コロキウム5


教育思想史の特殊性はいかに考えられたか

―歴史叙述のなかの科学/技芸としての教育―

企画者・司会者:岸本 智典(昭和音楽大学)

報告者:岸本智典・髙宮 正貴(大阪体育大学)


指定討論者:小山 裕樹(聖心女子大学)


【概要】

教育についての学は「科学〔science〕」たりうるのか、教育は「技芸〔art〕」でありそれは「科学」たりえないのではないかという問いは、一九世紀を通じての新たな自然諸科学や社会諸科学の進展や国際的な知見の交換ないし共有の広がりを背景に、特に教師教育をめぐる議論のなかで焦点化されることとなった。本コロキウムでは、一九世紀英米の幾人かの代表的な(広義の)教育思想史家(具体的にはロバート・ハーバート・クイックやヘンリー・バーナードら)を取りあげ、彼らが教育(学)の歴史を描くときに、この「科学」か「技芸」かという問いをいかに処理し、教育に関する歴史叙述の特殊性や、延いては教育学や教師教育の特殊性をいかに思考していたかについて考察する。

本番では、報告者からの英米それぞれについての二つの報告のあと、指定討論者からのコメントを受け、参加者全体での議論へと開きたい。