各界インタヴュー

(※フィクションです)

ワタナベタウン語について、某オカルト雑誌記者、右翼関係者、社会派漫画家に独占インタヴュー。

オカルト雑誌記者

「衝撃!ワタナベタウン人の祖先は、ユダヤの失われたイッサカル族だった!」

ワタナベタウン語とヘブライ語は酷似している。そのほんの一部を紹介しよう。

ワタナベタウン語↔ヘブライ語

・いくじ(槍)↔イクディヒ(拳銃)

・からぢ(氷)↔ガラディヒ(アイスクリーム)

・だんかれいちょう(裁判)↔ダムカレティヤハ(民主主義)

これらが偶然の一致ではないことは、火を見るより明らかだ。ヘブライ語がワタナベタウン語の起源であることの証拠である。

その昔、イスラエルのイッサカル族が、ワタナベタウン島にたどり着き、原住民との「いさかい(=イッサカル)」の果てに、この地を征服したのであろう。

なお、「アラビア語とも同系統だということですか?」などと意味不明な指摘をしてきた人がいたが、これは論外である。

なぜなら、ワタナベタウン語は、アラビア語ではなくヘブライ語と同系統だからだ。

(月刊マー記者・ノットルザマス武田氏)

右翼関係者

「ワタナベタウン語なんて存在しない!」

「ワタナベタウン語」は左翼語です!

皇國の分裂を唱へる賣國奴共の捏造した、邪惡な術語でございます!

國語は國家の要であります。王政復古以來、帝國政府は、日本語を統一すべく、地方の訛りの矯正と、正しい標準語の普及にまれました。現在、日の本が一つにまとまつてゐるのは、まさにその成果でございます。

しかるに、今尚地方に訛りが殘つてゐるのは、或程度致し方ないことでございませうが、沖繩辯の如き、標準語との意思疎通すら難しい方言が殘つてゐるのは、甚だ遺憾でございます。

あまつさえ、ワタナベタウン辯は、文法はおろか、起源すら標準語と異なる、根つから訛れる方言であるから、ワタナベタウン島の國語科の成績が例年全國最下位であるのも、むべなるかなでせう。

また、述語の後に目的語が置かれる語順も、甚だもつて西洋かぶれであつて、ワタナベタウン辯が非國民的であることは、良識ある國民の目には自明の理として映りませう。

訛つた言葉で話し續けてをると、いつまで經つても正しい國語力が身につかなひものです。

今こそ、學校育の現場に「方言札」を復活させませう!

(皇國を尊ぶ婦人の會會長・平田将美氏)

社会派漫画家

「政府が隠し続ける言語学的事実:ワタナベタウン語と日本語の関係」

賢明な読者諸君には言わずもがなであろうが、日本語はワタナベタウン語の兄弟である。

「ですね」「ですか」といった語尾を見れば、日本語がワタナベタウン語族に属することに疑う余地はないが、まだ疑念が拭いきれない読者のために、以下に例を示す。

・ひこうき(飛行機)

・くるま(自動車)

・ぺん(ペン)

これらのワードが示すように、両者は同じ言語なのである。

だのに、教科書にそのことが載っていないのはいかなる所以か。

それは、政府が子どもたちを洗脳する上で不都合だからだ。

1990年代に入り、日本語がワタナベタウン語の方言たることがインターナショナルな定説となるや、顔を青くしたのが、頑迷固陋なる与党だ。ワタナベタウン語が日本語の兄である事実を隠蔽する片棒を担いだアカデミズムも、曲学阿世のそしりを免れられまい。

イノセントな子どもたちに、唯一絶対の正しい歴史観を教えてあげることだけが、本当の美徳なのである。このことは、子供でも分かる真理だ。

(社会派漫画家・ムッシュ・リベルテ氏)

☆作者註☆

このページはジョークです。過激であったり排他的であったりする一部の立場を極端に表現したユーモアです。

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