勝負する心

世界的に有名な囲碁棋士である李昌鎬先生の自伝です。

本書の特徴

・敷居が低い

囲碁棋士の自伝というと自戦解説を交えながら囲碁人生を振り返るものがほとんどですが、

本書はそういうものとは違って幼少期から振り返っていて、専門用語には注釈をつける、専門用語を極力使わないなど、

囲碁を知らない人でも読める配慮されて作られています。

・李昌鎬先生の人生哲学がわかる

李昌鎬先生は本書以外にもたくさんの著書を出されていますが、

ほとんどは囲碁の技術書で人生哲学に言及したものはありません。

李昌鎬先生が囲碁の修業を通して身に着けた人生に対する考え方や困難に立ち向かうコツが詳しく書かれています。

大事なポイント

1.動きを止めてその場にとどまることは後退である。

ぎこちなくても前に動いてこそ道が切り開ける。

2.粘り強い努力ができれば、生まれつき才能のある相手を怖がる必要はない。

いわれてみれば当然だけれども実践するのは難しいことが書かれていてるのみならず、

李昌鎬先生がこれまで経験してきた数々の勝負を囲碁がわからない人にもわかりやすい表現で記していて、

学びが多いだけでなく、勝負の迫力が伝わってきて読み応えのある本でした。

自信を持ってお勧めします。