主要市場インサイト
Fortune Business Insightsによると世界の自動屈折計および角膜曲率計市場規模は2024年に 6,970万米ドルと評価された。市場は2025年の 7,330万米ドルから2032年までに 1億710万米ドルへ成長し、予測期間中に CAGR 5.6%を示すと予測される。
北米は2024年に35%の市場シェアで市場を支配した。
自動屈折計・角膜曲率計とは
自動屈折計は、眼に入る光の変化を測定し屈折異常を算出する機器である。 角膜曲率計は角膜前面の曲率を測定し、反射像から形状を判定する。 さらに、自動屈折角膜曲率計(ARK)は両方の機能を統合した装置で、 眼科検査を包括的に実施できる。
市場成長の背景
乱視・遠視・白内障などの眼疾患増加により、早期診断への需要が高まっている。 トプコン、ニデック、カールツァイスなど主要企業は製品改良や地域展開を加速している。
市場推進要因
眼疾患の有病率上昇
生活習慣の変化や高齢化により屈折異常が増加している。 NCBI(2023年9月)は、2050年までに世界人口の半数が近視になると予測。
多くの国の医療機関は予防的な眼科検診を強化しており、装置の需要が増加中。
市場の制約要因
認知不足と高コスト
低・中所得国では眼科検診の重要性が浸透していない。 高級モデルは 25,000米ドル以上 と高額で普及の障壁となる。
市場機会
主要企業による提携・買収の加速
D.O.R.C.買収(カールツァイス、2024年4月)など、 技術強化のためのM&Aが増加、製品開発を促進している。
市場の課題
訓練を受けた眼科技術者の不足
米国では眼科技術者は6万人未満で、診断能力不足が懸念される(AAO 2024)。
技術動向
デジタル化・自動化、EHR連携、高解像度画像、AI/ML統合が進展。 これにより迅速かつ高精度な診断が可能となり、導入が増加。
COVID-19の影響
パンデミックにより眼科検査が減少、機器需要も一時的に落ち込んだ。 カールツァイスは2020年に売上が7%減少。 しかし2021年以降は患者来院の回復により市場は反転した。
セグメント分析
■ 製品タイプ別
ハイブリッド(ARK):市場を牽引(高精度が要因)
自動屈折計
角膜曲率計
■ 携帯性別
卓上型:診療所での高選好により最大シェア
携帯型:移動診療・学校・職場で成長見込み
■ 適応症別
遠視:2024年最大シェア
近視:デジタル機器使用増により成長
乱視:高度機能の普及で高シェア維持
■ エンドユーザー別
病院:診断処置数の多さから最大シェア
眼科クリニック:最速CAGRで成長
その他(遠隔医療・教育機関など)
サンプルPDFはこちら:
https://fortunebusinessinsights.com/jp/問い合わせ/リクエスト-サンプル-pdf/自動販売業者および角膜計市場-113649
地域別分析
■ 北米
2024年:2,440万米ドル
先進医療インフラと糖尿病増加が診断需要を拡大。
■ 欧州
医療機器規制の充実と眼科医の多さが市場成長を支える。
■ アジア太平洋
最高CAGRで成長。インド・中国・日本の投資増加が要因。
■ ラテンアメリカ / 中東・アフリカ
視覚障害の増加と医療インフラ整備により需要が増加。
主要企業
エシロール・ルクソティカ
カールツァイス・メディテックAG
トプコン株式会社
キヤノンメディカルシステムズ株式会社
ニデック株式会社
ボシュロム
ビジョニックス
レミディオ・イノベーティブ・ソリューションズ
業界ニュース
2024年7月:エシロールがハイデルベルク・エンジニアリング株式80%取得
2023年12月:ツァイスがD.O.R.C.を買収
2023年11月:キヤノンがクリーブランド・クリニックと提携
2022年5月:VisionixとRight MFGがRetinomax販売で提携
2019年6月:NIDEKが全自動ARK-F/AR-Fを発売