太陽光発電(PV)ファクトチェック

本サイトの趣旨と目的

再生可能エネルギーの中でも、太陽光発電は太陽エネルギーを直接効率的に電気に変換する、実用的で効果的な自然エネルギー利用技術の代表です。住宅のエネルギー消費の大半を賄い、系統を利用しないですむ自家消費により、住民の光熱費負担を大幅に低減することが可能です。一方で、この大きなメリットを無視し、懸念のみを殊更に取り上げ、太陽光の普及あたかも有害で悪事のごとく振りまく言説が一部で広がっているように思われます。

我々が日常的に用いている、全ての製品やエネルギーには問題や課題があり、それぞれに解決に努めなければなりません。もちろん太陽光発電にも課題があり、解決に努めることが求められます。しかし、現在主流の製品やエネルギー源の中には、問題や課題が大きすぎるため、現実的な解決が不可能なものが少なくありません。そうした既存の製品やエネルギーの問題には目をつぶり、太陽光発電の問題を殊更に取り上げてを針小棒大に触れ回ることは、日本が現在抱える問題解決の障害となり、なにより日本国民全体に大きな不利益をもたらすことにつながりかねません。

こうした太陽光をめぐる混乱は、太陽光発電についての情報が十分に整理されていない現状が一因と考えられます。太陽光発電を屋根に載せた住民の多くはその恩恵を実感して満足しており、特に問題を感じていません。よく指摘される雨漏りなども、実際の被害はほとんど報告されていません。こうした「問題がないことはニュースがならない」傾向は、報道機関の常として無理のないことでしょう。しかし、ニュースがないことを逆手にとって意図的に流れを誘導することは、社会の望ましい形を議論し行動する際、有害となってしまいます。

本サイトは、太陽光発電をめぐる議論を整理し、ファクトを整理してきます。太陽光にも解決するべき課題は当然あり、このサイトも一度に全てを網羅することはできません。順次更新を重ね、不足の情報は充実させていく予定です。太陽光発電について知識を深めたい多くの方にとって有益であることを期待します。

筆者は、太陽光発電をビジネスにしておらず、太陽光の普及で利益を得るポジションではありません。しかし、住宅のエネルギーを25年以上研究してきた経緯から、建物のオンサイトで自然エネルギーで生活に必要なエネルギーを十分賄うことができ、コストの低廉化が進む技術が確立されていている手段が太陽光発電の他に見当たらないことから、普及が必要だと考えているにすぎません。

当面はオンサイト型である住宅の屋根載せ太陽光発電について整理します。今後は、非住宅建築物の太陽光発電、オフサイトの太陽光についても検討します。


太陽光ファクトチェック 本サイトのメインページ よくある太陽光への懸念とファクトを整理しています。

太陽光関連サイト 参考となる関連サイトへのリンク集


ヒアリング結果

長州産業株式会社(太陽光パネルを国内で製造) 22/07/27

株式会社浜田(太陽光パネルの現場リサイクル) 22/08/03

東京都環境局(太陽光パネルのリサイクル) 22/08/03

住環境計画研究所(太陽光発電の省エネ効果と実際の発電量) 22/08/24

立命館 峯元先生(太陽光発電の耐久性・信頼性) 22/08/25

構造塾(太陽光パネルを戸建住宅の屋根に載せた場合の構造の課題) 22/08/23

東京消防庁(火災原因・太陽光パネルを載せた住宅の消火) 22/08/22

東京理科大学 植田先生(太陽光の経済性・LCA・課題) 22/09/22

JIO 日本住宅保証検査機構(住宅瑕疵保険の概要・雨漏りの実態・太陽光が原因の雨漏り) 221007


執筆メンバー

東京大学大学院工学系研究科建築学専攻 准教授 前真之