”じょこ”は話を聴いているうちに、”なな”の経験した交換留学についても興味がわいてきました。大学在学中に行く長期留学。いったいどんな経験なのでしょうか。
じょこ:
ななさんは交換留学で行ったんですよね。交換留学ってどんな制度なんですか?
なな:
交換留学っていうのは、今の大学に在籍したままで海外の大学に留学するんですよ。
まゆみ先生:
奈良女の場合なら、奈良女の学部や大学院に在学中に、奈良女と協定を結んでいる海外の大学に行くっていうのが交換留学制度ですね。留学期間は1年以内。それができるかどうかは年度ごとに確認したほうがいいのと、人数制限があるので、奈良女の中と、留学先の大学と、両方での選考があるのが注意点かな。
じょこ:
授業料って、奈良女と留学先の大学と、両方払うんですか?
まゆみ先生:
奈良女だけでいいですよ。授業料は奈良女に納めるんです。つまり、奈良女に授業料を支払うことで、留学している期間は留学先の大学に授業料を納める必要がないんですよ。ただもちろん、航空運賃や、現地での家賃などの生活費、それから保険料などは個人で払う必要がありますね。
さき:
交換留学って、留学先の大学で受ける授業は、自分で自由に選べるものなんですか?
なな:
私の場合、大学から、この授業をとるように、という指示はなかったかな。
まゆみ先生:
たとえばもし、留学先で取る単位と奈良女の単位とで単位交換をしたいようなときには、帰国後に単位交換できそうか、留学前に指導教官と相談しながら授業を選ぶ必要がありますね。そうなると、奈良女で開講されている科目と似た科目を選ばないといけないんじゃないかな。
さき:
なるほど。
さっき交換留学には選考があるってまゆみ先生が言ってましたよね。ななさん、大変でした?選考の面接を受けたり、申請の書類を書いたり…
なな:
うーん、どうだろう…。そうだなあ、わたしが思うポイントは…面接でも申請書類でも、自分をよく見せたくなるものだけど、そこでは嘘はつかずに、自分は留学したい大学のどこを魅力的だと感じて留学したいと思ったのか、まっすぐ伝えるってことかなあ。自分の思いをとにかく伝えようって感じで書いたと思います。
じょこ:
交換留学が決まったら、そのあとの手続きって自分でやらないといけないものなんですか?
なな:
はじめは、奈良女の国際課を通じて手続きが進む感じですね。で、途中から、滞在許可とか寮に住むための手続きとか、そういう細かい手続きは、留学先の大学の国際課とわたし自身との間で直接やり取りをしました。
さき:
自分で直接やるんですね。
なな:
そうそう。そういえば、海外の大学は、休暇の時期に入るとなかなか連絡がとれないのはびっくりしました。これは日本と大きくちがうところかも。
じょこ:
話が戻るんですけど、交換留学したいな、と思ったら、具体的にはいつ頃から、どういう準備をすればいいんですか?留学計画の立てかたとか、他の留学と違うところもありそう。
まゆみ先生:
そうですねえ。交換留学は、語学力を高めたい、という目標ではなくて、「この大学でこんな専門の勉強がしたい」という明確な目的が必要になる感じですかね。だから、海外の大学で何を勉強したいかを考えることが、まず必要な作業ですね。
さき:
視点を変えると、語学は目的にならないけど、勉強するには語学力が必要ってことですよね。
まゆみ先生:
そうですね。語学力についても、大学によって「この程度の語学力が必要」という要件が違っているので、交換留学をしたい場合は、事前に語学試験のスケジュールも考えないといけないですよ。試験を受けてからその結果が出るまでにしばらくかかることも多いので。
なな:
そうだ、留学先を決めるときは、国際交流センターにある、留学に行った先輩の資料が参考になりますよ。私も、この大学ならこんな授業が受けられるんだ、って、イメージができました。絶対に目を通しておいたほうがいいと思う。
まゆみ先生:
そうですね、先輩の記録から、全体の流れもわかると思いますよ。もちろん交換留学が決まるまでのスケジュールというのはだいたい決まってるので、それは頭にいれておくといいかも。だいたい、7月に募集を開始して、10月はじめに申請の締切があって、10月から11月のはじめに書類選考と面接があって、実際に留学に行くのは次の年度という感じですね。
じょこ:
そうか、次の年度になるんだ。
まゆみ先生:
そうそう。なので、たとえば3回生で交換留学に行きたいなら2回生の10月に申請、2回生で行きたいなら1回生で申請、ということになるんですよ。そういう意味では、他のスタイルの留学にくらべて、早めに準備に取り組む必要がありますね。
じょこ:
なるほど!そういうことをちゃんと調べたうえで、交換留学が選択肢のひとつにできたらいいな。