コロキウム1

エネルギーの教育思想史序説

―フロイト、シュタイナー、バタイユを事例として―

企画者・司会者:井谷 信彦(武庫川女子大学)


報告者:後藤 悠帆(ドルトムント工科大学)

広瀬 綾子(新見公立大学)

森 亘(大竹栄養専門学校)


指定討論者:今井 康雄(日本女子大学)


【概要】

エネルギーの教育思想史をめぐる探索は、19世紀初めの自然科学において「発見」されたエネルギー(energy/Energie)という概念が、教育学の諸分野に与えた影響とその意味を明らかにすることを課題とする。本コロキウムはその端緒を築こうとするものである。近現代の自然科学の発展はエネルギー理論の発展と共にあった。経済学を始めとする人文・社会科学の諸分野も、さらには演劇、音楽、舞踊といった芸術の諸分野も、このエネルギー理論に大小の影響を受けてきた。むろん教育学も例外ではない。例えばデューイは彼の教育思想の核心を占める経験の概念を「エネルギーの相互作用」として説明している。本コロキウムにおいては、①自然科学におけるエネルギー概念の「発見」とその特徴、②アリストテレス哲学とエネルギー概念の来歴、③自然科学のエネルギー理論と教育思想の結節点としてのフロイトの精神分析およびシュタイナーの教育学、④バタイユの蕩尽論にみるエネルギー理論の現代的意義などの諸点について、報告者の発表をふまえて議論を深めたい。

なお、本コロキウムは事前に大会Webサイトに報告者らの発表資料を公開したうえで、当日は対面(会場校)と遠隔(Zoom)のハイブリット形式で開催する。当日は報告者らによる口頭発表は最小限の概説に留め、指定討論者からの問題提起を出発点として、フロアの会員各位との談論を中心とする構成をとりたいと考えている。