コロキウム2


18歳成人時代の主権者教育を考える

―サブジェクトとエージェンシーのあいだで―

企画者:田中 智輝(山口大学)

司会者:村松 灯(帝京大学)


報告者①:楳原 まひろ

飯田 陽一郎

根本 奎

松坂 風亜

(東京大学教育学部附属中等教育学校6年)


報告者②: 田島 史織(東京大学教育学部3年)


指定討論者:小玉 重夫(東京大学)

*撮影協力:矢部 建(東京大学教育学部附属中等教育学校6年)


【概要】

2022年4月、高等学校において必修科目「公共」が実施となり、時を同じくして民法上の成人年齢が18歳に引き下げられた。アクティブ・ラーニングへの転換を柱とした高等教育改革の方針が示された2012年(「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて」(答申))から10年へて、いま、「主体性」の育成に注力してきた一連の取り組みの成果が問われる時期にさしかかっている。

こうした転換期のなかで、企画者らは教育思想史学会において高校生・大学生とともに知と力の構造転換をめぐる議論を重ねてきた。主権者教育の画期となる本年度をむかえるにあたって、本コロキウムでは、これまでの議論を土台としつつ、高校生・大学生とともに18歳成人の時代においてどのような主権者教育が求められているのかについて考えてみたい。報告をつうじて各登壇者から政治的主体としての経験や思いがさまざまに語られることになるだろう。そうした語りを手がかりに、主体—服従(subject)の構造を切断する変革主体(agency)としての主体性を育むことが教育においていかに果たされるのか、その可能性を探りたい。

なお、本コロキウムの実施にあたって、報告および指定討論者との質疑応答の様子をオンデマンド配信するとともに、大会当日は会場での対面形式ならびにZoomによるオンライン(同時双方向型)にて参加者とのセッションを実施する。