経歴
2004年 学士、東京薬科大学生命科学部(大島泰郎教授)
2006年 修士、東京薬科大学生命科学専攻生命科学科(山岸明彦教授)
2009年 博士(生命科学)、東京薬科大学生命科学専攻生命科学科(山岸明彦教授)
2009年4月-2011年3月 ポストドクトラル研究員: プロジェクト研究員(海底下の大河計画)ー東京薬科大学生命科学部
2011年4月-2014年3月 基礎科学特別研究員: 微生物材料開発室、独立行政法人理化学研究所バイオリソースセンター
2014年4月-2015年8月 JPSP海外特別研究員: Geological Sciences, University of Delaware (Dr. Clara Chan)
2015年9月-2018年3月 特任研究員: 次世代海洋資源調査技術研究開発プロジェクトチーム成因研究ユニット、国立研究開発法人海洋研究開発機構
2018年4月-2022年3月 開発研究員: 微生物材料開発室(JCM)、国立研究開発法人理化学研究所バイオリソース研究センター
2018年9月-2019年3月 招聘研究員: 次世代海洋資源調査技術研究開発プロジェクトチーム成因研究ユニット、国立研究開発法人海洋研究開発機構
2019年4月-現在 招聘研究員: 海底資源センター、国立研究開発法人海洋研究開発機構 (鈴木勝彦ユニットリーダー)
2022年4月-現在 上級研究員: 微生物材料開発室(JCM)、国立研究開発法人理化学研究所バイオリソース研究センター (大熊盛也室長、伊藤隆専任研究員)
研究キーワード: 生物地球化学, 鉄酸化菌, 微生物多様性
Links: ホームページ, researchmap
微生物の研究をしています。分子機構、生理機能、生態、進化、多様性、すべてに興味があります。特にターゲットにしているのが、高温の温泉や深海底など、ヒトが住めないような極限環境に生息する微生物です。鉄を食べてサビのうんちをする細菌や、直径数百nmくらいしかない究極のすねかじり(絶対共生性)アーキアなどを培養して、詳しく調べています。これらの微生物は、もしかしたら初期地球や地球外天体の生命体を探査する上での鍵となるかもしれません。なぜなら、初期地球や地球外天体も極限環境だからです。現世の地球に生息する微生物、特に極限環境微生物についてよく理解することが、アストロバイオロジーの発展には欠かせないと思いながら研究を進めています。
「アストロバイオロジー」、魅力的な響きをもっていますよね。私自身、大学に入る前から「生命の起源」や「地球初期の生態系」に興味があって研究者を目指しましたし、いまでもそのモチベーションは失っていません。でも、私が研究を始めた20年前ごろのアストロバイオロジー界隈は、どこかうさんくさい雰囲気がただよっていたように思います(あくまでも個人的な感想です)。おそらくそれは、「アストロ」側と「バイオロジー」側のそれぞれが未熟であり、さらにそこをむりやり横断して議論しようとしていたチグハグ感に起因するのだと考えています。なので、私はまずは「バイオロジー」側を極めるべく日々研究に励んでいます。このキャンプでは、「バイオロジー」特に微生物学の最先端を皆さんと共有して、かつ受講者の一人として「アストロ」の最先端を自分自身勉強できればと思っています。アストロバイオロジーの未来を担う皆さんと熱い議論が交わせることを楽しみにしています。
経歴
1996年〜1998年 長岡技術科学大学/学士 (工学)
1998年〜2000年 長岡技術科学大学/修士 (工学)
2000年〜2003年 長岡技術科学大学/博士 (工学)
2003年〜2006年 長岡技術科学大学 環境・建設系 助手 (現在の助教)
2006年〜2009年 海洋研究開発機構 研究員
2011年〜2013年 カリフォルニア工科大学 客員研究員
2009年〜2022年 海洋研究開発機構 主任研究員
2022年〜現在 海洋研究開発機構 上席研究員
研究キーワード: 微生物生態学, 生物進化学, 微生物ダークマター
Links: JAMSTECホームページ, researchmap
