■四輪アクティブ操舵とDYCとの統合
四輪アクティブ操舵と直接ヨーモーメント制御 (DYC: Direct Yaw-moment Control) を統合した.規範モデルの慣性トルク Mzm と実車両の慣性トルク Mz の差をDYCの指令値 M とする.
既報[2]で提案した四輪アクティブ操舵則によって実車両挙動が十分に規範モデルに追従しているときには,慣性トルク差 M の値が零となり,四輪アクティブ操舵のみが動作することになる.しかしながら,高速走行や路面摩擦係数の低下,急加減速などで慣性トルク差 M が大きくなると,四輪アクティブ操舵に加えてヨーモーメント制御が働く.
■タイヤ負荷のMinimax最適化による制駆動力配分法
文献[1]では,上述のヨーモーメント M を車両に発生させるための制駆動力配分法を提案した.この方法は,タイヤ負荷の最大値を最小化する最適配分法となっている点が最大の特徴である.