ロード・ナ・ディト(平野真弓、マーク・サルバトス)
このワークショップでは、インスタレーション・アートという表現について考えます。1日目のレクチャーでは、フィリピンにおけるインスタレーション・アートの言説と実践について学び、その後の実習・活動時間を使って、各自の置かれた環境・文脈との関係からインスタレーション・アートについて考え、作品(またはプロポーザル)を制作し、2日目の後半で発表します。
インスタレーションの手法を用いることで、「今この瞬間」に大きな価値を置くことが出来る。その気づきを得られたことが印象的でした。
今日の授業を通してインスタレーションという行為がどのようなものであるかについて知る機会になってよかったです。また、アートにはある意味だけを含めようとしてしまうと元の本質を失ってしまうことになり、たまには自分の心に従うことも重要であるという話がすごく印象に残りました。自分も作品などを作る時にどうしても意味を付与しようとする場合が多かったのですが、たまには自分がやりたいことをしてもいいと思いました。
空間を利用した展示であるインスタレーションでは、物理的にも思考的にも視点が固定されておらず、その空間に入り込むことができることを理解した。作品を制作するにあたり、“わざわざ新しく材料を買い集めるのではなく、元々あったモノや捨てられてしまうモノを利用することで、それらに生き延びるチャンスを与える”という視点がとても面白かった。そうすることで自分自身とモノとの間に、今までの用途とは別の新たな関係性を生み出すことができると思った。
インスタレーションアートに関して、私は展示会や美術館の作品そのものだけではなくどのように展示されどこから光が当てられているか、という展示空間の方により興味を持っているため、何ができるかわからない関係性のアートの実践例をたくさん見ることができて面白かった。抽象的であるからこそ見ている人の動線や視線によって捉え方に幅の広さを当ててくれるような展示空間・作品は非常に魅力的で、その点が授業内でMARKさんがおっしゃっていたような「日常との繋がり」に関わってくるのではないかと考えた。豚のえさの袋の展示はその並列の仕方も私が以前宿泊したKAIKAというギャラリー兼ホテルで見た作品に似ていて思い出された。
インスタレーションのイメージが広がりました。リレーショナルアートやパフォーマンスアートなど複合的な表現方法なのだと理解できました。インスタレーションは社会問題を反映させたり、観客に問いかけるような側面も持ちながらも、純粋な好奇心や遊び心で自由に表現できる所に魅力を感じました。また初回の授業で、フィリピンは人と人との距離が近い「親密」な国だと学びました。鑑賞者がいて成り立つという表現方法に、国民性との共通点を感じました。同時に演劇的な要素も感じました。