里山の植物誌

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日本の原風景の1つである里地里山は、原生の自然から長い時間をかけて、物質が循環する農業環境として 農村集落の近くに形成された生態系である。萌芽更新が繰り返される丘陵の薪炭林や、明るい林床と林縁 のあることが特徴となる。丘陵から流れ出る小川が作る谷戸とそこに作られた谷戸田の周辺には、里山の動 植物たちによってどこかなつかしい風景が形作られる。雑木林、草原、農地、小川、ため池がモザイク状に組 み合わされた里地里山の多様な環境は、希少な植物や地域固有種を含む多様な生物が共存する自然環境 であり、生物多様性を生み出す場といえる。近年の都市開発の進行とともに、かつては普通に見られた動植 物たちは急速に姿を消しつつある。多摩ニュータウンの中でも最後に開発された由木地域には、身近な公園 や緑地に多摩丘陵の景色と里山植物が残っているが、この貴重な環境と生物相は一度失われれば取り戻す ことができない。次世代に残し伝えようと、市民ボランティアによる里山保全活動がされきており、八王子市 や公園管理指定者との協力も進められている。由木地区環境市民会議と多摩丘陵の自然を守る会によって 4月と10月に自然観察会が行わている。そこで見られる植物を中心にこのリーフレットに集めた。

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