武家屋敷地区からは生活に密接したさまざまな道具が出土しました。生活に不可欠な火の道具に注目すると、用途により照明具、暖房具、喫煙具、炊事具に分けられます。照明具として、油の受け皿と火の芯が一体となった秉燭(ひょうそく。灯火器具)や、カワラケのうち、縁に煤が付着するものは、油と灯心をいれて灯明皿として利用されたものと考えられます。
暖房具の火鉢は、中に灰を入れ、炭火を置いて利用しました。炭火は暖房具に限らず、焜炉(七輪)などにも利用されました。その他に、炭や灰を移すためのちりとり状の十能などが出土します。
また古銭も出土しており、著名な寛永通宝をはじめ、珍しいものでは仙台藩領内での流通を前提に鋳造された「仙台通宝」も出土しています。
火をつけるには、鉄製の火打金と打ち合わせ火花を出し、付け木( 薄く削った板材に硫黄等を塗布したもの)に着火します。打撃できる限界まで利用するので、発掘調査では出土するものは、小さいものがほとんどです。灯明皿として使ったと思われる皿も出土しています。
蚊遣りや焙烙(ほうろく)、火鉢、十能(じゅうのう)等様々な道具が使われていました。
蚊遣り(下の復元図参照)は、蚊を追い払うため、松や杉、カヤなどの木の葉やよもぎなどで煙を発生させる道具です。そのため、蚊遣りの内部には、煙によるタールが分厚く付着しています。焙烙は、茶や豆等を炒るための道具です。取手に穴があります。また、キセルも出土しています。
(参考)キセルを使っている様子が描かれている錦絵
清書七以呂波 /歌川豐國 画(狩野文庫 5/16518/1)より
『明烏夢泡雪』(あけがらすゆめのあわゆき)の主人公である遊女浦里と時次郎を描いている。浦里は坂東しうか、時次郎は団十郎がそれぞれ扮している。
御用鑄錢場圖繪/遊佐好生作 本館古典資料(延4/1502)より
材料の搬入から出来上がった銭を納めるまでの様子が描かれています。
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