私たちのまわりの環境には、途方もない数の微生物が生きています。しかし、人類がこれまでに培養して性質を理解できている微生物は、そのうちのごく一部にしかすぎません。ほとんどの微生物は、いまだ誰も見たことがなく、どんな能力をもち、環境のなかでどんな役割を果たしているのかさえ分かっていません。私は研究者として、「この世界に存在するすべての未知微生物を分離・培養し、その正体を明らかにする」という大きな夢を掲げています。その中でも特に、酸素のない世界(嫌気環境)で生きる微生物に魅了され、海底に潜む未知の生命たちの培養に挑んでいます。これまでの研究で、進化学的にも生態学的にも重要と考えられてきた微生物の培養に成功してきました。なかでも、真核生物の起源に関係するとされるアーキア(古細菌)を世界に先駆けて培養できたことは大きな成果でした。深海底という極限環境から微生物を“実際に”生かし、観察し、理解していく過程は、未知の惑星で生命を探す営みとも地続きであると、最近では強く感じています。
これまで誰も培養できなかった微生物が、はじめて目の前で増え、その正体を見せてくれた瞬間の興奮と達成感—それは私にとって、何にも代えがたい宝物です。微生物培養は、私にとって“天職”だと心から思っています。このキャンプに参加する皆さんは、きっと何かに挑戦したい、世界を広げたいという強い意志をもつ人たちだと思います。私の話を通じて、皆さんの熱意をさらに刺激するものが提供できたらと思っています。
経歴
2005 東京大学大学院理学系研究科天文学専攻 博士課程 修了
2005-2008 日本学術振興会 特別研究員(PD)
2008-2008 宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究本部赤外・サブミリ波天文学研究系 宇宙航空プロジェクト研究員
2008-2015 大阪大学大学院理学研究科宇宙地球科学専攻 助教
2015-2016 自然科学研究機構国立天文台チリ観測所(三鷹) 特任准教授
2016-2018 名古屋大学大学院理学研究科素粒子宇宙物理学専攻 准教授
2018-2025 自然科学研究機構国立天文台アルマプロジェクト 教授
2025- 東北大学大学院理学研究科 教授
研究キーワード: 原始惑星系円盤, アルマ望遠鏡, 電波観測
太陽以外の星を回る系外惑星はすでに6000個以上が確認されており、多様な惑星系の存在が明らかになってきました。こうした背景のもと、私は、若い星のまわりに広がるガスや塵(固体微粒子)からなる「原始惑星系円盤」を観測し、惑星がどのように生まれるのかを研究しています。すばる望遠鏡や ALMA などを用いて円盤の形状や運動を詳しく調べることで、渦巻き状の模様や物質が集まりやすい領域を捉え、惑星が育つ環境を少しずつ明らかにしています。こうした観測は、宇宙に存在するさまざまな惑星系の誕生過程を理解するうえで重要な手がかりとなり、将来的には太陽系がその中でどのような特徴を持つのかを考える基盤にもつながっていくと期待されます。
私たちが暮らす地球や、地球が属する太陽系の外には、広大な宇宙が広がっています。天文学では、望遠鏡で受け取る光や電波を読み解き、そうした広大な宇宙で起きる星や惑星の誕生・進化を探ることができます。しかし、それだけでは、なぜ地球に生命が存在するのかという問いには答えられません。だからこそ、異なる時間や空間のスケールで得られた知識をつなぎ合わせることで、どのように生命が生まれうる環境が整うのか、そしてその中で私たち人類とはどのような存在なのかを考えていくことが、豊かな探究につながります。ぜひ自由に、宇宙における生命とは?という問いに思いを向け、宇宙の中の私たちを見つめる視点も感じていただければと思います。
経歴
2016年 九州大学理学部地球惑星科学科、学士(理学)
2018年 九州大学大学院理学府地球惑星科学専攻 修士課程終了、修士(理学)
2021年 九州大学大学院理学府地球惑星科学専攻 博士課程終了、博士(理学)
2018-2019年 NASA's Goddard Space Flight Center 若手研究者海外挑戦プログラム
2018-2021年 九州大学大学院理学府地球惑星科学専攻 日本学術振興会特別研究員(DC1)
2021年-2024年 海洋研究開発機構 生物地球化学センター 日本学術振興会特別研究員(PD)
2024年-現在 海洋研究開発機構 生物地球化学センター ポストドクトラル研究員
研究キーワード: 炭素質コンドライト, 原始地球・隕石母天体, アミノ酸・核酸塩基
