あざけるように蝶は舞う
もし自分がこのまま地に足をつけて生きつづけるなら、せめて苦しまずにいたい。
僕はそう思って、いつかそう生きられると思ってここまで来た。
だけど、人生はどこまで行っても苦しいままだった。ここまで来て、これまでを生きて、自分が苦しいと感じていたのは生きることそのものなのだとよくわかった。
夢を抱いて人に憧れ、それを妬んで後悔をした。
誰のためにもならないで、いつも自分のことばかりで、ずっと善人を演じるばかりだった。
だからせめて、最後くらいは自分以外のためになろうと思った。
僕の大切な人が、これからも正しく生きられるように、いつでもこの地を離れて羽ばたけるように。
僕はけっきょく何も叶えられなかった。
ただ、せめてこれだけは現実になってほしかった。自分が偽善者で終わりを迎えても構わない。何を犠牲にしてでも叶えなくてはいけなかった。
だから僕は、持てるものをもってそれを現実にすることにした。
髪の毛がうねる。
それが私にとってこの世でいちばん大きくて重大な問題だった。
幼い頃から癖毛で、いつでもどこでもそれだけは変わらず、常に悩みの種だった。人が道をはずれても、町が沈んでも、森が消えても、大人になっても。私はいつも上の空。石か何かが乗っているのかと思うくらい頭が重く、自分の上ばかりを気にしていた。
世界の危機より、人の悲劇より、私は自分の見てくれの方が大切だった。
親にはよく夢はないのかとか、将来が不安だなどと言われたけど、私はそうは思わなかった。
今どき夢なんて持つ人の方が少ないし、将来はいつでも不安なものだ。すこし手元で調べれば、それがいかに面倒なものなのかわかるし、そういうことに熱を注ぐのはなんとなく昭和臭い気がする。
私はおおむね、あの老耄たちのように明るい夢とか輝かしい将来とか、そういうものにはすこしも惹かれなかった。ただ、自分と自分の知っている人が毎日変わらず平和に。いや、平凡のまま生きつづけてくれていればそれでいい。
そうあってくれさえすれば、あとのことなんて、何が起きてもどうでもよかった。
騒いだところで私には何もできないし、むしろ何か行動をしたせいで周りから白い目で見られる方がよっぽど問題だった。 そういう平凡ではない問題は、なんとなく時間が過ぎるのを待てばいい。そうしたら誰かがその場を繋ぎ、英雄が現れて、いずれ問題も解決へ向かう。私の知る限りでは、物語でも現実でも、変わらず同じくそうなった。
どんなときでもそうだった。
彼らが世界を救ったから、私は今も生きている。
誰かが世界を救ってくれるから、私は無関心で、ただ自分の頭上にある悩みの種ばかりを気にしていればよかった。
プロローグ
P. 1 2023年 9月23日 「現在地」
*** 2023年 9月23日 「現在地」 ***
八月の暑さが残る秋分の日。
この日、私は自分の育ったあの町を、ひさしぶりにまた訪れることにしていました。
「よし、起きよう」
朝、七時すぎ。平日の出勤時と同じ、いつもの時間。
私は枕元で鳴るスマートフォンのアラームを止めると、ゆっくり身体を起こしました。
ベッドからはい出て、いの一番にカーテンを開ける。窓の向こうからは強い朝の光が差し込んで、起きたての身体を包み込んだ。私はその眩しさに思わず顔をそむけたが、代わりにまだ衣替えをしていない寝間着の上からその光を感じました。
あと何回この朝日を味わえるかわからないので、いつもより余計に浴びておく。
―― この日差しのために東向きの部屋を選んだのだから、浴びておかないともったいない。
そんなことを思いながら、しばらくの時間を無駄に過ごす。そして部屋のなかが温まると、私はつづいて、洗面所の鏡に自分の姿を映しました。
高校の頃から頭を悩ませているくせ毛の髪は、今日もボサボサに寝乱れてため息を誘う。
私はその髪に手櫛をかけてゴムで緩く結ぶと、洗面台の蛇口をひねって眠そうな顔を排水溝に洗い流しました。
それから服をスーツに着替えて、メイクとヘアセットをほどこし、起床から一時間ほどで身支度を済ませる。そして、私は日差しが強くなる前に家を出ました。
しばらく街の中を歩くと、行く手には大きな神社が見えてくる。その神社は境内を通り抜けると、近道ができるようになっていました。
私は通りざまにその白い垂れ幕のある本殿を見て、心のなかで手を合わせました。神様にタダ働きをしてもらうわけにはいかないので、今はただ手を合わせるだけ。ねがいごとはちゃんとお賽銭を入れたときにとっておくべきだと思い、いつもまたの機会に繰り越しています。
そうして私はこの土地に越してきた日から手を合わせるばかりで、けっきょく今日までのうちでたったの一度も、お参りはできていません。
