植物ゲノム情報学

ゲノムに埋め込まれた情報をハックする!

オミックスデータのネットワーク解析手法開発

さまざまなオミックスデータを俯瞰的に見る、情報統合する上で鍵となる考え方がネットワーク(点と線、ノードとエッジからなる)です。下図は福島が開発したDiffCorrというアプローチの概念図です(Fukushima, 2013; Fukushima and Nishida, 2016)。例えば、網羅的な遺伝子発現データにおいて、通常条件とストレス条件の2群の間で、それぞれ構築した相関ネットワークの違いを見ることで、2群間で重要な因子へのヒントが得られます(Ichihashi, Fukushima et al. 2018)。このようなネットワーク解析手法の開発はまだまだ発展の余地があります。

モデル植物シロイヌナズナのストレス応答遺伝子アトラスの構築

劣悪環境下で植物は多数の環境耐性遺伝子群を働かせ適応しています。ストレス耐性作物の作出に向け耐性遺伝子群やその発現調節に関わる新規転写因子を同定するには、さらなるデータマイニング手法の開発と情報整備とが重要です。近年、これまでに蓄積された公共データを利活用し、新たな知識発見につなげる機運も高まっています。本研究室ではモデル植物シロイヌナズナの公共トランスクリプトームデータをメタ解析し、遺伝子機能ネットワークの再構築による機能予測手法を開発しています。公共データベースから収集した複数の環境ストレスデータセット各々で得られたストレス応答遺伝子群の情報を統合したアトラスの開発を進めています。