かなり複雑な現象でも微分方程式(微分を含む方程式)で記述するのは比較的容易。ところが、得られる微分方程式のほとんどが解けないため、現象を解析するのは容易ではありません。そこで一般的に施されるのが微分方程式の問題を漸化式の問題に変換するいわゆる離散化。漸化式の中でも興味深いのは一般項が明示できる離散可積分系と呼ばれるクラスです。現象ごとに導かれる離散可積分系の見た目は完全に別物ですが、面白いことにそれらの多くが行列のLR変換の視点からきれいに理解できます。応用数学研究室では、このような離散可積分系がもつ美しさの探究と、そのような美しさに基づく機能的なアルゴリズムの創造に取り組んでいます。
世界時価総額ランキングにおける上位企業の多くはデータ分析とデータ活用を非常に重要視しています。対して日本企業の多くは残念ながらこのような世界的な潮流に乗り遅れています。企業のみならず地方自治体などにおいても大差はなく、いまや日本はデジタル後進国と言わざるを得ません。日本が以前のような国際競争力を取り戻すためにはデータ分析やデータ活用の強化が避けられませんが、それに加えてデータ分析前のデータ収集についても最適化するような総合的なデータサイエンス研究を充実させる必要があります。応用数学研究室では、京都府内の地域課題に対する様々なデータサイエンス研究に日々挑んでいます。