第8回(R6.3.6)
継続的改善のためのIR/IEセミナー2024
はじめに
今年度の継続的改善のためのIR/IE セミナーにつきましては、西南学院大学(福岡市早良区西新)の全面的なご協力により、3月に開催させていただくこととなりました。
「IR 初級」、「IR/ 内部質保証実務担当者」、「内部質保証についてさまざまな角度から考える」の3つのセッションを用意しました。
IR 初級セッションは九州大学基幹教育院次世代型大学教育開発センター「次世代型大学教育開発拠点」の事業として開催します。また、こちらのセッションのみならず、運営全体について九州大学基幹教育院次世代型大学教育開発センターの支援を受けて開催します。
すべてのセッションを対面で実施します。
日時:令和6年3月6日(水)9:30~12:30
会場:西南学院大学 2 号館4階 福岡市早良区西新6-2-92
https://www.seinan-gu.ac.jp/introduction/facility/campusmap.html
詳細については、別紙(PDFファイル:1.3MB)をご覧ください。
1.IR初級セッション [九州大学基幹教育院次世代型大学教育開発センターの拠点事業]
IR初級のセッションでは、アセスメント(学生調査と学習成果の把握)に関連した2つの講義とグループワークを交えながら実践的な手法を学んでもらいます。
参加者には事前課題を2つ出します。研修ではこの事前課題を前提に講義と演習を実施します。事前課題は受付締め切り後、参加者にご連絡いたします。
IR担当者の経験が1年未満の方に求められる知識、技術レベルを想定した内容となります。
昨年夏に開催した大学評価・IR担当者集会2023「IR初級者セッション」とは別内容となります。
<タイムスケジュール>
09:30-09:35 趣旨説明
09:35-10:05 講義1(学生調査の設計や学修成果の把握の動向を中心に扱います。また同時にそれらに関連した基本的な用語についても解説します)[担当:小湊]
10:05-11:05 講義2(学生調査の設計および実施にあたり、その方法や注意点について扱います)[担当:紺田]
11:05-11:15 休憩
11:15-12:25 グループワーク(事前課題をベースにファシリテータを交えながら意見交換を行い、学修成果を把握することへの理解を深めます。)
12:25-12:30 研修全体の総括
<スタッフ>
○小湊卓夫(九州大)、岩野摩耶(山口大)、上畠洋佑(新潟大)、岡部康成(帯広畜産大)、紺田広明(福岡大)、齋藤渉(東北学院大)、藤原宏司(山形大)
2.IR/内部質保証実務担当者セッション
IRだけでなく大学評価、内部質保証に関する実践事例を報告してもらうセッションです。
当日、参加者の方から寄せられた質問には原則的にすべてお答えしますので、積極的なご質問を歓迎します。
<タイムスケジュール>
09:30-09:40 趣旨説明
09:40-10:02「卒業研究ルーブリックの実質的な活用を推進するために」(PDF:931KB)
竹中喜一(近畿大学 IR・教育支援センター)
概要:内部質保証の過程において、カリキュラムを通した学修成果の評価が重要です。その方法の一つに卒業研究の到達度をルーブリックにより評価するものがあります。ただし、実際に卒業研究のルーブリックを作成し活用しようとすると、各学部等ではさまざまな課題に直面します。卒業研究のルーブリックを学修成果の評価に活用するために越えなければならない課題と課題解決に向けたFDについて、報告者による実践事例も交えて報告します。
10:05-10:27「初年次教育科目の学習成果を検証する:多様な視点への気づきに着目して」(PDF:895KB)
橋本智也(大阪公立大学 国際基幹教育機構 高等教育研究開発センター)
概要:総合大学である大阪公立大学では、幅広い学問分野の枠を超えて学び合う機会のひとつとして初年次教育科目「初年次ゼミナール」(1年前期必修科目、少人数制、約200クラス、学部等による履修制限なし)が開講されている。本発表では、履修生アンケートによる学習成果の検証結果を報告する。また、多様な視点への気づきに関係する要因の分析結果を踏まえて、参加者と議論を行いたい。
10:30-10:52「教学マネジメントの現状と課題:教育担当副学長調査の分析から」(PDF:1.9MB)
鈴木拓人(筑波技術大学 学長付・IR室)
概要:教学マネジメント指針によれば、教学マネジメントは「大学がその教育目的を達成するために行う管理運営」と定義され、大学の内部質保証の確立にも密接に関わる重要な営みと位置づけされている。近年、大学教育改革の必要性が指摘され、様々な政策が実施されてきたが、本発表では、東京大学大学経営・政策研究センターが2020年2月に実施した「大学の教育マネジメントに関する理事・副学長調査」の分析結果を踏まえて、教学マネジメントの現状と課題について参加者と議論を行いたい。
10:55-11:17「米国の高等教育機関におけるプロボストの最新動向と日本への示唆」(PDF:836KB)
〇浅野 茂(山形大学);藤原 宏司(山形大学);土橋 慶章(神戸大学)
概要:昨今、日米の高等教育機関に対して、経営機能の強化が強く求められるようになってきている。本報告においては、本年1~2月に米国の2機関において実施したプロボスト及びIE/IR担当者へのインタビュー調査の概要を紹介する。具体的には、新型コロナウィルス感染症の余波とその対策、経営の機能強化に向けて、プロボスト及びIE/IR担当者がどのような対応をとっているのかを取り上げ、日本の大学に対する示唆をとりまとめ、その実現性等について参加者と討議したい。
