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「火のように熱く速いスウェーデン娘」――ボルボ・アマゾンは、1956年から1970年までの14年間にわたり製造された、北欧を代表する名車です。
デザインを手がけたのは、ボルボ社の名デザイナー、ヤン・ウィルスガード。1950年代のアメリカ車文化への憧れを背景に、優雅で存在感あるスタイルが与えられました。左右に分かれたフロントグリル、前方へ張り出したフェンダー、センターオーナメント付きのボンネット。リアには曲面ガラス、小さなテールフィン、縦型テールランプが備わり、当時のアメリカ車のエッセンスを北欧流に昇華しています。
若い世代には1950年代アメリカへの憧憬を感じさせるレトロな存在として、中高年世代には青春時代を思い起こさせるノスタルジックな車として、近年その人気は高まり続けています。
モデル展開は、当初の4ドアセダン「121」「122S」に始まり、1961年からは2ドアの「131」「132S」、さらにワゴンモデル「221」「222」も加わりました。エンジンは堅牢な直列4気筒OHVで、初期の3ベアリング仕様から5ベアリング仕様へ進化し、排気量も1600cc、1800cc、2000ccへと拡大。シングルキャブ仕様とツインキャブ仕様が存在し、高性能カムシャフトを備えたスポーティなモデルも用意されました。
トランスミッションは3速、4速、4速+オーバードライブに加え、1964年からは3速オートマチックも設定。1967年には、オーバードライブ、ローギヤードLSD、タコメーター、フォグランプ、ハイカムエンジンなどを装備した高性能版「123GT」が登場し、1969年には2000cc仕様も少数生産されました。
足回りは、前輪にダブルウィッシュボーン、後輪には固定軸ながら高度な5リンクサスペンションを採用。当時としては非常に優れた操縦安定性と乗り心地を実現していました。
総生産台数は667,323台。日本にはヤナセ系の北欧自動車を通じて1,269台が正規輸入されました。現在でも世界中で相当数が実働状態にあり、その堅牢な構造と高い耐久性を物語っています。
アマゾンの大きな魅力のひとつが、現在でも優れた整備性を持っていることです。右ハンドル特有の一部部品を除けば、ほとんどの補修部品が今なお新品で入手可能であり、価格も比較的リーズナブルです。海外の専門部品商や国内代理店、さらにはネットオークションなどを通じて、多くの部品を容易に調達できます。
また、この時代の自動車は構造が極めてシンプルで、ほとんどの部品交換がボルトオンで行えます。車体の大部分が鉄で構成され、プラスチック部品が少ないため、万一腐食や損傷があっても、板金や溶接技術によって修復可能です。まさに「機械として長く付き合える車」と言えるでしょう。
こうした魅力から、近年アマゾンの人気は国内外で急上昇しており、需要に対して供給が追いつかない状況が続いています。
VAF(Volvo Amazon Fanclub)は、メンバーの愛車アマゾンを次世代へ受け継ぎ、長期にわたって維持していくことを目的に活動しています。情報交換、整備支援、交流会、走行会などを通じて、新しい仲間を育て、この美しいクラシックカー文化を未来へ継承していきます。