教育思想史学会

第32回大会

9/17(土)・18(日)



【開催形式】対面 + オンライン(Zoom)

【対面会場】同志社大学 今出川校地(新町キャンパス)尋真館

教育思想史学会第32回大会へのお誘い

教育思想史学会会長 西村拓生


梅雨明けからの豪雨、急激な第七波、そして戦後政治の闇の突然の露呈と、いささか心穏やかならざる夏を迎えておりますが、今年も秋の大会のご案内を差し上げる時期になりました。


今年の第32回大会は、対面を基本としつつ、コロナ禍に対応した過去2年間のオンライン大会運営のレガシーも活かしたハイブリッド開催とすることを、先日の理事会で決定いたしました。9月17日(土)・18日(日)に(オンデマンド配信のコロキウムはその1週間前から)、同志社大学の新町キャンパスで、3年ぶりの対面での大会となります。


コロナ禍の経験は、私たちの学会活動のあり方を反省する契機ともなりました。オンライン大会が切り開いた新たな参加やコミュニケーションの可能性を実感できた一方、それでもやはり、直接顔を合わせ、場を共有しての議論への飢えを、私たちは今、素朴に感じているようにも思います。今年の大会が、皆さんそれぞれの事情に応じて、多くの会員の方々に久しぶりの京都への旅と学会でのナマの議論を楽しんでいただく機会となれば、また多くの会員の方々に引き続きオンラインでの大会参加の機会を提供することができれば、と願って準備を進めております。


昨年秋、学会運営をお引き受けするにあたってのご挨拶では、私たちの「歴史的現在」を如何に見立てるのか、という問いを念頭において学会の企画・運営を行ないたい、と述べました。第32回大会のプログラムも、そのための省察と討議の舞台設定を意識したものとなっております。シンポジウムでは、3名の気鋭の会員の方々に報告をお願いして、コロナ禍によって促進され、あるいは顕在化したように思われる「学びのメディア変容」を思想史から問い直し、議論します。昨年度の学会奨励賞受賞者の吉野敦会員によるフォーラム1は、フランスにおけるペスタロッチ受容の検討を通じて、文化的距離を超えた思想の受容・解釈の可能性という、私たちの思想史研究にとって死活的な問題をあらためて考える契機となりそうです。ベテランの森田伸子会員にご登壇いただくフォーラム2では、国家と戦争と宗教をめぐる年来のご研究の最先端を語っていただきます。巧まずしてこのテーマもまた、ロシアによるウクライナ侵攻によってあらためて私たちに突きつけられた「歴史的現在」の様相を深く問い直すものとなるはずです。


コロキウムも6つの意欲的で興味深い企画を出していただくことができました。その中には、「つながり」をキーワードとしてきた小玉前会長のもとで始められた高校生の大会参加を受け継ぐ企画も含まれます。開催方式も、オンデマンド、同時双方向、会場での対面とのハイブリッドなど、それぞれに工夫を凝らしてくださっており、会員の皆さまには多様な内容と参加の方法から選んでいただけそうです。


お送りするプログラムをご覧いただいた上で、多くの皆さまに初秋の京都でお目にかかることができるよう願っております。

※ なお、新型コロナの今後の感染拡大状況によっては、急遽、昨年同様の全面オンライン大会に切り替える可能性もあります。事務局からの連絡にご注意ください。


プログラム概要