Study_Groups

自分自身の「足腰」を鍛えるために、2018年以降おこなってきた&今現在おこなっている「私的な勉強会」についてまとめたページです。(基本的に備忘録&自己満足のためのページです汗。)

『制度とはなにか』勉強会 (2023.9-10月)  [終了]

グァラ『制度とは何か 社会科学のための制度論』慶應義塾大学出版会 

 Francesco Guala 2016. Understanding Institutions: The Science and Philosophy of Living Together.  読み解く

予てから制度のゲーム理論分析に興味があり、この本には強く心惹かれていた。そこで、制度のゲーム理論分析をされているK大A教授&院生の皆さん、そして田口研究室院生I氏とともに、夏休みのオンライン合宿(?)のような形式で集中して、皆で分担して全章を読破!後半はかなり難解であったが、しかし皆で力を合わせて、かなり深い理解ができた気がする。今後の研究に大いに活かせそう!→[2023.10 無事終了しました.]

『Accounting Disclosure and Real Effects』勉強会 (2022.5月-7月)  [終了]

Kanodia, Chandra, 2007. "Accounting Disclosure and Real Effects," Foundations and Trends(R) in Accounting, now publishers, vol. 1(3), pages 167-258, October.

※日本語訳 佐藤監訳2011.『会計ディスクロージャーと企業行動―市場の価値評価は経営にどのような影響を及ぼすか』中央経済社 (Link) 読み解く

企業会計のreal effect (会計情報開示が企業のinvestment(生産活動や製品市場での活動)に与える影響)に関する実験を、院生I氏とともに出来たらと考えており、その一環でreal effectの関連文献を一緒に読んでいこうということに。まずはその代表的文献であるKanodiaのモノグラフを一緒に勉強(院生N氏も参戦してくれることになり、心強い!)。昔ひととおり読んだことがあるが、すでにすっかり忘れているので&かなりモデルが難しかった記憶があるので、それを思い出しつつ、しかしシンプルな実験に落とし込むにはどうしたらよいかを念頭に置きつつ、読んでいけたら!→[2022.7 無事終了しました.]

『保守主義会計 ―実態と経済的機能の実証分析』勉強会 (2021.10月-2022.3)  [終了]

高田知実2021.『保守主義会計』中央経済社 (Link) 読み解く

2021年の夏には、多くの実証会計本が出版された。いずれも読みごたえのある良書揃いであったが、その中でも特に秀悦な1冊である『保守主義会計』をチョイスし、実証会計専門家のY教授&院生&志高い学部生有志とともに勉強会を。実験研究の立場から、アーカイバル実証研究の世界を覗くと、これまで知らなかったこともたくさんあり、とても新鮮!さらにそこから将来の研究展望も開けていくような気がして、とても嬉しい勉強会。→[2022.3 無事終了しました.]

『組織の経済学』勉強会part 2 (2021.10月-2022.3) [終了]

伊藤・小林・宮原 2019.『組織の経済学』有斐閣 (Link) 読み解く

昨年途中まで輪読した『組織の経済学』であるが、後半の章も今&今後の研究にかなり関係しそうなので、改めて第7章から勉強会をリスタート院生&学部生有志とともに。前半の章と比べて後半はグッとレベルが上がり準備も大変だが、実験研究を想像しながら理論を紐解くのがとても刺激的で楽しい。→[2022.3 無事終了しました]

『ネットワーク科学』勉強会 (2021.5月- ) [現在進行系!]

Albert-László Barabási'  2016. Network Science. Cambridge University Press. (Link) を読み解く

近年のScience, Nature掲載の社会科学系論文をみると、計算社会科学の重要性が高まっており、このことから、これから先の5-10年でこの路線の分析を(これまで自身が取り組んできた実験社会科学分析との「あわせ技」で)自分のもうひとつの武器にしたいと考え、基本書を学生とともに読んでいる(というか、学生に教えてもらいながら読み進めている)。未知の森の中に、どんどんと分け入っていく知的なワクワク感。

Rethinking Financial Reporting: Standards, Norms and Institutions』勉強会 (2021.5月-7月 ) [終了]

Shyam Sunder. 2016. Rethinking Financial Reporting: Standards, Norms and Institutions. Foundations and Trends® in Accounting, Vol. 11, Nos. 1-2 (2016) 1-113 (Link) を読み解く

