コロキウム3
大学初年次教育を問い直す
──ポスト・コロナにおけるアセンブリとエージェンシーの可能性──
企画者・司会者:田中 智輝(山口大学)
報告 1:堀本 麻由子(東洋大学)
報告 2:二ノ宮リム さち(東海大学)
報告 3:藤枝 聡(立教大学)
報告 4:飯田 陽一郎(國學院大學神道文化学部1年)
根本 奎(立正大学文学部1年)
松坂 風亜(中央大学文学部1年)
報告 5:田島 史織(東京大学教育学部4年)
大学初年次教育を問い直す
──ポスト・コロナにおけるアセンブリとエージェンシーの可能性──
企画者・司会者:田中 智輝(山口大学)
報告 1:堀本 麻由子(東洋大学)
報告 2:二ノ宮リム さち(東海大学)
報告 3:藤枝 聡(立教大学)
報告 4:飯田 陽一郎(國學院大學神道文化学部1年)
根本 奎(立正大学文学部1年)
松坂 風亜(中央大学文学部1年)
報告 5:田島 史織(東京大学教育学部4年)
大学初年次教育においてはこれまで、育成される学生像を示すものとして「社会力」や「社会人基礎力」といった概念が広く用いられ、高校から大学へのトランジションが推進されてきた。加えて、成人年齢の引き下げを受けて、大学初年次教育における消費者教育の重要性も言われている。しかし、社会経済的主体としての学生あり方に即した大学教育の改革が強調される一方で、政治や社会に参与する政治的主体としての学生のあり方に即した大学教育の試みはいまだ十分とは言えない。選挙権年齢が18歳以上に引き下げられた2016年以降、高校3年生の投票率が相対的に向上した反面、高校卒業後の投票率が著しく下がっていることも、こうした大学教育の状況と無関係ではないだろう。すべての学生が「成人」として大学に入学することとなった今、政治的主体としての学生に大学教育はいかに応答するのか、改めて問い直されるべき時期をむかえている。
そこで本コロキウムでは、学生の政治的主体性(エージェンシー)に重きを置いた大学初年次教育の先駆的な取り組みを取り上げ、その思想的背景を明らかにするとともに、ポスト・コロナの時代における大学教育のあり方について議論を深めたい。とりわけ、大学という場所に人々が集まり、集合的相互行為(ジュディス・バトラーやネグリ、ハートのいう「アセンブリ」)がなされることにいかなる政治的可能性が見出されるのかを、思想史的方法をふまえつつ検討する。
なお、本コロキウムは会場にて対面形式で報告と議論を行うとともに、Zoomによるオンライン(同時双方向型)での参加者とのセッションも実施する。