ページ作成日:掲載日:2021年12月1日
第6回のテーマは「ねこ・ネコ・猫! ~東洋大学附属図書館の人気猫~」です。
12月は陰暦の異称で「師走」と言います。
日本大百科全書(※1)によると以下のように記載されています。
「陰暦12月の異称。語源については、この月になると、家々で師(僧)を迎えて読経などの仏事を行うため、師が東西に忙しく走り回るため、「師馳 (しは) せ月」といったのを誤ったものだとか、四時の果てる月だから「しはつ(四極)月」といったのが、「つ」と「す」の音通 (おんつう) によって「しはす」となったのだとかの説が伝わる。このことばのもつ語感が、年の暮れの人事往来の慌ただしさと一致するためか、陽暦12月の異称としても親しまれ、習慣的に用いられている。」
年末は大掃除に年賀状作成にクリスマスにお正月の準備など…多くのイベントが盛り沢山です。「師走」はそんな非常に忙しい様を表すのにピッタリとハマったのでしょうね。
そんな年末のような「非常に忙しく手不足な様子」をたとえた慣用句として「猫の手も借りたい」があります。
もちろんこれは比喩表現であり、猫は手を貸してくれない…なんて思っていましたが、調べてみると和歌山電鐵 の「たま駅長」をはじめ、「猫の図書館長」「猫の書店長」など、世間には働いている猫が沢山いるようです!
そんな立派かつ気ままに働く猫に関する図書館資料を集めてみました。どうやら猫の手は十分な戦力になりそうですし、共に働く「人」の取り組みにも注目です! 末項のリストをご参照ください。
そして調べてみると「猫」にまつわる慣用句は沢山あります。
「猫の手も借りたい」「猫にかつお節」「猫に小判」「猫の額 」「猫も杓子も」「猫をかぶる」・・・このように並べてみると、生活にいかに猫が入り込み、私たちが猫をどのように捉えていたのかがよく分かります。
それだけ生活に猫が溶け込んだのは、その「可愛さ」故なのは疑いようもない事実でしょう。
そこで「猫の可愛さ」が満載の本を集めてみました!末項のリストでご紹介しておりますので、日頃の疲れを少しでも“猫の可愛さ”で癒してください!!
また東洋大学図書館には人気の「猫」がいます。それは貴重書「朧月猫の草紙(おぼろづき ねこのそうし)」です。
「朧月猫の草紙」は猫好きで有名な、小説家の「山東京山(さんとうきょうざん)」と浮世絵師「歌川国芳(うたがわくによし)」がタッグを組んで創作した物語です。
主人公は鰹節問屋の飼い猫「おこま」。
・・・とある事件から恋猫の「とら」と駆け落ちをしますが、その後運命が二転三転。波乱万丈な、人生ならぬ「猫生」を送る…という内容です。
「朧月猫の草紙」は東洋大学の貴重書の中でも人気が高く、美術館での企画展や書籍など、貸し出し依頼が多くある作品です。
この作品で猫達は、ストーリに応じて、時に擬人化、時に猫本来の姿…と分けて描かれています。それでは「朧月猫の草紙」の一部をご紹介します。
「猫の草紙」には主要な登場人物以外にも沢山の可愛らしい猫が描かれています。
自分のお気に入りの猫の絵を、貴重書アーカイブから探してみるのも、楽しいかもしれません。
「朧月猫の草紙」に関連する図書館資料
また今年の夏には、猫の腎臓病の治療薬開発を行っている東京大学のチームの資金不足により、研究停滞を報じた記事がインターネットで配信されたところ、一般の方から多くの寄付が集まったことが話題になりました。
猫は高齢になると腎臓を患うことが多いのですが、現在でも有効な治療法がありません。そのため猫の苦しみを目の当たりにしていた愛猫家たちは、猫の腎臓病の治療薬を待ち望んでいました。
この研究は、当初は人間の病気の成り立ちや難病の治療法を解明する基礎研究での発見が、猫の腎臓病の治療にも有用である可能性が判明し、そこから猫の治療薬の開発へと繋がったそうです。
多くの方から研究が支援された事実からは「愛する家族である猫に、少しでも長生きしてほしい」という「思い」が、そこから伝わってきます。
色々な猫にまつわる図書館資料を紹介してきましたが、来年は2022年で2(ニャン)が重なる「猫イヤー」とも言えます。
「キャッ!」ト歓声をあげるくらい、皆様にとって素敵な年になるように、図書館から願っています。
それではお体には気をつけて、良いお年をお迎えください。
※1:"師走", 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, https://japanknowledge-com.stri.toyo.ac.jp , (参照 2021-11-05)
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