分子共生学

1 %の可能性から成功へ

植物と昆虫の共生・寄生の分子メカニズムを解く

植物と共生する多くの昆虫が,捕食や送粉,営巣など「植物のそこに在る姿をそのまま」利用するのに対し,植物に共生・寄生して虫瘤をつくらせる昆虫は,「異種である植物に,潜り込み(エンドパラサイト),植物の発生プログラムを外部から操作することで,植物には本来存在しない虫瘤器官を創生」する。従って,虫瘤形成現象は,高次元の共生関係現象であり,植物が自身の遺伝子型にない表現型を示す「延長された表現型」の代表例である.我々は,数世紀を超えて研究者の注目を集めつつも未解明にある「虫こぶ形成メカニズムの謎」に挑戦し,その昆虫側と植物側の因子を解明しつつある.