【授業の概要と目的(何を学ぶか)】Outline and objectives
海外フィールドスクール・プログラム( Field School Program:略称FS)とは
海外フィールドスクール・プログラム( Field School Program:略称FS)とは、2年次に実施される長期・夏期スタディ・アブロード・プログラム(SA)とスタディ・ジャパン・プログラム(SJ)で培われた異文化間のコミュニケーション力のみならず、それまでの本学・本学部における基礎的・専門的な学びを十分に活用し、海外のフィールドでより専門性の高い知識、研究手法、表現方法を習得するものです。東・東南アジアをフィールドに開発と文化コース、表象文化コース、環境と文化コースの3つのコースで実施します。当該年度の開催コースは、国際文化学部 Web サイトにてご案内いたします。(3コースのうち、2コースが例年実施されます。)
2024年度に実施する海外フィールドスクール・表象文化コース
2024年度の授業構成は、日本で受講するオンライン(オンデマンド)授業とフィリピン・マニラに渡航してのフィールドワークを組み合わせたものになります。
この授業では、フィリピンの文化と芸術をテーマとして生活や文化背景の違う人々との共同作業を通じて、多角的な見方、考え方による双方向の文化理解やコミュニケーションについて体験的に学びます。今年度のテーマは「インターベンション・アート」です。マニラの街や文化施設を巡りながら、都市に介入するアートワークの方法を探ります。
東南アジア、フィリピンの環境問題や社会問題と美術や演劇、映画などの文化活動を関連させるワークショップを中心とする講座となっています。東南アジアの文化に関心のある皆様はぜひご参加ください。担当教員は稲垣立男です。
オンデマンド授業(国内)
・7月以降に順次公開
マニラへの渡航日程(フィリピン)
・8月4日(日)−8月8日(木)
・8月4日(日)東京―マニラ
・8月8日(木)マニラー東京
【到達目標】Goal
フィリピン在住の研究者、ジャーナリスト、NPO運営者、アートキュレーター、アーティストらによる講義やワークショップ、フィリピンをテーマとしたマニラでのフィールドワークを通じてフィリピンの文化や人々の暮らし、演劇や現代アートなどの芸術表現や文化政策への理解を深めることを目標とします。
【授業の進め方と方法】Method(s)
地域に特有の環境問題や社会的問題をテーマによるオンデマンド授業、マニラではグループワークでの調査や仮想のアート・プロジェクトを実施、ディスカッションを経て、様々な発表形式による作品発表を行います。
1. フィリピンの社会的課題と、美術史や美術理論の基本的な知識を確認します。
2. 受講者同士のディスカッションやフィールドワークを通じて問題を探ります。
3. マニラ滞在中に、作品制作(プレゼンテーション)に取り組みます。
【授業計画】Schedule
7月1日(月)
授業のタイトル:事前学習
担当:稲垣立男(法政大学)
授業の概要
各講義やワークショップの詳細、注意事項
フィリピンの文化や芸術に関連した内容の講義や事前調査について
7月8日(月)
授業のタイトル:フィリピンの文化と社会1
担当:澤田公伸(まにら新聞記者)
フィリピンの社会と政治の現在について
7月15日(月)
フィリピンの文化と社会2
鈴木勉(国際交流基金マニラ日本文化センター所長)
フィリピンのインディペンデント映画に観るコスモロジー
7月22日(月)
フィリピンの文化と社会3
山形敦子(アーティスト)
フィリピンでのアーティストとしての活動
フィリピンのアートシーンについて
7月29日(月)
フィリピンの文化と社会4
平野真弓(フィリピン大学講師)
都市に介入するアート
フィリピンと日本のアートの関係について
8月10日(土)
授業のタイトル:事後学習
担当:稲垣立男(法政大学)
フィードバック
8月4日(日)
午前:渡航(東京ーマニラ)
午後:フィールドワーク1、2
担当:稲垣立男、ロード・ナ・ディト
マニラの文化施設の見学1、2
フィリピン文化センター
オルタナティブ・スペース
8月5日(月)
午前:フィールドワーク3
担当:稲垣立男、ロード・ナ・ディト
マニラの文化施設の見学3
国際交流基金・文化交流に関するインタビュー
午後:フィールドワーク4
担当:稲垣立男、ロード・ナ・ディト
マニラの文化施設の見学4
コマーシャル・ギャラリー
8月6日(火)
午前:インターベンション・アート1
担当:稲垣立男、ロード・ナ・ディト
イントラムロス地区での作品制作1
午後:インターベンション・アート2
担当:稲垣立男、ロード・ナ・ディト
イントラムロス地区での作品制作2
8月7日(水)
午前:インターベンション・アート3
担当:稲垣立男、ロード・ナ・ディト
フィリピン大学ディリマン校キャンパスでの作品制作1
午後:インターベンション・アート4
担当:稲垣立男、ロード・ナ・ディト
フィリピン大学ディリマン校キャンパスでの作品制作2
8月8日(木)
渡航(マニラー東京)
稲垣立男
作品・レポート課題について
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)】Work to be done outside of class (preparation, etc.)
Google siteで配信する授業コンテンツには、学習を深めるためのウェブサイトのリンクが多く紹介されていますので、興味のあるものについては閲覧することをおすすめします。本授業の準備学修・復習時間は各2時間を標準とします。
【テキスト(教科書)】Textbooks
Google siteを通じて授業に必要な資料を配布します。いくつか参考書を紹介しますので、それらのうち少なくとも一冊を選んで購読することを勧めます。また各分野の研究に関して必要となる資料についてはその都度紹介します。
【参考書】References
大野拓司「フィリピンを知るための64章」明石書店
鈴木勉「フィリピンのアートと国際文化交流」水曜社
鈴木勉「インディペンデント映画の逆襲―フィリピン映画と自画像の構築」風響社
【成績評価の方法と基準 / Grading criteria】
成績評価については、平常点(授業への取り組み)、課題とレポートの合計で行います。取り組みの実験性、積極性を重視します。採点比率は以下の通りです。
1. 平常点(50%)
2. 課題とレポート(50%)
この成績評価の方法をもとに、本授業の到達目標の60%以上を達成した者を合格とします。
【学生の意見等からの気づき / Changes following student comments】
2021年度、2022年度に緊急事態宣言下でやむなくオンラインで実施した海外フィールドスクールでは、海外渡航ができませんでしたが、学生たちは積極的な態度で受講した結果、充実した異文化体験の場、新しい芸術文化に関する出会いの場となったようです。
2024年はコロナ禍での経験を踏まえて、オンラインとマニラ現地での授業を組み合わせ、より効果的な授業となるようにしたいと思います。
【学生が準備すべき機器他 / Equipment student needs to prepare】
資料配布・課題提出等のためにGoogle classroomを使いますが、履修に関する情報については学習支援システムを併用しますので、よく確認しておいてください。
【その他の重要事項 / Others】
実務経験のある教員による授業
稲垣立男はコンテンポラリーアーティスト。フィールドワークによる作品制作と美術教育に関する実践と研究を国内外で実施しており、これらの現場での経験を毎回の講義に反映させています。
国際交流基金マニラ支局:https://jfmo.org.ph/
まにら新聞:https://www.manila-shimbun.com
LOAD NA DITO:https://loadnaditoprojects.cargo.site
山形敦子:https://atsukoyamagata.com
フィリピン文化センター:https://culturalcenter.gov.ph/#home
イントラムロス:https://intramuros.gov.ph
フィリピン大学ディリマン校:https://upd.edu.ph