みんなの郷土

由木

由木中学校の創立20周年(1967年)を記念して、同校の当時の社会科の教員が刊行した冊子を紹介します。総ページ数が220ページの孔版刷りの冊子です。

ニュータウンの開発の直前の由木の姿や、その歴史、文化、社会に関する資料としてまとめられています。

上の表紙をクリックすると PDFファイル(38.3MB)をダウンロードすることができます。

前文:学習のはじめに

海のうねりのように高く低く重なり合って、どこまでも続く多摩丘陵の天然の美に包まれて、長い年月をかえて目立たない小さい歴史を築いてきた里がある。

この里はやがて大都会の一部として、新しい歴史の流れと共に静かな農村から近代的な街に姿を変えようとしている私たちの故郷「由木」である。

故郷は私たちが生まれ、育てられ、喜びや苦しみを分け合いながら同じ土に親しむ人々と生活する舞台であり、私たちが生きる限り心の中に懐かしく住みついている世界でもある。この故郷は私たちの祖先が汗を流して、大勢の力で築きそだてたものであり、私たちは祖先の努力を受けついでよりすばらしい故郷に育てなければならない。それには私たちは自分たちの故郷の自然や歴史を知らなければならない。私たちの祖先は故郷の自然をどのように利用し、どのように生活して長い歴史の中で「由木」という小さな社会を育ててきたのだろうか。これを知ることによって故郷の歩みや現状を理解し、新しい歴史の流れと共に姿を変えて行く故郷のにない手として私たちはどのような努力をしたらよいかをみんなで考えよう。自分たちの故郷のよい点を大切にし、育てて行く子こととたゆみない努力はやがて私たちの国土を大切にし、新しい日本を国際的に大きく成長させ、躍進させる力となる事でしょう。しっかりと見つめ、充分に考え、着実に実行する事が私たちには何よりも大切なことなのです。

(由木地区環境市民会議・山下雅道)