東洋大学国際共生社会研究センター(以下、センター)は、2001年の設立以来、持続可能な開発や地域の社会問題の解決に向け、フィールドに根差した実践的な研究を行ってきました。2018年度までは文部科学省などの外部資金を獲得して運営をしてきましたが、2019年度からは東洋大学重点研究推進プログラムの研究プロジェクトの一つとして同プログラムが掲げる重点研究課題に取り組んでおり、2025年度からの新プロジェクトで3期目となります※1。
センターが行ってきたこれまでの研究から、開発によるインフラ面・経済面の豊かさだけでなく、個々人の選好に応じた主観的幸福度や、多様な価値観に基づくウェルビーイングを同時に実現すること、すなわち、多様な人々がよりよく暮らせることの重要性が明らかになってきました。これを受け、2025年度から始まる新たなプロジェクトでは、『レジリエントな社会からウェルビーイングな社会へ-ポストSDGsにおける持続的幸福の追求のために-』をテーマに、前プロジェクトで目指していた「レジリエントな社会」から、ポストSDGs時代を見据え、人々が持続的幸福を充足できる「ウェルビーイングな社会」へと連続的に発展・深化させるための研究に取り組むこととし、本年度からの3年間で「ウェルビーイングが実現される社会」の実現に向けた課題の抽出を目的に、「福祉」「経済厚生」「まちづくり」の3つのキーワードを核に研究を進めていきます。
新しいプロジェクトでは、より分野横断的な研究を実施するため、東洋大学の多くの学部からの研究員を受け入れて、より全学的な研究体制を構築します。また、前プロジェクトから力を入れてきたセンターが担う実践型研究のプラットフォーム機能を強化するとともに、情報発信と研究成果のアウトリーチ活動である、CeSDeS Open Seminar on SDGsの定期的開催(年3~4回を予定)や、CeSDeS Mail Newsの配信、研究報告のオープンアクセス化、さらに、若手人材の育成にも継続して力を入れていく予定です。
前プロジェクトでは、多くの研究成果を上げることができました。今年度から始まる新しいプロジェクトでも前プロジェクト以上の研究成果を上げられるよう研究員をはじめとしたメンバー全員で力を合わせて研究を進めていく所存です。
2025年4月
東洋大学国際共生社会研究センター
センター長 松丸 亮(国際学部国際地域学科)
これまで、「開発途上国における生活環境改善による人間の安全保障の実現に関する研究」(2019年度~2021年度、プロジェクトリーダー:北脇秀敏)と「レジリエントな社会に向けたSDGsの包摂的実現に関する研究」(2022年度~2024年度、プロジェクトリーダー:松丸亮)の2つの研究プロジェクトが国際共生社会研究センターが実施するプロジェクトとして採択されています。
センター長 松丸 亮
2025年4月現在
組織図