無機化学

開講学科:応用化学科 

開講時期:2022年度

担当:森本樹

スクーリング:日時未定(1回)

授業概要

周期表上の様々な元素を理解するために、量子論によって原子の構造を理解することからはじめる。これを基にして、各原子・イオンの諸性質、化学結合、また、それらから成る無機化合物の構造、物性、酸性・塩基性や酸化還元特性について統一的・系統的に理解・学習する。この講義を通じて、分子の構造・性質・反応を理解する上で必要となる各原子の特性を、統一的に説明できる知識が身につく。 

到達目標

量子論に基づいて原子中の電子の振る舞いを捉え、原子の軌道エネルギーが量子化されていることを理解する。また、その原子軌道の形とエネルギーから、各原子・イオンのみならず、分子や固体の構造、化学結合、物性を説明できるようになる。さらに、無機化合物の酸・塩基としての性質、また酸化還元特性を定量的に議論できるようになる。 

受講方法

講義動画を見て、内容をノートに書き取り、理解するように努めましょう。一緒に掲載されている、まとめ・演習プリント中の演習問題にチャレンジしてみましょう。講義内容と直接関係する問題については、その解答例を後日掲載しますので、実力をチェックしてみてください。また、高校化学と重なる部分も多くあるので、高校で学んだ知識の定着にも役立ててください。 

成績評価方法

2回のレポート課題により評価します。

教科書

ハウスクロフト 無機化学(上)(東京化学同人)。ただし、教科書が手元になくても、大事な内容はすべて講義スライドに反映させていますので、必須ではありません。 

参考書

基礎無機化学 第3版(東京化学同人、荻野博・飛田博実・岡崎雅明著)、基礎無機化学(東京化学同人、下井守著)。高校生の皆さんには、これらの教科書の方が最初は読みやすいかもしれません。 

授業計画

第1回:基礎的な化学・物理の復習

第2回:原子の構造と量子論 - 微小な世界を理解するための考え方

第3回:原子軌道(1) - 水素型原子

第4回:原子軌道(2) - 多電子原子、貫入と遮蔽、有効核電荷

第5回:原子軌道(3) - 構成原理、原子・イオンの構造と性質

第6回:ルイス構造(1) - オクテット則

第7回:ルイス構造(2) - 形式電荷、共鳴、VSEPRモデル

第8回:原子価結合法と混成軌道

第9回:分子軌道法(1) - 等核二原子分子、結合次数と結合特性

第10回:分子軌道法(2) - 異核二原子分子、フロンティア軌道

第11回:固体の電子構造と諸性質

第12回:酸と塩基(1) - 酸解離定数と中和反応

第13回:酸と塩基(2) - pH、緩衝溶液

第14回:酸化と還元 - 酸化還元反応と標準電極電位