災害時トリアージの基礎知識

 一般的に非医療従事者であり、日常的に訓練を受けていない市民が「トリアージ」を行う事はありません。

しかし、避難所で避難者に対応する立場になる者は、「トリアージがどのような状況でどのように行われるか」を理解していると役に立つかもしれません。

 医療救護班、救急隊員などは「START」「PAT」等の「災害現場で緊急医療対応するためのトリアージ」を行いますが、ここでその内容までは言及しません。(同じトリアージという言葉であるが内容も目的も違うので混同しないよう注意が必要です)

 昨今様々な団体(公的機関、学会、NPO、もろもろ)が災害時に活動する事を表明し、それぞれが違った意味で「トリアージ」という用語を使用しています。例えば、避難所トリアージとは、要治療、要全介助、要部分介助、自立、自宅待機など、避難所でどう受け入れるべきかを判断する基準です。上記緊急医療対応のためのトリアージとは別の観点であるので注意を要します。

ここでは医療救護班(※災害医療の訓練を受けている組織)が「成人の負傷者・病人」に対して行うトリアージの意味で使用します。(※小児に対する最初のトリアージは成人と同じ)

重症:速やかに適切な治療を受けさせるべき者 (STARTトリアージでは緊急群:赤に相当)

※PAT法に相当する部分

※感染対策上必要な判断

中等症:重症よりは治療を受けるまでに時間の余裕がある (STARTトリアージでは待機群:黄に相当)

軽症:そのまま避難所にいても差し支えない (STARTトリアージでは軽症群:緑に相当)