それから神社を抜けてビルやお店の立ち並ぶ道を通り、駅の階段を降りていく。
私はその改札をくぐると、ちょうど来た上り電車に乗り込みました。ふたつ先の駅で路線を移り、さらにもう二駅。そこからは新幹線に乗り換える。
エスカレーターを上がって線路幅の広いホームに出ると、そこにはすでに私の乗る車両が待っていました。
青いラインの入った新幹線。私は数日前に取っておいた指定席の券を大事に握ると、その搭乗口から自分の席に座りました。取った座席は四号車の5A。べつに深いこだわりはありませんが、せっかくならと思い、なんとなく窓側をとりました。
するとほどなくして、新幹線が私に慣性をはたらかせながら密かに加速を重ねていく。
景色が動きはじめると、眼下には人の行き交う道が何本も見え、私はその上を悠々と走り抜けていきました。
「あれ……?」
すると、その窓の下の群衆の中に、私はふと見覚えのある後ろ姿を見つけました。
小柄だけど、凛と前を向いて歩いている男の人。
私は思わず窓際へ身を寄せ、その後ろ姿を目で追おうとしました。人混みの境界線を見分け、彼の姿を捉えようと目を凝らす。しかし、それと同時に視界をビルの壁が遮り、その後ろ姿が見えなくなりました。
「気のせいかな……」
一瞬だったため確信は持てないけど、私にはあの後ろ姿が昔のある知人に思えていました。もう何年も前に縁の期限が切れて、それきりになっている昔の友人。
私の中にはそういう関係の途切れた友人が何人かいますが、彼はそういう普通の旧友とはすこし違いました。
―― 大丈夫、行こう ――
私にとって彼は、友達よりもうすこし大切な人でした。
P. 2 2004年 6月上旬 「過去」
*** 2004年 6月上旬 「過去」 ***
「おい、お前はこっち来んなよ」
新しい小学校に転校してから二ヶ月がたった三年生の教室。この頃、学校でゆいいつの転校生だった私は、クラスのなかでノケモノ扱いをされていました。
「あっち行ってろよ!」
原因はたぶん、私だけがよその人間だったから。
転校してきた当初、それは場を和ませるイタズラ程度のもので、私もそれをよしとしていました。なにせ友達も知り合いもいなく、誰かに構ってもらえるだけでうれしかったのです。
惨めだけど孤独ではない分、私の学校生活はそれなりにマシでした。
しかし、そのイタズラは日に日に勢いを増し、あるとき私の許容を超える日がやってきました。
今、飛んでくる言葉はやたら鋭く、絡んでくるみんなの目も冷たいものばかりです。
助けてくれる人も今のところいません。たぶん、私が限界を超えていることに気づいている人が、この教室にはいないのでしょう。なにせ私自身でさえ、最近になってようやくそのことに気づいたのだから、ほかの人が知らないのも当然です。
とにかくそういうわけで、私は毎日ひとりぼっちでした。休み時間も学校からの帰り道も、ずっとずっと例外なく。知らぬが仏という言葉の通り、それならいっそなにも知らず、無知のままでいたかったとも思いました。事実、私にしたら何も知らなかった頃の方が、毎日がずっと楽だったのです。
私はそれから、何も気づいていなかったときが恋しくなって、今はできるだけ現実から目をそむけて生きています。
そして、そんな生活は今日も変わらずつづいていました。
「ほら! 早く行けよ」
いつもと同じような学校の昼休み。クラスの男子たちが今朝につづいて、好き放題な言いようをはじめました。
―― 今日はなんだかすこしキツイな。
私は窓の外で降りつづく雨を見ながらそう思い、いつものように唇を噛み締める。そのなかでふとあのことわざを思い出すと、私は試しに言葉通りのフリをしてみました。口角を上げて彼らの声ではなく、雨の音に耳を傾ける。
「なんだよその顔。気持ちわりぃな」
するとすこし大げさにやり過ぎたからか、絡んできたうちの一人が私の努力につっかかってきました。
私は予想していなかったその事態に「え……?」と戸惑いの声を上げ、思わず彼の顔を見ました。私よりも背が高く、どこかで擦りむいたのか、目の下には絆創膏が貼ってある。
そんな彼の表情は、まるでこの状況を面白がるような外面をしていました。
「おい――」
そして彼は私と目が合うと、また口を開けて再び罵声を発しようとしました。肩をこわばらせて、反射的に目線が床へ落ちる。私はしまったと思いつつ、飛んでくる言葉に身構えました。
しかし、次に聞こえてきた言葉は、そんな私の予想とは反するものでした。
「……やめなよ」
声が聞こえる。この場にいたどの男子とも違う声。
「やめなって」
私はその声に思考を奪われると、何が起ったのかわからなくなりました。
「なんだよ、お前。口出すなよ」
すると口を挟まれた絆創膏の彼が、不発に終わった罵声を私とは別の場所にぶつけました。
