コロキウム3


近代仏教と教育をめぐる学説史的研究Ⅲ

企画者・司会者:眞壁 宏幹(慶応義塾大学)


報告者:マイケル・コンウェイ(大谷大学)

田中 潤一(関西大学)

渡辺 哲男(立教大学)


指定討論者:山本 正身(慶応義塾大学)


【概要】

過去2回、我々は、明治から昭和戦前期における近代仏教と教育(学)の関係についてコロキウムを企画してきた。近代ヨーロッパの教育学・哲学・心理学を学び、それを教育実践に落とし込もうとしてきた教育者・教育学者・学生が、なぜ近代仏教(浄土真宗、日蓮主義、禅宗など)に深い関心を寄せてきたのか、そしてなぜ教えに反する部分がありながら近代国体論に取り込まれていったのか、こうした問題を具体的事例に即して考えてきた。今回も、近代仏教は、教師・教育学者・学生たちに実存問題へ向き合う形而上学的姿勢と修養のかたちを示しえたことで「教育を支えるもの」とみなされていたこと、教育を含めた社会現実を変革する原動力として期待されていたこと、そしてそのことがまた国体論に取り込まれていくきっかけにもなってしまったことなどを前提としつつ、さらに新たな事例を検討し、近代仏教がもっていた可能性と限界について参加者と共に考えていきたい。発表は、マイケル・コンウェイ氏(非会員・大谷大学)が真宗大谷派僧侶・暁烏敏が昭和戦前期に構想した「大日本文教研究院」について、田中潤一会員(関西大学)が目白僧園の僧侶・釈雲照が主催した「十善会」と澤柳政太郎の関係から戒律仏教の影響について、渡辺哲男会員(立教大学)がポストモダン建築家・黒川紀章と、彼の中高時代の師である浄土宗僧侶・椎尾弁匡の思想の影響関係について発表を行う予定である。司会は眞壁宏幹が務める。なお、本コロキウムは会場での対面形式ならびにZoomによるオンライン(同時双方向型)のハイブリッド形式で開催する。