ネパール航空が成田-カトマンズ直行便を飛ばしているようだが、私が探した時には見つからなかった。その時点での最安値で選んだのがスリランカ航空のコロンボ経由便だった。往路でのトランジットが15時間近くあったのだが、スリランカ航空が無償でホテル・食事を提供してくれたので有難かった。
燃油・海外諸税込みで118,890円、コロナ禍と円安の影響で、数年前と比較すると3割増しくらいの価格感である。
【往路】
スリランカ航空 UL455 便
10月22日 11:35 発 東京 成田国際空港
17:25 着 コロンボ バンダラナイケ国際空港
(乗継時間 14時間50分)トランジットホテル泊
スリランカ航空 UL181 便
10月23日 8:15 発 コロンボ バンダラナイケ国際空港
12:15 着 カトマンズ トリブバン国際空港
【復路】
スリランカ航空 UL182 便
11月13日 12:50 発 カトマンズ トリブバン国際空港
16:10 着 コロンボ バンダラナイケ国際空港
(乗継時間 3時間35分)
スリランカ航空 UL454 便
11月13日 20:35 発 コロンボ バンダラナイケ国際空港
11月14日 8:10 着 東京 成田国際空港
ハイシーズン(10月~12月)はカトマンズ-ルクラ間の直行便は飛ばず、途中のラムチャップ-ルクラ間のみ運行、との情報を得た。トレッキング開始前にカトマンズ-ラムチャップ間の4~5時間の自動車移動は辛いのと、ヘリコプター初体験もあって往路はヘリコプター、復路はルクラ-ラムチャップ便とラムチャップ-カトマンズ間のJeepをそれぞれオンラインで予約した。
【往路】ヘリコプター 495 USD
10月25日 7:00 発 Kathmandu トリブバン国際空港
7:45 着 Lukla
【復路】Summit Air 804 177 +28 USD(手数料)
11月10日 7:30 発 Lukula
8:00 着 Ramechhap
Jeep US$ 40
9:00 発 Ramechhap
13:00 着 Kathmandu
ところが現地で聞いてみると、実際にはカトマンズ-ルクラ間の直行便は飛んでいたようである。ネットでは予約できないが、現地の旅行代理店等に頼むと手配してくれるらしい。カトマンズ入りしてから手配するのはさすがにリスクが高いので、事前にガイド/ポーターを予約する際などに代理店に依頼すると運が良ければ予約できるかもしれない。
カトマンズ-ルクラ間の航空便は天候に影響されやすいので、遅延やキャンセルを念頭において計画する必要がある。私が行く前の週までは天候不順で、相当数の航空便がキャンセルされたと聞いた。また、私の復路の便は3時間遅れで出発し、自動車移動はカトマンズの渋滞に巻き込まれて6時間もかかってしまった。
ネパールに入国するためにはビザが必要。入国時にも取得できるが行列で時間がかかるようなので、出発前に取得することにした。
ビザの取得方法はネパール大使館のサイトを参照。オンラインで情報を入力・印刷して大使館で申請する。郵送でも申請可能。私は自宅から1時間で行けるので、散歩がてら大使館に行ってみた。
大使館の外の窓口に大勢並んでいるがそちらはネパール人向けで、日本人のビザ申請は玄関を入った建物内で受付けている。最初、外の窓口に並んで時間を無駄にしてしまった。
受付の係員にオンラインフォーム、パスポート、申請料6,000円を提出すると、10分くらいで即日発行してもらえる。大使館サイトでは数日後に郵送で発行と書いてあったのでレターパックを用意していったが、無駄になった。
発行されたのはパスポートに貼るシール状のビザ、およびA4の紙に印刷されたeTA(Electronic Travel Authorization)だった。カトマンズのイミグレーションでは、パスポートのビザシールだけでOK。
往路のコロンボで一旦空港から出て宿泊するため、スリランカのビザが必要となった。2日間のトランジットビザで無償。
現地での取得もできるが、事前にスリランカ政府ETA申請ページからオンラインで簡単に取得できるので申請してみた。ビザはメールで送られてくるので、印刷してイミグレーションで提示する。
往路のコロンボでのトランジットは15時間近く待ち時間があったが、スリランカ航空が無償のホテル・食事・送迎バスを提供してくれたので快適に過ごすことができた。8時間以上のトランジットでチケット価格が750USD以上の場合にこのサービスを受けることができるらしい。事前にメール等で予約する必要がある。
コロンボ空港到着後イミグレーションを通る前に、大仏の裏にあるトランスファーデスクでバウチャーを発行してもらう。その後イミグレーションを通り、空港ロビーにあるストップオーバーカウンターにバウチャーを渡し、近くのページングエリアの椅子で待っていると受付のお兄さんがバスまで案内してくれる。
連れていかれたホテルはとても綺麗で、食事も美味しくいただいた。翌朝も大型バスで空港まで送迎してもらい、至れり尽くせりだった。スリランカ航空あなどりがたし。
ルクラからのトレッキング中の宿泊は、ガイドが当日手配してくれた。ゴーキョで数軒満室だった以外は、満室で断られることはなかった。ただし、ゴラクシェプにはロッジが5軒しかないらしいので、運が悪いと空き部屋が無い可能性もある。
トレッキング前後のカトマンズ宿泊は、事前にオンラインでホテルを予約しておいた。
