警視庁の犯罪に関する統計資料から、城南ヶ丘自治会で優先的に取り組むべき防犯活動を考えてみます。まず、図1に刑法犯認知件数の包括罪種別の推移を示します。このグラフで、犯罪の認知件数では、窃盗犯(紺色の実線)が他の種類の犯罪に比べて4〜5倍多いのですが、知能犯(赤色の太線)も増加傾向にあります。知能犯には、横領、各種偽造、汚職などが含まれますが、最も私たち市民が直接被害に遭うのが詐欺です。詐欺の中で、電話やインターネットで人と接触せずに行うのが特殊詐欺です。知能犯 ⊃ 詐欺 ⊃ 特殊詐欺の関係になります。この知能犯、詐欺、特殊詐欺の三つの認知件数を示したのが図2です。知能犯、詐欺、特殊詐欺共に、年々増加傾向にあることが分かります。
次に、特殊詐欺の手口別の認知件数を示したのが図3です。この中で、オレオレ詐欺と、架空料金請求詐欺が令和5年度から急激に増加していることが分かります。次に、この手口別の特殊詐欺の被害金額推移を示したグラフを図4に示します。被害金額としては、令和6年度はオレオレ詐欺が最高金額であることが分かります。
特殊詐欺の被害者の年齢層の傾向を知るために、平成26~30年の特殊詐欺被害者の高齢者率の推移のデータのグラフを示します。全年齢層(紺色)と比較して、その内数である65歳以上の高齢者層(赤色)が多く被害にあっていることが分かります。
次に被害者の男女別に傾向が見られないか、令和6年度の、特殊詐欺に属するSNS型投資・ロマンス詐欺の被害者の性別・年齢層分布を図6に示します。このレーダーチャートを見ると、男女の差はそれほど見られず、40〜70歳代が多く、その中で、50〜60歳代が最も多いことが分かります。
以上をまとめると、最も認知件数の多い窃盗について防犯対策を行うことは重要であると言えます。特に空き巣などの侵入窃盗に対する防犯対策は、現在、自治会で行っている防犯・防災パトロールが有効だと言えます。また、今後、侵入窃盗などの防犯に関わる講演会も行うために専門家を招聘したいとも考えています。その一方、近年急増している、特殊詐欺について重点的に防犯対策することも、高齢化している城南ヶ丘として有効に働くと考えます。
以上の統計データ分析から、防犯対策として、以下の二本立ての対策で進めていきたいと考えます。
空き巣などの侵入窃盗対策:防犯・防災パトロール
特殊詐欺対策:消費生活トラブルに関する講習会や勉強会