PCは消耗品

パソコンは3年経つと性能が上がります
アプリケーションの進化
にあった性能を保てなくなるおそれと、
数年で修理や買換えを余儀なくされる諸行無常の代物。

かといって、予算を抑えようと性能を下げすぎると動画編集が悲劇です。

ちょうどいいパソコンとは何か……この記事を参考にしていただけたら幸いです。

「ゆっくり劇場」「ゆっくり文庫」の動画編集するなら

※このページ内容は、ゲーム実況、人間出演、
高度なCGなどを要求するような動画を想定していません。

最低限

  • CPU:4コア8スレッド(Core i5 や Ryzen5)

  • ストレージ:2TB HDD 

  • RAM(メモリ):8GB

  • 単体GPU:なしで大丈夫

安心

  • CPU:6コア12スレッドCore i7Ryzen7)

  • ストレージ:240GB SSD + 1TB HDD

  • RAM(メモリ):16GB

  • 単体GPU:使用する編集ソフトによっては不要

最低以下の性能でも編集可能ですが、全人類におすすめできません。

私事で恐縮ですが、「点と線」までは上記以下のスペックPCを騙し騙し使用していました。
最低限以下のPCで編集するコツは、処理を軽くすることです。
しかし、動画編集以外の部分に気を遣うことが多くなり、煩わしいです。

現在はスペック自体は最低限ありますが、
13.3インチの訳ありノートPCなので、環境がいいといえません。

OS、CPU、搭載メモリ容量の確認方法
スタート】右クリックシステム(Y)を選択クリック orWindowsロゴキーPause/Breakキーを同時に押す。

根拠となる基準

  1. 作りたい動画の解像度(画素密度)を知る……必要な性能の目安

  2. 編集ソフトは何を使うか……ソフトによってメモリを大量使用したりGPUに対応するため

  3. デスクトップかノートか……性能拡張をとるか、機動性をとるか

  4. スペック(CPU、メモリなど)……作る動画の解像度、使う編集ソフトに耐えるか

  5. 値段……BTO(受注)がおすすめ

解像度

配信用ならHD画質~FHD画質の動画で申し分ない

主流の解像度は、下からSD画質(720×480)→HD画質(1280×720)→FHD画質(1920×1080)→4K(3840×2160 )→8K(7680×4320 ) とあります。

YouTubeやニコニコ動画で配信されている動画の多くがHD画質FHD画質です。

ゲーム実況を伴わないゆっくり(文庫系・劇場系)はVRや高度なCG ではないので、8Kの高画質である必要がありません。
人によってはSD画質で編集しているくらいです。

よって、HD~FHD画質の動画編集に耐えうる性能で十分です。

編集ソフト

ゆっくり動画なら「ゆっくりMovieMaker」と「AviUtl」が楽

ゆっくり音声や口パクをさせるためには、ゆっくり実況動画ソフトである「ゆっくりMovieMaker」か「nicotalk」を使い、それらのソフトと「AviUtl」を組み合わせる方法が簡単かつ主流です。

それぞれのソフトについては別の機会に述べたいと思います。

上記にあげた編集ソフトは、他のソフトに比べて軽めです。
また、後述するGPUには非対応のため、上記のソフトを使う際はGPUは基本不要です。

デスクトップ
vs
ノート

断然デスクトップ! ただし、生活環境によってノートの選択も

デスクトップPCがおすすめです。

  • 同価格のノートPCよりも高性能(特に、デスクトップ用CPUはモバイル用よりも高性能)

  • 購入後でも、性能拡張が手軽かつ自由(ノートPCは制限がある)

  • モニターの位置角度を調整して長時間作業に耐えうる環境を生み出せる

  • 冷却性能が高く、熱暴走を防ぐ

ただ、一体型デスクトップ型は性能拡張が難しいです。
スリム型も性能を抑えて省スペース化しているので、拡張を考える人には推奨できません。

一方で、ノートPCは収納機動性が優れ、持ち運びができる良さがあります。
パソコンを置くスペースがない、外出先で使用する方はノートPC購入がいいと思います。

ノートパソコンを選ぶ人へ「性能に妥協せず納得して購入しよう」

ノートPCの最大の欠点は、購入後に性能拡張が気軽にできないことです。

特に、CPU交換非常に難易度が高く故障リスクが大きい、モバイル版CPUは市場に出回ることが稀で入手困難、苦労して交換してもデスクトップPCより性能向上が微々たるものであるため現実的ではありません。

対して、メモリ増設やストレージをHHDからSSDにするだけでも格段に性能向上するので、デスクトップPCよりも面倒ですが購入後に拡張が可能です。
ただし、メモリ増設の際はメモリスロット数(メモリを挿す場所)が少ないので、購入の際は注意です。

また、画面が小さすぎると目が疲れるので、15インチ以上のものを推奨します。

タブレット変形可能な2in1型パソコンで動画編集できる性能のものは限られますが、タッチ操作できるので画像やイラストの加工に便利です。
タッチパネル非対応ノートPCでも「AirBar」というデバイスで、簡単にタブレットPCのようになります。