トレッキング前: Hotel Access Nepal 5,587 円/2泊・朝食付き
タメル地区のほぼ中心に建っているので非常に便利。比較的新しく、バスルームにはバスタブが付いていた。4階がオープンテラスのレストランになっており、朝食はバイキングだった。
カトマンズ空港到着後、ホテルまではタクシーで移動、10USD。
トレッキング後: Imperial Guest House 4,983 円/3泊
タメル地区の東側、ジャタ通りから路地を入った奥にある。人通りが少なく若干不安になるが、治安は悪くない。オーナーのおじさんがとても親切で、傘を貸してくれたり、いろいろと世話してくれた。空港までのタクシーの予約をお願いしたら、600ルピーで手配してくれた。
設備は若干古いものの、シャワーの温度・湯量はAccess Nepal より良かった。
Imperial Guest Houseへの路地の途中にあるレストラン "SHEF'S BURGER"は一見ハンバーガー屋だが、ファストフード、中華、ネパール料理と何でもありの総合レストランだ。リーズナブルで割と美味しいので、昼はサンドイッチのテイクアウト、夜は中華・ネパール料理とほぼ毎日通った。おススメ。
海外旅行保険 たびとも 7,800円
高山病に罹って緊急ヘリコプター搬送という事態もあり得るので、念のため加入。ピッケル、アイゼン、ザイル、ハンマー等の登山用具を利用した山岳登はんは対象外だが、今回のトレッキングではそれらの用具は利用しないので問題なし。
ネパール観光局は、2023年4月1日以降にネパール国内において外国人が登山を行う場合は必ずガイドを雇う必要があるとのプレスリリースを発表した。実際に現地で見た感触では、ほとんどのトレッカーがガイドかポーターを雇っていたようであるが、中にはガイド・ポーターなしの人達も少なからずいた。
プレスリリース前は私もガイドなしの完全ソロトレッキングを目指していたが、トレッキングを終えた今ではガイドを雇って良かったと感じている。海外トレッキングに精通していて、体力に自信があって英語ペラペラで、よほどお金に困っていない限りは、ガイドを雇うことをお勧めする。その理由は、
不慣れな海外トレッキング、英語しか通じない、4000mを超える高地での長期滞在による健康不安、等々の状況下でガイドの様々なサポートがなければ、ただ歩いて宿を見つけて泊るだけで疲れ果て、トレッキングを楽しめる余裕など生まれなかったのではと想像できる。
チョラパス方面などでは人通りが少ない場面があり、ガイドなしだと道に迷う心配があった。特に氷河の上は瓦礫の山で、一度迷うと遭難の可能性も否定できない。
ガイドによる案内は、地理的・観光的な事柄にとどまらず、文化・風習・生活習慣や制度・社会の仕組みに至るまで多岐に渡り、ネパールに関する幅広い理解に役立った。
ツーリズムはネパールにおける最大の産業であり、観光資源を維持するためにも、現地でお金を使うことは重要である。
カトマンズにはツアー代理店が沢山あるので、現地到着後に飛び込みで契約することもできるが、安心のため事前にオンラインで検索して契約しておいた。ライセンスを保有するガイドを予約し、費用は 25 USD/日 ✕ 16日間+クレジットカード手数料4% + チップ 100 USD=516 USD。20代の若いガイドであったが、とても頼りになるナイスガイだった。
高山病
標高4000mを超え5500mまで到達するトレッキングなので、高山病が一番心配だった。結果から言えば、軽微な頭痛くらいで、幸いにも重大な症状は出ずに済んだ。頭痛は4000mを超えたあたりから始まり、呼吸が浅くなる夜間や休憩時にジワッと痛くなる感じ。対策として、夕食後に高山病薬 Diamoxを半錠飲み、水分を頻繁にとるようにした。それが功を奏したのかは不明だが、以降それ以上症状が悪化することはなく、頭痛も次第に治まっていった。
下痢
ルクラに入った翌日、突然の下痢に襲われた。どうやらカトマンズでの飲食で当たったようだ。生水は飲まないよう気を付けていたのだが、食事に含まれる生野菜にやられたと思われる。インドと同様、ネパールでも下痢は避けられないと考えた方がいい。薬局おススメの3種類の下痢止め薬を飲むと、割とすぐに治まった。地元の下痢は地元の薬が効くようである。
咳
高地の乾燥した冷気は呼吸器にダメージを与える。カラパタールやチョラパス越えを過ぎたあたりから咳が出始めた。周りでも激しく咳込む人が何人かいた。昼間は咳のどトローチやのど飴を頻繁になめ、夕食後に風邪薬を飲んで寝たら悪化せずに済んだ。トローチ、のど飴、風邪薬/咳止め薬は、日本から持参した方がよいと思う。
口内炎
高地での食事には生野菜が含まれないので、どうしてもビタミン不足になりがちである。そのせいで口内炎が悪化してしまった。せっかくマルチビタミン剤を持参したのにトレッキング序盤は飲み忘れ、口内炎が悪化してからようやく飲み始めた次第。高山病にも効くかもしれないので、最初から飲めばよかった。
靴擦れ
日本で履きなれたトレッキングシューズで行ったのだが、さすがに100km以上歩くと靴擦れは避けられない。とは言え、マメができるほどの重傷ではなく、くるぶしの辺りが擦れて赤くなり歩くと少々痛む程度。テーピングテープで患部を保護することでそれ以上の悪化は防ぐことができた。テーピングテープは必需品ですね。