製麺の基本工程とターニングポイント
基本的な製麺工程を説明しつつ、当生パスタの特徴を★で示しています
製麺機のメリットは、熟練の職人でなくても、ポイントを押さえれば、誰でも同じ麺が作れます
原材料
小麦粉で、麺質の大半が決まります。銘柄を何にするかはとても重要です。
例 粘り強いもちもち麺、プリっぷりの麺、コシの強い麺、黄色い小麦粉など
★作りたいイメージに合わせて、どのメーカーのどの小麦粉をどのようにブレンドするかを決めます
水、かんすいも種類が豊富です。小麦自体は白色のため、拉麺の着色はクチナシなど使用し黄色くします
計量
小麦粉、かん水のほか、水、グルテン、色素(クチナシ)が入ります
水が少ないとコシの強い麺になり、多いともちもち感のある麺になります
★製麺機で多加水麺を作ると、機械に生地(小麦粉)がべたつくため水量を調整します
参考 職人による手ごねの場合、手の水分も加減されるため、職人の感覚になってしまいます
製麺機は、材料となる小麦粉に直接触る機会が減り、衛生的で、人の手によるばらつきがなくなります
ミキシング
水分が多くこねすぎると、生地が大きな玉になり、水分が均等にならなくなります
水分のばらつきが、ねばねばした部分とさばさばした部分となってしまい、ロールに小麦粉が均等に入らないと、穴が開いたり、端まで行きわたらなかったりし、粗麺帯がうまくできません
★全体が混ざり、サラサラ感が残る程度でミキシングを終えます
粗麺帯
ミキシング後の生地をロールに通し、麺帯にする作業
★生地が細かい状態でロールに通すと、両端に生地が行きわたり、きれいに仕上がります
複合
二つの粗麺帯を合わせて、層を作る工程
複合を増やすと、麺が固くなります(3回以降は変化なし)
参考 ラーメンにおける生地の複合とは?複合のメリット・デメリット
https://www.yamatomfg.com/contents/advantages-of-combining/#cmb-of-times
★粗麺帯がきれいに仕上がると、作業しやくなる
圧延
カットする前に、麺の厚みをそろえる工程
★麺は反発し、ロールの厚み設定のままに仕上がりません
設定した値より、麺帯が厚いため、麺を実測し、厚みを確認しながら、ロールの設定値を調整する
カット
角刃や丸刃のサイズを確認して、切刃をセッティングします
ストレートやちぢれの作り分け、長さも調整します
★0.1mmでも麺の太さの微調整を行う
参考 切刃について
https://www.kanekoss.co.jp/kiriha.html
ロールには、各工程を1回ずつとしても4回通す必要がある
回数を増やせば、材料が同じでも、異なる麺が仕上がります
★寿司の握りの少ない方がおいしいという考えに沿って、ロール工程も各1回としている
製麺所により考え方は多様であり、どのような麺を作るかは、作り手の哲学次第です。私の製麺はその中の1つです