♪ソルレソルを楽しもう♪
~さあ、風雅な趣味をはじめよう!~
1.ソルレソルの誕生
ソルレソルは、1817年に、フランスの音楽教師フランソワ=シュドルによって創始された音楽言語です。
当時のヨーロッパでは、手話も英語もまだ普及しておらず、普遍的なコミュニケーション手段となるソルレソルは革新的な大発明だったのです。
その意味では、言語の差そのものを無くそうと考えるエスペラントよりも、国際手話に近いコンセプトと言えるでしょう。
ソルレソル創始者 フランソワ=シュドル(1787-1862)
2.趣味としてのソルレソル
さて、現代になり、手話や英語が普及したことで、ソルレソルは実用的な役目をほぼ終えました。
今では、風雅で高尚な趣味として世界中(おもに英語圏)に愛好家がおり、交流サイトも存在します。
この趣味はあなたの銀行残高にほとんど影響しません。インターネットの使用料と電気代だけで、この伝統ある美しい趣味に加わることができます。
辞書をはじめ、あらゆる資料がウェブ上に揃っているからです。
先述の通り、ソルレソルの愛好家は英語圏に集中しているため、辞書などは英語のものが多いです。
しかし、心配ご無用。英和辞典とセットで使えば、英語の資料も問題なく活用できます。
難しそうと思われるかもしれませんが、案外、簡単なのです。
そこで、ネットで使える便利な資料のリンク集を作り、よく出てくる英単語をリストアップしました。
ぜひ、気軽に利用しましょう!
~ソルレソルの基本~
ソルレソルの語順は自由ですが、英語やフランス語と同じように並べることが多いです。
1.私 ―食べる ―ご飯。
のように並べましょう。
(私=ドレ、食べる=ドラミシ、ご飯・お米=ラソファファ)
1'.ドレ・ドラミシ・ラソファファ。
となります。
※アドバイス:単語の区切りを明確にするために、十分に間を空けるよう心がけましょう
また、形容詞は、名詞の後につづけて、
2.ご飯―おいしい
のように並べましょう。
(おいしい=ファラ)
2'.ラソファファ・ファラ
となります。
疑問文は、訊きたい部分を取り出して、
3.食べる?
3'.ドラミシ?
のように言います。
主語や目的語も付けて
4.食べる―あなた―ご飯?
(あなた=ドミ)
4'.ドラミシ・ドミ・ラソファファ?
と訊くこともできます。
否定文は、動詞の前に「ド」を置きます。
5.私―否定―食べる―ご飯。
5'.ドレ・ド・ドラミシ・ラソファファ。
~品詞の切り替え~
ソルレソルでは、単語の品詞(名詞、動詞、形容詞、副詞など)を切り替えることができます。
これは、作文の自由度を、一段と高めてくれます。
例:創造する=ソシファソ
1.創造=ソシファソ(最初の音を強く)
2.創造者=ソシファソ(最初から二番目の音を強く)
3.創造的な=ソシファソ(最後から二番目の音を強く)
4.創造的に=ソシファソ(最後の音を強く)
(名詞→形容詞 の場合も同じです。)
※アドバイス:品詞の変更がない場合、すべての音を同じ音量で出すようにすれば、誤解が少なくなります。
~複数形~
複数形は、語尾を伸ばすことで表します。
1.私=ドレ
1'.私たち=ドレー
2.木=ファドファソ
2'.木々=ファドファソー
※アドバイス:単数であることをはっきり示したいときは、語尾にスタッカートを付けるとよいでしょう。
ただし、定冠詞「ラ」を付ける場合は、「ラ」の方を伸ばし、名詞は伸ばしません。
3.ラ・ファドファソ
3'.ラー・ファドファソ
~注意事項 兼 こぼれ話~
話者によっては、このサイトとは逆に
・品詞の切り替え→伸ばす
・複数形→強める
とされる場合もあります(自然言語における方言のようなものとも言えます)。
ソルレソルは規範意識がゆるめなので、文脈から察すれば御の字、ぐらいの軽い気持ちで考えましょう。
~複文~
たとえば、次の文を考えてみましょう。
0.私はご飯を食べている犬を見る
この文は、
1.私は犬を見る(文の骨組み)
2.ごはんを食べている(犬の説明)
に分けることができます。
ソルレソルでは、1と2を、関係代名詞「ミレ」で単純につなげば、複文を表すことができます。
(見る=ミソミソ、犬=ファレシレ、食べる=ドラミシ、ご飯=ラソファファ)
1'.ドレ・ミソミソ・ファレシレ
2'.ドラミシ・ラソファファ
これを「ミレ」でつないで、
0'.ドレ・ミソミソ・ファレシレ・ミレ・ドラミシ・ラソファファ
とします。
~動詞の装飾~
ソルレソルには、4つの時制があります。
過去完了・過去・現在・未来です。
動詞の前に、
過去完了:レレ
過去:ドド
未来:ミミ
を置きます。
「もし~ならば、」のように、条件を示す場合は、動詞の前に「ファファ」を置きます。
1.私―条件―食べる―ご飯、
1'.ドレ・ファファ・ドラミシ・ラソファファ、
現在分詞(日本語で言う連体形)は、動詞の前に「ララ」を置きます。
過去分詞(日本語で言う「-た」の連体形)は、動詞の前に「シシ」を置きます。
受身の文には、ファレミ動詞を用います。これは、英語で言うbe動詞、フランス語で言うêtre動詞にあたるものです。
2.ご飯―ファレミ―過去分詞―食べる。
2'.ラソファファ・ファレミ・シシ・ドラミシ。
命令文は、主語を省略し、動詞の前に「ソソ」を置きます。
3.命令―食べる―ご飯!
3'.ソソ・ドラミシ・ラソファファ!
~ソルレソルの欠点と対応策~
ソルレソルは、はっきり言って、人工言語として不完全な点が多く、作文に苦労することがあります。
そこで、代案をいくつか示します。
○Aに由来するB
→B+ラシ(de)+A
(とりあえず、シュドルの母語であるフランス語に合わせた)
○Aが在る
→ファレミ(être)+A
(ラテン語、ルーマニア語と同じ構文。くわえて、「ファレミ」には「存在する」という意味もあるので、「A・ファレミ」の倒置とも捉えうる。ソルレソルの語順の柔軟性を逆手にとった、我ながら姑息千万な手法。)
○受身の文の「~によって」
→~受身の文~+ミド(pour)+行為者
(フランス語では主に"par"を用いるので、意味の似ているpourで代用した)