稲垣立男(法政大学国際文化学部教授・アーティスト)
各講義やワークショップの詳細、注意事項など
フィリピンの文化や芸術に関連した内容の講義や事前調査について
鈴木勉(国際交流基金マニラ日本文化センター所長)
フィリピンのインディペンデント映画は昨今海外で高い評価を受けており、カンヌ、ベルリン、ベネチア、東京など主要国際映画祭でも常連となっている。そこで表象される世界像は、フィリピンの人々や文化を理解するのみならず、ポスト植民地時代とは何か、グローバリゼーションはどのように社会に影響を与えているのかについて考える道標でもある。本講義では多くの映像を交えてフィリピン映画を紹介しながら、上記テーマを中心に議論する。
・講義1:「インディペンデント映画を通したフィリピン文化理解」
講義全体の背景を説明し、映画理解に必要なフィリピン関連情報とフィリピンの現在の映画受容環境をシェアした後、いくつかの観点からインディペンデント映画を紹介する。
・講義2:「ディアスポラとフィリピン映画」
”ディアスポラ”や”グローバル・フィリピーノ”をキーワードに、フィリピン人のディアスポラを描いた映画を参照し、現代のディアスポラ問題について考察する。後半はグループに別れて「インディペンデント映画」・「ディアスポラ」・「国際交流」など参加者の関心に応じてテーマを設定をしてディスカッションを行いたい。
澤田公伸(まにら新聞記者)
本授業ではマニラ首都圏において昨年2月ごろから顕著となるコロナ感染拡大の状況とそれに対する政府の主な施策(防疫対策)、また住民の間でコロナ下でみられるようになった新たな生活習慣などについてパワーポイント資料を使い、写真付きで紹介する。
主な議論のポイントは次のようになる。
ドゥテルテ政権が進める厳しい都市封鎖(ロックダウン)
なかなか抑制できない感染拡大に立ち向かう
市民の間で広がる新しい習慣
政府と市民との間のあつれき
事前課題
「まにら新聞ホームページ」と「生活情報誌ナビ・マニラ」の両方のサイトをチェックして、それぞれ気になった過去のニュースもしくは情報ビデオを2本ずつ(計4本)を事前に選んでおいてください。授業の最初に気になったフィリピン関連ニュースについてお尋ねします。
http://www.manila-shimbun.com/
https://navimanilaph.com/
反町眞理子(コーディリエラ・グリーン・ネットワーク代表)
環境NGOコーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)は今年で設立20周年になる。ルソン島北部山岳地方はインフラ整備の遅れから、長い間先祖伝来の暮らしを伝え、豊かな自然を守ってきた。しかし、この20年間で大きな変化が起こっている。グローバリゼーションと地球規模で進行する気候変動は、先住民の伝統の暮らしと山岳地方の森林にどんな影響を与えてきたか? CGNはどんな活動で、環境保全と先住民族の暮らしの向上を行ってきたか。
参考:現在実施中のクラウドファンディング「世界のみんながしあわせになるコーヒー」プロジェクト
反町眞理子(コーディリエラ・グリーン・ネットワーク代表)
CGNのおもな活動の一つに先住民コミュニティにおける演劇を活用した環境教育がある。2017年から2021年まで実施してきた「フィリピン、インドネシア、日本の青少年を対象とする環境問題をテーマとした演劇交流事業」(国際交流基金アジアセンターなど助成)を例として、CGNが取り組んできた参加型の環境ワークショップの手法とそのインパクトを紹介する。ディスカッションにフィリピン人コミュニティ・ファシリテイターを招聘予定。
参考:プロジェクトのフェイスブック・ページ↓
事前課題
以下のロジャーさんがファシリテートして子供たちと作った演劇と、もとになった民話語りのビデオをみて、英語でのロジャーさんへの質問をいくつか用意しておいてください。
演劇の映像(字幕付き)https://youtu.be/uOCAuRlRr6I
民話語りの映像(字幕付き)https://youtu.be/RWdxZVqnvpk
Load na Dito
ロード・ナ・ディト(平野真弓、マーク・サルバトス、ジェローム・ソリアノ)
Load na Dito
ロード・ナ・ディト(平野真弓、マーク・サルバトス、ジェローム・ソリアノ)
稲垣立男(法政大学国際文化学部教授・アーティスト)
授業の感想
まとめの課題
各課題と関連した社会的課題に関する講義と基本的な知識を確認します。
次に参加者とのディスカッションや大学内外のフィールドワークを通じて問題を探ります。
最後に各自が資料調査やフィールドワーク、ディスカッションを経て、作品制作(プレゼンテーション)に取り組みます。
授業を円滑に進めるために、以下のオンラインツールを使います。
Google site(授業の基礎となるコンテンツの配信)
Zoom(ミーティング)
Google Classroom、Google Form(課題提出とそのフィードバック、質問など)
Miro(コラボレーション)
Flip grid(映像制作、コラボレーション)
参考書
大野拓司「フィリピンを知るための64章」明石書店
鈴木勉「フィリピンのアートと国際文化交流」水曜社
鈴木勉「インディペンデント映画の逆襲―フィリピン映画と自画像の構築」風響社
成績評価の方法と基準
成績評価については、平常点(授業への取り組み)、課題とレポートの合計で行います。
取り組みの実験性、積極性を重視します。採点比率は以下の通りです。
平常点(50%)
課題とレポート(50%)