ページ作成日:2025年12月12日(本ページは2025年11月17日から12月19日にかけて白山図書館で実施している企画展示の情報を紹介しています。)
【展示内容のご紹介】
小説家・坂口安吾は、戦前から戦後にかけて活躍した著名な作家の一人です。
安吾は、1926年、20歳の時に東洋大学印度哲学倫理学科(現・文学部東洋思想文化学科)に入学し、1930年に卒業しました。その後、49歳で亡くなるまで、『白痴』『堕落論』等、数々の作品を世に送り出し、戦中・戦後日本における人気作家となりました。
2025年は、安吾が亡くなってから70年となる節目の年です。本学に所蔵する特殊資料を展示し、彼の作品や人物像についてご紹介いたします。
本Web展示では、館内で展示したキャプションや利用者の皆様からお寄せいただいた「私の好きな安吾作品」(安吾の木)を掲載いたします。会期中、図書館内では直筆原稿を見ることができます。ぜひ足をお運びいただけますと幸いです。
階段踊場では、安吾の一生を年表で振り返っています。時代背景とともに振り返ることで、安吾の人生をより一層深く知ることができます。踊場に立ち止まって、こちらの年表をじっと眺める学生さんをよく見かけます。
年表の手前には、図書館内にある貸出可能な一般図書を並べました。なかでも全集や文庫本が人気で、よく借りられています。安吾はとても多くの作品を世に送り出したため、関連本をずらりと並べるだけでも圧巻の光景です。
2号館1階では、特殊資料や、安吾の直筆原稿を展示しています。ガラスケース内の展示作品は週ごとに入れ替えを行い、毎週さまざまな作品を公開いたしました。
展示しているものは安吾の作品だけでなく、親交のあった無頼派作家の作品や、安吾研究者の作品も並べています。
こちらは、図書館がミニチュアで作成した「安吾の部屋」です。ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、坂口安吾のイメージというと、写真家の林忠彦さんが撮影した、原稿用紙にまみれた机の中で筆を執るものが有名です。クシャクシャに丸められた原稿用紙と当時の新聞が散乱した部屋を、市販で入手できる素材を使って表現してみました。
各作品のキャプションの中から、いくつかWeb展示でもご紹介します。
これらのキャプションは、図書館内では資料の隣に置き、作品について説明しています。
作品の近くには「安吾閑話」として、安吾をさらに深堀りする情報をまとめてパネルにしました。安吾は、作品はもちろんのこと、人間性が豊かで非常に魅力的な人物でしたので、そういった日常のエピソードもご紹介しました。
また、展示作品中には当時の流行り言葉で表現される箇所も多くあるため、「文学まめ知識」として、作品への理解を深めるための説明を添えて展示しました。
参加型企画として、「私の好きな安吾作品」を皆様から募りました。
好評により日々ご投稿をいただき、皆さんがどんな安吾作品を読んでどんな感想を抱いたのか、興味深く知ることができました。
皆様からいただいた投稿を1枚の葉っぱに見立て、「安吾の木」として秋らしい黄色の1本の木に仕上げました。展示会場に大きく貼りだされる様子はとても華やかで、展示の雰囲気を盛り立ててくれました。
※所属する館に所蔵がある場合予約がつけられません。また展示等で一時的に場所を変更している場合もありますので、見当たらない場合はスタッフにお尋ねください。