「だって、イジメは良くないことだから……」
「お前、先生じゃないのに先生みたいなこと言うなよ」
「でもさ……ほら……」
「でももヘチマもねえよ」
二人の言い合いがつづくなか私がようやく顔を上げると、そのときその場の状況は、すでに大きく変化していました。周りにいたみんなが私に視線を向けていない。そして、その全員の矛先が、とつぜん現れた一人の男の子に向き変わっていたのです。
私は目の前に立つ彼に、釘付けになりました。
「いいからやめなって」
「関係ないだろ」
「……関係なくないよ」
彼はすこし言い負けてはいたものの、しつこく食い下がって退こうとしない。絆創膏の彼をじっと見るその目は、彼らの言葉よりも冷血で、獣の眼光のように鋭かった。
しかし、私はその抵抗の先に、悪い予感を感じていました。
「うるせぇな、かっこつけんなよ」
絆創膏の子が彼の肩を押しました。あまりの鬱陶しさに我慢がいかず、彼を自分から遠ざけたかったのです。
「べつに、かっこつけてるつもりじゃない」
それでも彼は怖気づかず、それどころか押された分だけ足を前に出してきました。
すると、周りにいた男子内、メガネをかけていた一人が「あ、俺知ってる」と言いました。
「お前みたいなやつのことを、偽善者っていうんだ。良いことしてる自分かっこいいって思ってるだろ」
その子の話を聞いて、絆創膏の彼が悪い笑みを浮かべます。
「へへっ、おい偽善者」
「偽善者!」
いじめっ子たちはそんな彼の表情を見ると、恐ろしいほど急に調子づいて彼を攻撃しはじめました。
*** ***
P. 3 2023年 9月23日 「現在地」
*** ***
私にとって彼は、友達よりも大切なひとりの恩人でした。
新幹線に二時間揺られたあと、私はその車両を降りてまた在来線の電車に乗りました。ボックス席でひとり、パソコンの画面と睨み合いをつづける。
ふと窓の外を見ると、そこには気づかないあいだに海が見えていました。
波に沿って走る水光と、すべてを飲み込まれそうな深い青。あの海を見ると、私はいつも、何か自分が現実に引き戻される気分になりました。ふと夢から覚めたときのように意識がはっきりし、身体の重みが増していく。
海は町のすぐそばから地平線の向こうまでつづいていました。
『えー、まもなく――』
車内放送が流れ、私の降りる駅名が響く。
『お降りになるお客さまはお忘れ物のございませんように、今一度――』
私はアナウンスの声を聞くと、慌ててパソコンを閉じ、それをバッグに投げ込みました。
間もなくして、電車の扉が音をたてて開く。その扉から駅のホームに足をつけ、ようやく私は自分の育った町に辿り着きました。
改札を出てしばらく歩くと、道の先には電車から見えていたあの海が広がっていました。
昔よりも陸が突き出していて、海際は綺麗に舗装されている。その直線的な海岸のそばまで来ると、私はそこから、海に沿って進みました。
道の端には柵が張られ、その向こうでは暗い色の潮がさざなみを立てている。その様子を横目に内陸部を眺めると、そこにはちょうど真新しい外観をした学校の校舎が見えていました。
何年も昔に通っていた私の母校。そして、これから私が採用面接を受けにいく場所。
私は今日、自分の人生を大きく転換させるために、この町を訪れていました。
時間は十二時を回ったところ。
「さすがにちょっと早かったかな」
私はスマートフォンの画面を見て言った。
面接の時間は午後三時からなので、今からならだいたい二時間くらいの暇がある。
―― これなら行く時にちゃんと神社でお参りできたな。
私は頭の中でそう思いながら、学校の校舎から視線を移しました。そのとき、視界には奥にそびえる山の緑が映ったが、それにはできるだけ意識を向けない。私は平然を装って歩みを進めました。
それからしばらく歩いていると、道路の向こう側に一軒の喫茶店がありました。個人経営の新しいお店のようで、私の好みを知っているのかと思うくらい雰囲気のいい見た目をしている。
私はその喫茶店を一目見ると、思わず信号を渡って、お店の中に入ってしまいました。
「いらっしゃいませぇ」
扉を開けると、一拍おいて女性の店員が声を上げる。
「一名様ですか?」
「はい、そうです」
「そしたらお好きな席へどうぞぉ」
その店員は愛想よく笑顔で言った。私よりもすこし若い、今風の可愛らしい子でした。
私はその子に軽く頭を下げると、店内を見渡しました。
席の数は二十個ほどで、お客さんは三人。そのうちの二人はカップルか夫婦のようで、お互いの顔を仲良く見つめ合っている。
私は空いているところから選り好みをして、けっきょく新幹線のときと同じように、窓際の席へ座りました。
「ご注文は何にしますか?」