Links: JAMSTECホームページ
宇宙から地球へ時折降り注ぐ隕石の中には、「炭素質隕石」と呼ばれる、炭素を多く含む種類があります。この隕石には、アミノ酸、核酸塩基、糖など、生命に欠かせない構成要素を含む多種多様な有機分子が存在し、その数は少なくとも20,000種類以上にのぼります。
これらの分子は、分子雲、原始惑星系円盤、微惑星母天体といった、太陽系形成の各段階で進行したさまざまな化学反応によって生成されたと考えられています。すなわち、地球外有機分子の形成過程は、生命の材料を生み出すための「レシピ」と捉えることができるでしょう。
近年では、JAXA「はやぶさ2」が回収した小惑星リュウグウ試料や、NASA「OSIRIS-REx」が回収した小惑星ベヌー試料の分析が進んでおり、地球外有機分子研究は新たな段階に入りつつあります。
私の講演では、宇宙・化学・生命の起源が交差する世界に魅了された一人の学部生が、リュウグウ・ベヌー試料の分析に携わる若手研究者になるまでの道のりを交えながら、分析化学を用いて地球外有機分子を研究する面白さについてお伝えしたいと考えています。
私がこれまで研究者として貴重な経験を積むことができたのは、何よりも多くの方々との出会いのおかげだと考えています。皆さまにとっても、今回のキャンプでの出会いが実りあるものになることを、心から願っております。
私は若手研究者の一人として、皆さまと年齢が近いからこそ共有できることがあると考えています。日々の生活のことから研究上の悩みまで、どうぞ気兼ねなく相談してください。皆さまより少し先を歩む者として、少しでもお力になれれば幸いです。
次世代のアストロバイオロジー研究を担う皆さまとお会いできることを、心より楽しみにしております。
経歴
2017年 東京大学、学士(理学)
2019年 東京大学大学院 修士課程終了、修士(理学)
2022年 東京大学大学院 博士課程終了、博士(理学)
2019年-2022年 日本学術振興会 特別研究員 DC1
2022年-2025年 日本学術振興会 特別研究員 PD
2025年-現在 東京科学大学 未来社会創成研究院 地球生命研究所 研究員 Earth-Life Science Institute (ELSI)
研究キーワード: 物理生物学、合成生物学、惑星化学
Links: ホームページ
「生命とは何か?」「生命を生み育む環境の条件とは何で、どれだけ普遍的か?」「何を見つけたら生命と言えるのか?」を理解することを目指して、研究をしています。
学部〜大学院では地球惑星科学を専攻し、太古の火星に存在した液体の水が地下の鉱物と起こした酸化還元反応を調べる実験をしていました。酸化剤・還元剤の供給有無は、生命が使える化学エネルギーの存否につながるからです。
博士号取得以降は一転、合成生物学の技術や生物物理学の知見を活かした実験に取り組んでいます。生命の複雑精巧な機能、特にダーウィン進化する仕組みの成り立ちに、変動する周辺環境が寄与した可能性を、凍結融解実験を軸に検証しています。
私がかつて、何の研究がしたいのか考える中で出会ったのが、「アストロバイオロジー」という呼び名です。「我々はどこから来たのか?」「地球以外に生命の星はあるのか?」なんて問いが、科学で挑める対象になっているのかと、心躍ったことを鮮明に記憶しています。これを読んでいる皆さんの中にも、そんな気持ちで参加を心待ちにしている方がいるかもしれません。
その最前線に飛び込んで約10年、私が実感してきたのは、体系だった科学分野と呼ぶには、まだあまりにはなはだ程遠いという現実です(がっかりさせてしまったらごめんなさい……)。
そもそも現状は地球以外の宇宙(アストロ)に生命(バイオ)は発見されておらず、そんな存在のあやふやな対象を学問(ロジー)しようとしている訳です。捉えどころのない対象に挑む方法論は未だ確立されておらず、むしろ、それを確立していくことを目的にした学問だと私は捉えています。即ち、「いかにして現状の科学で挑める対象に持ち込むか?」という切り口の発想や戦略の立て方が、一番の腕の見せ所になるのです。これが極めて難しくも面白い所で、諦めの悪い私はもがき続けています。
そんなフロンティアに敢えて立ち向かう試みにうっかり興味を持ってしまった、勇気ある皆さんと交流できることを、とても楽しみにしています。