CPU

動画編集の基本は「4コア8スレッド」以上

CPUはパソコンの頭脳で、動作速度の向上に大切な存在です。
一般的に動画編集は4コア8スレッドは必要といわれています。
そして、クロック周波数が高いほど速度が速くなり、動作が快適です(用語は後に解説)。

  • コア数が多いほど、エンコード時短時間

  • クロック周波数の高いほど、編集時のプレビュー再生に滑らかに

CPUの性能事情は刻一刻と変化し複雑ですが、分からなくなったら基本「4コア8スレッド」以上に立ち返り、なるべく最新のものを選べば後悔がありません。

  • 快適を捨て、ギリギリで生きたいなら「4コア4スレッド」

  • 必要最小限の性能でコストを抑えるなら「4コア8スレッド

  • 性能と安心を買うなら「6コア12スレッド

  • FHD画質は、エンコーダーの限界で最大期待値を出すのは「8コア16スレッド」
    それ以上の高性能は、複数エンコードを実行しないとCPUが遊んでもったいない

最新の「Intel Core i5」、「AMD Ryzen5」(一部AMD Ryzen3)あたりが「4コア8スレッド」に該当します。

  • 無料の動画編集ソフトは軽いので、「Core i5」「Ryzen5」で妥協可能

  • 有料の動画編集ソフトは重いので、それ以上の「Core i7」「Ryzen7」が欲しい

ただ、むやみにコア数を上げると1コアあたりの性能が若干落ち、発熱・消費電力が大きくなるので、必要以上のコア数を追い求めるのは危険です。

また、クロック周波数も同様、数値が高いと発熱・消費電力が上がり故障リスクが高まるので、大きすぎる数字にこだわらないようにしましょう。

【用語】

  • コア数=演算処理を行う中核部分。数があれば同時処理に有利。

  • スレッド数=コアが行う仕事量

  • クロック周波数=演算時に出す信号(GHz )で速度の指針。高いほど発熱も大きくなる。

  • シングルスレッド性能 =1スレッドあたりの性能。高ければ軽い処理になる。

  • マルチスレッド性能CPU全体の処理性能。高ければ膨大処理作業で有利にな

以下の、しゃかりきなシェフ図解の記事が非常に分かりやすいので参照ください。

安定の Intel なら、第8世代以降の「Core i7」or「Core i5」

CPU市場シェア率No.1の「Intel Core i」シリーズは、万人におすすめできるCPUです。

  • 「Photoshop」「Premiere」 などのAdobeソフトが、「Intel」に最適化されている

  • 1コアあたりの性能が若干高い

  • クロック周波数が高い傾向があるため、動画の編集が快適

  • 情報を集めやすい

  • やや高価

原則は「第□世代Core i〇」「Core i〇-□XXX」の〇□の数字が大きいほど高性能です。
例外もあるので、目星のものがあればコア数やクロック周波数などの詳細を調べてください。

ただし、FHD画質以下の動画を作る際は、Core i9 まで要求されません。
ゆっくり動画でも、4Kの動画編集や重いPCゲーム実況をしないのであれば無理に揃える必要はありません。

また、第7世代以前のCore i7よりも、第8世代以降のCore i5が安価で性能が同等それ以上です。
【第7世代以前Core i5 < 第7世代以前Core i7 < 第8世代以降Core i5 < 第8世代以降Core i7】
あまりにも古い世代のものは選ばない方が良いです。

ゆっくり劇場を作るだけであれば、無理に1.5万~2万円上乗せしてCore i7を購入する必要性はないと感じます。
多少エンコード(出力)に時間がかかっても手軽に編集したい人は、Core i5で十分です。

一方で、今後ゲーム実況も考えている方は、Core i7→Core i5の順番でを検討してください。

潜在の AMD なら、第3世代(zen2)の「Ryzen 5」or「Ryzen 7」

近年急成長中の「AMD Ryzen」シリーズは歴史が浅く(2019年で第3世代)、既存のソフトとの相性が未知数という難点がありますが、安価で高性能を得る可能性を秘めています。

なによりも、第3世代で性能がIntel第9世代に拮抗し始めるほど進化が目覚ましいです。

  • Ryzen 5 36002.6万円) Core i9 9900X(6万のマルチスレッド性能が拮抗

  • Ryzen 7 3700X(5万円弱)が Core i9 9900Xの処理性能に近い

第3世代からは、シングルスレッド性能が改善され、動作が軽くなりました

第2世代まではAdobe系ソフトに最適化されていない欠点がありましたが、第3世代ではAdobe Premiere Proによる動画エンコードが最適化された性能発揮できるようになっています。

また、無料ソフトのAviUtlと「相性が悪い」という声がありますが、第3世代になってAviUtlのエンコード(x264エンコード や x265エンコード)ではコアスレッド数が同じなら「Intelと同性能を発揮するようになり、相性は改善されたかもしれません
AVX256という複数のデータに対して同じ演算をまとめて行う命令にネイティブ対応したため)