あとからついてきた店員の子が言う。私はとりあえずブラックコーヒーをお願いし、あとから軽いものをすこし頼むとその子に伝えました。
「どうぞぉ。ブラックです」
間もなくして、さっきの子がカップとソーサーを持ってくる。注がれた黒いコーヒーはほのかに湯気を立て、こうばしい香りを運んできました。
私がそれにまた会釈をすると、彼女は何か言いたそうな顔をしました。口を中途半端に開けて、一瞬の間が生まれる。そして、彼女はつづけてそれを誤魔化すように「ごゆっくりどうぞぉ」とお辞儀をし、私の元を去っていった。
私は彼女をすこし不思議に思いながら周りがひとりになるのを待ちました。そして、店内に静けさが戻ると、それからカップに口をつけました。
ほんとりとした苦味とあとから訪れる酸味。大して詳しいわけでもありませんが、なんとなく、ミディアムかハイローストくらいの味に思えました。
私はそれからその中煎りコーヒーを二、三口啜ると、今度はバッグからパソコンを出し、持ち帰りの仕事を再開しました。
一昨年に大学を卒業した私は、今年でようやく社会人二年目になり、新入社員という免罪符を外されたばかりでした。就職したのは家から電車で三十分のところにある、大手不動産会社。入社の理由は給料が良いとか、その会社に入りたかったとか、そういう説得力のあるものではない。ただ周りに流されていった結果、気づいたらそこに漂着したというだけでした。
楽しさややり甲斐というものも感じず、毎日はただ与えられた作業をこなしていくだけで過ぎていく。そして、私がそんな現実から脱しようと思ったのは、つい半年前のことでした。
嫌に慣れた手つきでキーボードを打っていると、ふと途中でわからないことが出てくる。私はその不明点を前に手を止めると、おもむろに自分のバッグを漁りました。
取り出したのはハガキサイズの赤い手帳。私が去年、これでもかというくらい仕事の内容を書き込んだ手帳です。
私はそこに書いてある文字を頼りに、目の前の作業を処理しました。
「ねぇ、待ってぇ!」
「はやくはやく!」
「遅いよ!」
すると、窓の向こうを子どもたちが走り抜けていきました。小学生くらいに見える二人の男の子が先を行き、それをひとりの女の子が追いかけている。
私はその声を気づいて三人を目で追うと、その背中に何か懐かしさを感じました。
ふと、あることを思い出し、手帳の文字をめくっていく。それから開いたのは、後ろの方のページにあるクリアポケット。そして、そこには手帳と同じくらいの大きさをした、小さな絵が挟まれていました。
窓の外に見える、あの山からの景色。
消えてしまったあの森で、私と彼は長い時間を過ごしました。
彼はいつも大人しくて、いつもやさしい人でした。
学校ではよく、ちょうど今の私のように窓の外を眺めていて、声をかけないと平気でずっとひとりでいる。寂しそうな雰囲気や周りの話し声をうらやむような様子も見せず、むしろその場の空気を壊さないように息を潜めているようでした。
私と彼は出会ってから、いつもお互いのそばにいました。学校の教室でも、放課後の自由な時間も。だから当時は、私が一番、彼のことを知っていたし、私のことも彼が一番わかっていました。
しかし、それももはや過去の遺物でしかない。
私は窓から町の内側を眺め、さっきの山の斜面へ焦点を合わせました。山中の道には人の姿があり、それがずいぶんと長い列をなしている。
今ではあの森も消えさり、山には毎日のように登山客が立ち入るようになった。あの場所がなくなったのは、ほかでもない、私たちのせいでした。私たちがお互いの元を離れたから。私たちが森のそばを去ったから。
だから、私はあの山を見るのが嫌いでした。自分に積もった罪の大きさを見せつけられているような気がして、それを目にするだけで自責の念にさいなまれる。
―― もしかしたら、あのときみたいに、彼がとつぜん現れてくれるかもしれない。
私は自分のなかの心苦しさからふとそんなことを思い、もう一度、窓の外を眺めました。そして、行き交う人通りを見つめ、いるはずもない彼の姿を探しました。そんな奇跡は起こらないと理解していながら、それでもどこか望みが叶うのではないかと期待をしてしまう。
お参りはしていないけど、これくらい些細な希望的観測なら、べつにバチは当たらないでしょう。
私はテーブルの上の絵を見ながら、またひとりコーヒーを啜った。
あ
ざ
け
る
よ
う
に
蝶
は
舞
う
【登場人物】
蝶野唯慈(ちょうの いちか)
綾野瑞葉(あやの みずは)
槙志(しんじ)
久木野(くぎの)
西尾先生(にしお)
蝶野愛依(蝶野 めい)
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