コロキウム6


パトスの語り方を問う

企画者:浅井 健介(奈良教育大学)

森田 一尚(大阪樟蔭女子大学)


司会者:岡部 美香(大阪大学)


報告者:浅井 健介・森田 一尚

髙谷 掌子(京都光華高等学校他)

門前 斐紀(金沢星稜大学)

指定討論者:生澤 繁樹(名古屋大学)

桑嶋 晋平(九州看護福祉大学)


【概要】

近代の合理主義や機能主義が縮減し、切り詰めてきたものを救い出そうとする試みは、本学会のなかでも様々な思想系譜への参照を通じて繰り返し行われてきた。関西を拠点とする教育思想史・教育哲学研究者を中心に昨年刊行された『教育学のパトス論的転回』(岡部美香・小野文生編、東京大学出版会)も、そのような試みの一つである。「パトス」という視点は、従来「他者」、「臨床」、「生成」など、それ自体様々な立場から論じられてきたテーマをゆるやかにつなぐとともに、「パトス」の対立項として捉えられてきた「理性」、「啓蒙」概念の再検討へと私たちを誘ってきた。しかし、この「パトス」概念の語り方は、一様ではない。それはどの思想(家)に依拠するか、また、語る本人(研究者)の時代感覚や世代意識によって大きく左右される。

本コロキウムでは、『教育学のパトス論的転回』を起点にして報告者が、ベンヤミン、フロム、デューイ、西田幾多郎、田邊元、木村素衞など、それぞれの研究の立場から、パトスの語り方についての問題提起を行う。その報告をもとに、パトス論の可能性について考えるだけでなく、広く、教育思想史研究の取り組み方をめぐって、世代や思想的背景の異なる参加者同士が対話することのできる場をつくりたい。

なお、本コロキウムは会場での対面形式ならびにZoomによるオンライン(同時双方向型)のハイブリッド形式で開催する。