抱えた小さな問題意識が、この地域をも越えたその先へと繋がっていることに、わずかな手応えを覚えます。
その手応えを手がかりに、私たちは、今この瞬間であるからこそできることを考えました。
私たちの大学生活は、道を探し、時には道標を見失い、けれども志を持って走り抜けてきた4年間です。
迷い立ち止まるも失わなかったもの、もう一度見つけられたもの、走り抜ける中で手に入れたもの、積み上げてきたものがあります。そして、デザインを通じて地域と社会にできることは何か、と、いま深く内省しています。
それら思考の痕跡と試行の集大成としての「卒展」を、どうぞご高覧ください。
2020年度 八戸工業大学 感性デザイン学部「卒展」実行委員会
葛西 一希
長谷川 優真
【会場】
【作品展示】
伊崎 貴己・稲葉 航生・大久保 真季・大鹿 良輔・大向 修平・沓澤 希実佳・三戸 晴輝・重文字 樹・進藤 新樹・杉山 舞・鈴木 政秀・高野 亜子・髙橋 祐賢・竹谷 りゅう珠・對馬 健太・坪 美咲・中村 緑夢・中村 美緒・中村 光希・長谷川 優真・原子 媛乃・貳又 正弥・藤田 侑可・藤丸 未来・堀内 幸呼・三浦 朋美・南 遥香・𠮷田 朋加・山本 将太
【論文】
赤石 美友・一郷 良太・宇佐美 優斗・小笠原 緋里・葛西 一希・金澤 拓人・川﨑 理乃・木田 真琴・工藤 春那・佐藤 美紀・獅子内 陽・田守 栄登・成田 顕士・藤村 安里紗
【感性デザイン学部 教員による 研究報告・作品展示】
宇野あずさ(感性デザイン学部 助教)
皆川俊平(感性デザイン学部 講師)
【陸奥湊 - パブリックスペースにおける壁画作品公開】
<作品展示> 三戸 晴輝
【八戸工業大学 3.11 防災展示 ~東日本大震災から10年、そしてこれからも~】
2021年 3月10日〜3月14日 10:00〜17:00
<論文> 浅沼 美宥・石田 奈緒
【ご観覧にあたっての諸注意】
作品・論文等の鑑賞にあたって、下記の事項を遵守していただくようお願いいたします。
・展示作品の写真、動画等での撮影は可能ですが、他の鑑賞者の迷惑とならないよう、係員以外は三脚を使用しないでください。
・展示作品には、許可のある場合をのぞき、みだりにお手を触れないようご注意ください。
・論文の図版は、学術的な目的において使用可能なものであるため、鑑賞者による撮影や複製は禁止とします。
新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、下記の事項を遵守していただくようお願いいたします。
・社会的距離の確保のため、展示には観覧順序を指定しているものがあります。
・ご来場の際は、マスクの着用、入退場時の手指消毒をお願いいたします。
・咳、発熱等の風邪症状のある方は、ご来場をお控えください。
・2週間以内に感染拡大地域への移動等があった方は、ご来場をお控えください。
・一部、個室等の形態で展示を行う作品は、入場に制限がございます。予めご了承をお願いいたします。
・来場者の状況に応じ入場を制限いたしますので、係員の指示に従っていただくようお願いいたします。
地震など災害の発生時には、下記の事項を遵守していただくようお願いいたします。
・会場施設の避難経路の指示に従い、避難を行うようお願いいたします。