6. ジャイブ の カウント、タイミング、ビートバリュー
6. ジャイブ の カウント、タイミング、ビートバリュー
ジャイブを巡る大いなる謎
ダンス界では、ジャイブ・シャッセのビートバリューは「サンバと同じ」──
つまり 3/4・1/4・1 が定説です。これはもう、教本にも載っているし、試験に
も出るし、誰もが一度は「そういうものだ」と信じ込む瞬間があります。しか
し音楽的に見れば、これはちょっと…いや、かなり違う。 なぜなら、イーブン
ビートとスウィングビートの概念がそもそも導入されていないから 選択肢が
ないというより、「選択肢という発想がない」状態。まるで、カレー屋さんで
「ラーメンください」と言ってしまったような気まずさ。
全日本の元チャンプでさえ YouTubeで シャッセのビートバリューは「サンバと
同じ」 3/4・1/4・1 としていますが そんな中でも
* ジュンコ先生の「社交ダンスが上手くなるとなるということ」
http://universaldance.blog88.fc2.com/blog-date-20090809.html
* 社交ダンス動画先生(イシカワヒロユキ ダンススタジオ)#047
https://www.youtube.com/watch?v=CzHA-xilOk8&t=690s
8ビートのジャイブもあるとの話は・・・?
ジャイブは4ビート スウィング系ですが 8ビートもあり 8ビートは イー
ブンです。 イーブン、スゥイングは性格を異にした 全くの別物 ジャイブは
スウィング系 なのにイーブン系 8ビートジャイブとは困ってしまいます。
ジャイブの直接的なルーツは、1920年代から30年代にかけてアメリカで大流行
したスウィングジャズにあります。ニューヨークのハーレム地区などを中心に
黒人ダンサーたちがスウィングジャズに合わせて踊っていたリンディーホップ
やジッターバグといったダンスがその原型です。これらのダンスは、4分の4拍
子のスウィングジャズ、つまり「1・2・3・4」という4ビートの中で、2拍目と
4拍目にアクセントを置く音楽の「弾むようなリズム(スウィング感)」体現し
たものでした。これが、ジャイブが基本的に4ビートで踊られる所以です。
第二次世界大戦中、アメリカ兵士たちによって、この熱狂的なダンスがヨーロ
ッパ、特にイギリスに伝えられました。現地のダンサーや指導者たちは、その
エネルギッシュなスタイルに魅了されつつも、より洗練されたダンスへと体系
化していきます。こうして、ジッターバグは「ジャイブ」という新しい名前で
呼ばれるようになりました。
ロックンロールの衝撃:8ビートとの融合
ジャイブの歴史における最大の転換期は、1950年代に訪れます。ビル・ヘイリ
ーやエルヴィス・プレスリーといったスターの登場により、ロックンロールが
世界的なブームを巻き起こしたのです。ロックンロールの多くは、4ビートを
さらに細かく刻んだ「1&2&3&4&(ワンエンツーエンスリーエンフォーエン)」
という8ビートを基本としていました。この新しいリズムは若者たちの心を掴
み、ダンスフロアの主役となりました。ここで重要なのは、もともとスウィン
グジャズで踊られていたジッターバグやジャイブの弾むようなステップやエネ
ルギッシュな動きが、このロックンロールの8ビートのリズムと驚くほど相性
が良かったことです。人々は、リンディーホップやジャイブのステップを応用
して、ロックンロールの曲で熱狂的に踊り始めましたこの融合が、ジャイブが
8ビートの音楽でも踊られるようになった直接的な理由です。
競技ダンスとしての洗練と現在
その後、社交ダンス界では、このジャイブを正式な競技種目(ラテンアメリカ
ン)の一つとして採用します。その際、イギリスのダンス指導者たちによって
より技術的に洗練され、スウィングのリズム感を重視した現在の競技スタイル
が確立されました。そのため、競技会で流れるジャイブの曲は、伝統的なスウ
ィング感を持つ4ビートのものが主流となっています。
まとめ:歴史が育んだ二つの顔
このように、ジャイブの歴史を振り返ると、8ビートの疑問が解決します。
起源は4ビート: ジャイブのルーツは、4ビートのスウィングジャズで踊られて
いたリンディーホップやジッターバグにあります。基本的なリズムの解釈や
ステップは、このスウィングのリズムに基づいています。発展期に8ビートと
融合 1950年代のロックンロール(8ビート)の大流行期に、その音楽に合わせ
て踊られるようになったことで8ビートのリズムとも親和性を持つようになり
ました。したがって、「ジャイブは4ビートのスウィングジャズから生まれ、
その発展の過程で8ビートのロックンロールと融合したダンス」であると言え
ます。現在では、競技会では伝統的なスウィング感を重視した4ビートの曲が
一方、パーティーやデモンスト
レーションなどでは、よりポピュラーで誰もが楽しめるロックンロールやポッ
プスの8ビート曲が使われる事もあり、場面に応じて使い分けられています。
ジャイブが持つこの二面性こそが、時代を超えて多くの人々に愛され続ける魅
力の一つなのかもしれません。
ジャイブの歴史を辿ってみて・・・ エルヴィス・プレスリーの熱狂に 飲み
込まれ 8ビートで踊り狂った時期があったのですね 60年代のアメリカンポッ
プスはなじみ深い曲が多いのですがと言う事でジャイブの音楽は、8ビートが
使われる事もあるが、4ビートのスウィング系が主流である事が分かりました。
4ビートのスウィング系は 三連符が基本で、ジャイブシャッセの ビートバリ
ューは 2/3・1/3・1 が自然な解釈です。つまり、サンバのような16ビートの
「カチッと分割」ではなく、ジャイブは「跳ねる」「弾む」「乗る」リズムが命
8ビートなら シャッセは チャチャチャと同じになります。ジャイブはチャチ
ャチャとは違うだろう・・ならサンバのビートバリューで行けばいいじゃん・
・ こうして 教本ではサンバと同じビートバリューで踊るとされているのが
現状・・・ これは、ジャズの即興演奏を譜面通りに演奏するようなもの いや
それはそれで高度ですが、ちょっと“ノリ”が違います。
実際の踊る現場は大混乱??
結論から言えば─現場では 全く問題なし。3/4・1/4 と 2/3・1/3の違いは、理論
上は確かに存在します。でも、実際の踊りの現場では「誤差の範囲」。むしろ
重要なのは、踊り手の感性と音楽への“乗り方ビートバリューの数値よりも、
「ビートに乗る力」が問われるのです。JDSF競技の世界では、ジャイブは最上
位クラスのA級選手のみが踊る “特権種目” そんなトップダンサーたちにとって
は、ビートバリューの数値など もはや「どうでもいい」領域なのかもしれませ
ん。彼らはきっとこう言うでしょう:「ビートバリューの数値なんて知ったこっ
ちゃねぇ。 感じるんだよ、ビートを。乗るだけさァ──」 (知らんけど)
机上では理論は必要
現場では問題なくても、机上ではそうはいきません。以前YouTubeで、ジャイ
ブ・シャッセのビートバリューを「3/4・1/4」と説明しながら「これ、試験に
出ますよ〜」と語っていた動画を見た記憶があります。指導員資格、教師資格
審判員などを目指して勉強する者にとって、音楽理論と整合しない教本の記述
・・・老婆心ながら── ・・・・・・・? ? と、