法政大学・海外フィールドスクール参加者が、より直接的にフィリピンの先住民の人たちと交流することができるように、2日間を通してフィリピン側はCGNのスタッフやボランティアである先住民3-5名に参加してもらう。
基本的な山岳地方の自然と暮らし、直面する環境問題に関しては、CGNの反町がパワーポイントで紹介する。
今回たまたま来比中である画家の高濱浩子氏をゲストファシリテーターに招き、CGNが先住民族のコミュニティで実践してきた自然環境をテーマとした環境教育ワークショップを実施する。フィリピン側は対面で、日本側は稲垣氏のサポートで、日比双方の参加者が同じようにワークショップに参加する。制作した作品はZOOMを通して鑑賞しあい、意見交換を行う。
使用言語は英語と日本語。海外フィールドスクールの参加者には、フィリピン側の参加者とできるだけ英語でのコミュニケーションを試みてほしい。
キーワード
ー先住民の暮らし
ーアート(演劇)ワークショップ
―青少年教育
参加者の自己紹介(約30分)
コーディリエラ山岳地方の自然と暮らしの紹介〈PP①〉(反町)(約30分)
質疑応答
身体を使ったウォーミングアップ「山の生きものパントマイム」(Animal Charade)(30分)(反町)
ゲストファシリテーターの高濱さんの自己紹介
「葉っぱでお面を作る」(60分)
参加者の皆さんに1日目ワークショップの前に準備してほしいこと。
高濱浩子さんがルソン北部山岳地方で子供たちを対象に行ったワークショップのビデオ(約9分)を鑑賞。
フィリピンと関係のある身近にある「モノ」を一つ持ってきてください。
その「モノ」を紹介しながら、英語で自己紹介をする準備をしてきてください。
身近に手に入る、自然の葉っぱ、花や枝などを織り交ぜて、20くらい拾ってきてください(公園などに生えている草木を折らないでくださいね)。
講師
反町眞理子(環境NGO「コーディリエラ・グリーン・ネットワーク」共同創立者)
2016年にフィリピンに移住。2001年に環境NGOコーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)を、ルソン島北部のバギオ市で現地の先住民たちとともに設立した。ルソン島北部山岳地方(コーディリエラ地方)はインフラ整備の遅れから、長い間先祖伝来の暮らしを伝え、豊かな自然を守ってきた。しかし、この20年間で大きな変化が起こっている。
グローバリゼーションと地球規模で進行する気候変動は、先住民の伝統の暮らしと山岳地方の森林にどんな影響を与えてきたのだろうか? そして、CGNは演劇やビジュアルアートなどを応用した独自のプログラムで、先住民を対象にした環境教育を行ってきた。どんな手法で何を伝えてきたのか?
コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)WEBサイト
ゲスト講師・ワークショップ・ファシリテーター
高濱浩子(画家)
神戸元町に生まれ育つ。旅に出ては、絵を描き、文を記す。命とアートについて学ぶために、詩聖タゴールの大学に一年留学しベンガルの農村部で暮らした後(インド)、スペイン・バルセロナで、彫刻家・外尾悦郎氏(サグラダファミリア贖罪聖堂主任彫刻家)のもとで学ぶ。近年は絵画や執筆のほか、病院等でのトラウマ・インフォームド・ケア研究事業でアートワークのファシリテーターを担う。2016年より六甲山麓に座す神社の宮守を務めている。
フィリピンとの関わりは、アートによる環境教育プログラムのファシリテーターを探していたCGNの反町の誘いに応じて、2014年ルソン島北部マウンテン州カチャクランの小学校でアート・ワークショップのファシリテーターとして初来比。2018年には、CGN主催「演劇ワークショップでアジアの農村をつなぐ」プロジェクトの背景幕を描くワークショップのファシリテーターとして、世界遺産の棚田で知られるイフガオ州を訪問。COVID-19によるパンデミック直前の2019年12月には、ベンゲット州サグパットで開催された野鳥観察ワークショップにも参加した。
フィリピンへの旅やワークショップでの経験を、絵画作品だけでなく、雑誌などへの執筆や、トークショーなどで幅広く伝えてきている。
今回のフィリピン訪問は、旅行ガイドブックのブログ記事執筆、2022年11月に予定されているCGN主催のマウンテン州での民話をテーマとしたアート・ワークショップの準備を目的としている。
高濱浩子WEBサイト