従来は社会規範たる自生的秩序として構築されてきた会計ルールが、度重なる会計不正や国際的な会計基準の調和化の流れを背景に、設計的秩序としてトップダウン型で構築されるようになっている。そのような変化の中で生じる「歪み」はなにか、このような流れは不可逆的なものなのか(それとも後戻りできるのか)、そして、会計における制度とは一体何かを改めて考えさせられる。英語が(翻訳書でも日本語が)かなり難解なので、勉強会で皆で読む価値あり。院生&資格試験組学生と一緒にワイワイしつつ読み進めた。

『Bit byBit』勉強会(2021.1月-3月) [終了]

Matthew J Salganik. 2017. Bit by Bit: Social Research in the Digital Age. Princeton University Press (Link)読み解く

現在、オンラインを用いた実験やオンライン上の大規模データを用いた計算社会科学研究が注目されている。私自身もこのご時世の中でオンラインでの実験実施を進めており、ラボ実験との併用で今後も大量データを用いた実験研究を進めていきたいと考えていることから、この点に関する基本書であるBit by bitを、研究者&院生&学部生とともに輪読した。なお、著者のSalganik氏は、音楽市場のオンライン実験論文が有名で、chapter  4の実験パートでは自身の実験体験談も書かれており、ここだけでも読む価値はある。

『組織の経済学』勉強会(2020.5月-8月)  [終了]

伊藤・小林・宮原 2019.『組織の経済学』有斐閣 (Link) 読み解く

会計の世界でも契約理論をベースにした実験研究が数多くあり、かつ、理論自体もシンプルなプリンシパル・エージェントモデルからどんどんと進化を遂げていることから、この点に関する足腰を鍛えるべく、この領域の最新かつ日本語基本書を、研究者&院生&学生とともに輪読した。第1−4章の基礎編を踏まえ、第5章からはグッとレベルが上がる感じ。時間の関係から途中まででいったん終わりとなったが、しかし、また改めて紐解いてみたい。これを読むと、契約理論&実験の世界は奥が深いことがわかる。

『論点で学ぶ財務会計』勉強会 (2020.2)  [終了]

川村義則(2019)『論点で学ぶ財務会計』新世社 (Link) 読み解く

財務会計の新しい考え方をupdateしたい、最近のアカウンティングスクールではどんなことをやっているのか垣間見たいと思い、川村(2019)を院生・学部生とともに輪読した。包括利益のあたりの論点を、ホワイトボードで仕訳で一緒に考えていたら、何だか自分が院生時代に指導教授と一緒に勉強したことを思い出した。

『ケースブック財務会計』勉強会 (2019. 9)  [終了]

平野智久2018.『ケースブック財務会計』新世社 (Link)

最新の財務会計の論点についてケースをもとに分析した『ケースブック財務会計』を、院生・学部生とともに輪読した。ケースの仕訳の端々に見え隠れする「こだわり」が興味深い一冊だった(ちなみに平野先生は「同門」ですので、この「こだわり」がとてもよく理解できます)。

「暗号通貨の経済学」読書会(2019.3)   [終了]

小島寛之2019『暗号通貨の経済学』講談社選書メチエ(Link)

ゲーム理論を用いて暗号通貨のあり方に迫る『暗号通貨の経済学』を、院生・学部生とともに輪読した。学部ゼミで取り扱った坂井豊貴暗号通貨VS.国家 ビットコインは終わらない』とともに、研究室の主要テーマである未来社会を考える上でも重要な文献のひとつで、皆でたっぷりと議論を重ねることができた。

Financial accounting theory読書会(2018.3)  [終了]

『財務会計の理論と実証』(原著:W. R. Scott.  Financial  accounting theory. Princeton University Press.)

本書は、経済学やゲーム理論を用いて企業会計を分析する新時代の会計のテキストであり、院生とともに、じっくり丸2日間かけ議論を重ねた。自分が院生の頃に本書で勉強会をやったことを思い出しながら、改めて読んだが、昔やった勉強会のときにはあまりよくわからなかったことが、今回新たに理解できたということもあり、とても有意義な読書会であった。

『協力する種(A Cooperative Species)』読書会(2018.3)  [終了]

『協力する種:制度と心の共進化』(原著:Samuel Bowles and Herbert Gintis. 2011. A Cooperative Species: Human Reciprocity and Its Evolution. Princeton University Press.)

本書は、人間の利他性の起源はどこにあるのかという根源的な問題に、ゲーム理論やシミュレーションといった最新の分析手法で迫るもので、研究室の主要テーマである未来社会を考える上でも重要な文献であるため、院生&学部生とともに、丸2日間かけてたっぷりと議論を重ねた。数式がかなり難解であったが、アイディアはとても新鮮で興味深く、人間の利他・互恵的行動や社会的選好とは一体なにか、改めて考えさせられた。