中山間地域の地域資源を活用した地域活性化にかかる実践的研究

(-埼玉県小鹿野町、イタリア・カメリーノ、ベトナム・タンチャオ村を対象として-)



佐野 浩祥 研究員(国際観光学部 国際観光学科)

神山 藍 研究員(理工学部 都市環境デザイン学科)

志摩 憲寿 研究員(国際学部 国際地域学科)


 本研究は埼玉県小鹿野町、イタリア・カメリーノ、ベトナム・タンチャオ村を対象に「地域づくりプラス」プログラムとして学生研修を展開し、参加教員の学部横断的な知見を共有することで新たな学術的展開を図ろうとするものです。

目的

 対象地域に対し、「地域づくりプラス」プログラムの枠組みの下で様々なバックグラウンドを持った教員と学生が、同様に様々なバックグラウンドを持った現地住民との交流を通し、学際的視座とフィールドワークを重視したアプローチによって、中山間地域の課題に対して実践的な研究を行おうとしています。一方、学生研修は千差万別かつ様々な要素が複合的に絡み合った中山間地域の課題の発見と解決に向け、学生が積極的に現場へ足を運ぶ機会を提供し、様々な力を養うことを目指しています。


「地域づくりプラス」プログラム

 理工学部、国際観光学部、社会福祉デザイン学部、国際学部の学部横断的な研修プログラムであり、教育活動の実践のみならず参加教員の分野横断的な知見を共有することで、新たな学術的展開を図っています。

主な活動

 2023年度夏季休暇中にイタリア・カメリーノとベトナム・タンチャオ村、秋学期及び春季休暇中に小鹿野において学生研修を実施しました。(表1)

 この研究はいくつかの研修プログラムと連携する形で実施しており、国際ワークショップ “Universities in Action towards Sustainable Communities”(2024.3.7)では学生の学びを実践に結び付けることについて、対象とする地域から得た知見の共有を行うため、カメリーノ大学及びチュラロンコン大学から関係教員を招聘し、各大学での経験の共有だけでなく「持続可能な地域社会を目指して、大学の行動はどうあるべきか」について議論を行いました。

今後の計画

 学生の調査報告や課題解決策の提案をどのように地域での実践に結び付けていくかを模索する必要がありますが、小鹿野、カメリーノ、タンチャオでの継続的な実践の成果である信頼関係をベースに、今後も学生研修を継続しつつ、中山間地域の課題解決に向けた実践へとつないでいきたいと考えています。なお、実践を通じて得た学術的知見は学術誌等で発信していく予定です。