一 学校の概要
本校は、旧制若松市立第四中学校を前身とし、今年創立80年を迎える伝統ある学校です。北九州市若松区に位置し、背後には石峯山、眼前には洞海湾や北九州工業地帯、その奥に皿倉山を望む自然と産業の歴史が調和した環境にあります。若松区は、かつて筑豊炭田の石炭積出港として栄え、日本の近代化や高度経済成長を支えてきました。また、若戸大橋は2022年に国の重要文化財に指定されるなど、地域には豊かな歴史と文化が息づいています。
かつて本校は1,000名を超える生徒数の大規模校でしたが、現在は約140名の小規模校です。教職員全員で生徒一人ひとりに寄り添いながら温かく落ち着いた学校づくりを進めています。
二 本校の特色ある教育活動
本校では、図書館教育、防災・減災教育、小中一貫教育など、特色ある教育活動を推進しています。中でも特に力を入れているのが図書館教育です。不読率が56%を超える状況でしたが、2年前の大規模改修に伴う学校図書館整備を機に、「学校まるごと図書館」をテーマに、読書環境の改善を進め、生徒が読書に親しめる取組を充実させてきました。
学校図書館を「読書センター・学習センター・情報センター」と位置付け、朝読書や休み時間、放課後などの「隙間時間」に読書ができる環境づくりを進めています。各学年の廊下にはミニ図書館「ちょこブック」を設置し、生徒が自然に本に触れられるよう工夫しています。また、季節や授業内容に関連した特設コーナーを校内の随所に設け、学びと読書を結び付ける取組も行っています。
さらに、参加型の図書館イベントも充実させています。中でも本校独自の「石峯版ミニビブリオバトル」は、生徒同士が本の魅力を紹介し合う活動であり、読書意欲の向上だけでなく、表現力やコミュニケーション能力の育成にもつながっています。図書館は「本を読む場所」から、「本を楽しむ場所」へと変化しています。
また、子ども図書館や地域との連携にも積極的に取り組んでいます。電子図書館の活用や北九州市中学生ビブリオバトル大会への参加、地域図書ボランティアとの協働など、多様な活動を展開しています。さらに、小中9年間を見通した「図書館教育カリキュラム」を作成し、小学校との連携を推進しています。その一環として、小学6年生を中学校図書館に招待し、中学3年生が図書館案内やおすすめ本の紹介、ビブリオバトルの実演、絵本の読み語りを行いました。この取組は、小学生の中学校図書館への期待感を高め、中学生にとっては読書の意義を再認識する機会となりました。
三 終わりに
本校では、図書館環境整備や「隙間読書」の推進、「ちょこブック」の設置などを通し、読書をより身近に感じられる学校づくりを進めてきました。その結果、不読率は大きく改善し、生徒の読書への関心も高まっています。今後も、生徒が主体的に本に親しみ、豊かな学びにつながる図書館教育の充実を図っていきたいと思っています。