以上から、コストパフォーマンス面で第3世代のRyzen5」「Ryzen7」は検討しても良いと思います。

ただし、「Ryzen」CPUは相性の悪いメモリ(後に解説)があるため、メモリ増設の際は懸念があります。

よって、こうしたことに少しでも不安があるなら、実績と情報の「Intel」にするのが無難です。

ストレージ

とりあえず2TB HDD、余裕あれば240GB SSD + 1TB HDDの両方で

HDDとSSDは、どちらも記憶媒体ですが一長一短です。

動画編集は膨大なデータを抱えるので、HDDは2TBあると安心です。

もしSSDを単体で使う場合は、高価でも240GB以上を推奨します。
それ以下の容量だと、OS(Windows10など)を動かすだけで精一杯になって全体の性能が落ちます。
SSDは容量を余せることで高速化の恩恵を得ます。
そのため、余力あればSSDとHDDを両方使うことをおすすめします。

HDD

  • ディスクの回転によりデータを読み込むためデータ転送が遅い

  • 開発されて長いことから大容量

  • 安価

SSD

  • 物理的動作でデータを読み込まないため、転送が速い

  • 容量が小さい

  • やや高価

メモリ

最低8GBは欲しい、16GBあれば安心

メモリ(RAM)は、CPU計算データを電源を切るまで一旦保存する場所で、簡単に言えばCPUの作業スペースです。
そのため、CPUの性能が発揮できるかはメモリ次第です。

8GBあれば、FHD画質以下のゆっくり動画であれば問題ありません。
ただし、計算データ量が多くなればメモリに保存できないデータ容量が空くまで待機させることになり、それだけ作業が遅くなります。

16GBあると、FHD画質の動画編集だけでなく、短い4K画質動画の編集もできる余裕があります。
そのため、計算データの転送が素早く、CPUの性能をいつでも発揮できます。

AMD Ryzen使用者へ「メモリの相性には注意」

2020年現在、AMD Ryzen」シリーズの CPUは、メモリによっては非対応だったり動作しない場合があります。

「Ryzen」を使用し、メモリ増設や自作PCを検討している方は、動作確認がとれているメモリを必ずチェックして買い物をしましょう。

特に「corsair」メモリは、古いバージョン(Ver. 5.30以前)だと正常作動しない上、ネット購入だとバージョン記載がほとんどないので、よほどのギャンブラーでなければ手は出さない方がいいです。

【参考】「Ryzen」と相性の良いメモリ一覧(2020年2月現在)

  • Crucial W4U3200シリーズ

  • G.Skill SniperX F4シリーズ

  • G Skill Trident Z neoシリーズ

  • TEAM DDR4 2666Mhz 16GB

単体GPU

無料の編集ソフトを使うなら基本は不要(多くが非対応だから)

GPU(グラフィックボード)とは、画面処理を行う専門の装置です。
たいていのCPUの多くは内臓GPUが搭載されています。
しかし、3D映像や高画質な画像になると力不足だったり、3Dゲームの動作が重くなります。

以上から、動画編集やPCゲームをする人にとって、内臓GPUとは別に単体GPUを使うことが常識となっています。

ただし、ゆっくり実況動画ソフトである「ゆっくりMovieMaker」か「nicotalk」を使い、それらのソフトと「AviUtl」を組み合わせる方法を使うのであれば、それらソフトは単体GPUに非対応なので不要です。

有料の動画編集ソフトで、GPUに対応しているものであれば購入を検討してください。

必要な人へ「単体GPUの選び方」

動画編集のみを目的とする場合は、そこまで高性能である必要がありません。
ゲームと創作を両方する方は、GeforceやRadeonあたりがネットを見ると好評なようです。

  • 動画編集ソフトが指定するものがあれば、なるべくそちらを選ぶ(エラーを防ぐため)

  • 4K画質の動画編集をするのであれば4K対応したGPUを選ぶ
    (HDMI2.0の出力端子、またはDisplayPortの出力端子が付属してる物

値段

性能と安さを両立するなら、BTOパソコン

安く高性能を追求すると、一番は自作パソコンです。
しかし、パーツの相性判断を自分で行う必要や、組み立てのミスが生じるリスクがあり、やや敷居が高いです。
そして、自己責任なので保証はもちろんありません。

一方で、NEC富士通などの国内メーカーパソコンは故障の際に安心ですが、性能のわりに高価になりやすい欠点があります。
Microsoftなどの外資系メーカーは、用途別の対応にあった性能を確保できてもクセが強かったりサポート面にやや難がある場合があります。

自作とメーカーのいいとこどりなのが、パソコン専門メーカーが扱うBTOパソコンです。

BTO「受注生産」を意味し既製パソコンより詳細にパーツ構成を選択可能、しかも予算用途に応じて自由に選べるのが魅力です。
その上、厳しい品質チェックとパーツ相性を確認した上でカスタマイズパーツが提供されているので、組み立て時のミスやパーツの相性による動作不良
もなく、メーカーのサポート付きなので万が一の際も安心です。

以下、参考サイトさん各位

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