11:20-11:35 質問感想票記入
11:35-12:25 質疑応答・総合討論
12:25-12:30 アンケート記入
<スタッフ>
○浅野茂(山形大)、鈴木拓人(筑波技術大)、竹中喜一(近畿大)、橋本智也(大阪公立大)、山本鉱(九州工業大)
3.内部質保証についてさまざまな角度から考えるセッション
内部質保証(組織的かつ継続的な自己点検評価と改善:教学マネジメント)は、とにかくこれをやれば確実に機能するという「必勝法」「定石」みたいなものはありません。従って、各大学の置かれた状況などを踏まえ、これまでの自己点検評価体制やマネジメント体制を踏まえながら組み上げていくしかありません。
ただし、そのような全体設計は大学執行部の仕事だといえます。しかしながら、本セミナーにお越しいただくような担当者の方にでもできることはありますし、個々の地道な取組の集合体がいわば全学的な組織体制となるわけですから、自分に今できることは何なのか、ということを考えてもらおうという趣旨で企画しました。
IRだけでなく評価、企画などさまざまな業務分野の話者が内部質保証と自業務のつながりを報告します。前半、後半で2つのテーマを設けました・テーマごとにお近くの方と意見交換を行っていただきます。やや分野の異なる業務から見た内部質保証の輪郭、奥行きみたいなものも感じ取っていただき、ご自身の業務の高度化、洗練化に役立てていただけば、と思います。
<タイムスケジュール>
09:30-09:35趣旨説明
【前半】教育の内部質保証を教務系セクション「が」もしくは教務系セクション「と」どのように進めるか
09:35-09:55「改正大学設置基準適用から考える質保証〜主要授業科目と基幹教員から〜」(PDF:1.6MB)
荒木俊博(淑徳大学 学長室)
概要:淑徳大学ではR6年度より改正大学設置基準の適用をするにあたり、3つの方針の再度見直しから主要授業科目の設定を組織的な方向性をきめ、策定を行いました。学修者本位かつ組織的な教育をしていくために方法や課題について報告を行います。
09:55-10:15「内部質保証を教育運営の観点からみる」(PDF:1.3MB)
藤原将人(立命館アジア太平洋大学 アカデミックオフィス)
概要:内部質保証と教育運営とは密接に関連しています。本報告では内部質保証を、教育運営や教育部門における職務との関係から捉えてみます。そして内部質保証を進めるうえでの教育運営や職務のあり方について検討します。報告の構成は以下の予定です。
・APUの第3期認証評価(大学基準協会)受審時の対応から
・評価部門と教学部門の関係と役割分担
・学習成果の測定(アセスメント)にかかわる実践と課題
・日々の業務からできること、取り組めること
10:15-10:35「鳥取大学における内部質保証システムの全学的運用と関連組織との連携」大野賢一(鳥取大学 学長室)(報告取消)
概要:本学で実施している内部質保証は、学部・研究科の教育活動等について取り組む部分と大学として取り組む部分に分けて運用しています。前者では、教育プログラム毎に自己点検・評価の毎年度実施、後者では、評価結果の共有及び改善に係る計画の進捗管理を行っています。運用体制については、評価系セクションだけでなく、教学系セクションと協同しながら実施しています。本学で内部質保証を推進する際におきた運用上の問題点や実施上の課題等について報告します。
10:35-11:00 休憩
【後半】評価やIRなど現状把握、計画進行管理と内部質保証との折り合いをどのようにつけるか
11:00-11:25「広島市立大学における内部質保証体制の整備-中期計画推進と教育に係る「内部質保証」を区分して-」(PDF:2.1MB)
山咲 博昭(広島市立大学 教育基盤センター 講師/センター長補佐)
概要:第3期機関別認証評価からは内部質保証は重点評価事項として位置付けられ、内部質保証の方針・手続きの明文化や体制の整備が一層求められています。そのため、広島市立大学では、2022年7月に教育と中期計画推進の2つに区分した「内部質保証」の手続きを策定し、この手続きに沿って運用しています。本発表では、2つに区分した「内部質保証」の具体的な運用事例や、運用するなかで明らかになった利点と課題について報告を行います。
11:25-11:50「組織的かつ継続的な自己点検評価のために」(PDF:199KB)
藤井 都百(九州大学 インスティテューショナル・リサーチ室)
概要:国立大学法人では第4期中期目標期間において、制度の洗練が進み、自己評価書のボリューム減少を意図した様式変更等が行われるとともに、毎年度の年度計画立案とその実績報告が廃止されました。これと相前後して、本学では評価担当部署が縮小し、全学的な会議スリム化の流れにあわせて大学評価関連会議の整理も行われたことで、大学評価に関わる人数が減少しています。大学評価の簡素化は歓迎すべきことですが、評価実施機会の希少化と捉えると、評価技能が伝承されない恐れが出てきます。数年に一度の外部評価受審時に、これまでの評価ノウハウを忘れずに活用するためにできることについて考えます。
11:50-12:15 お近くの方との意見交換
12:15-12:20 全体まとめ
12:25-12:30 アンケート記入
<スタッフ>
○大野賢一(鳥取大)、荒木俊博(淑徳大)、江端弘樹(福井大)、嶌田敏行(NIAD-QE)、末次剛健志(長崎大)、藤井都百(九州大)、藤原将人(立命館アジア太平洋大)、山咲博昭(広島市立大)
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