『学力』の経済学

「教育経済学」に関する和書です。

日本では教育を受けたことがないという人はいないので、まさに一億総評論家という状態です。

故に教育に関する本は巷にあふれていますが、それは全て著者の哲学に基づくものです。

本書はそれらとは異なり、データに基づく教育の本です。

データに基づいて教育を議論することは日本ではまだ浸透していないものの、欧米では当然となっています。

例えば米国の「落ちこぼれ防止法」(No Child Left Behind Act)では「科学的な根拠」(Scientifically Based Research)という言葉が100回以上使われています。

また、米国の教育科学改革法(Education Science Reform Act)では、科学的根拠が示されない教育政策に国の予算を付けないことも定められています。

本書ではデータに基づく教育の議論でどのようなことが明らかになったかを紹介しているのみならず、

実験とはどうあるべきかなども書かれており、教育経済学の入門書と言えます。