カーネギーメロン大学への留学
このページは,研究留学 Advent Calendar 2017 11日目の記事です.私の行ったカーネギーメロン大学(CMU)についてnotaniさんや,aoshun7さんが良記事を書かれたので,私は日記形式でゆっくり書いていきます.
概要
- いつ行ったか:2014/02 ~ 2014/12 (D1~D2にかけて)
- どこに行ったか:Carnegie Mellon University (CMU), Language Technologies Institute (LTI)
- 何をやったか:音声合成 (speech synthesis) や音声信号処理 (speech signal processing)
- どうやって行ったか: JSPS 頭脳循環を加速する若手研究者戦略的海外派遣プログラム
CMU の Computer Science といえば世界的に有名で,LTIもそれに漏れず研究力の高い機関です.LTIは,"Language Techlogies" の単語を含みますが,自然言語処理だけに特化したわけではなく,音声処理,マルチモーダルに関しても世界トップクラスの研究力を有します.
notaniさんも書いていますが,CMUのLTIの大半は中国人なのですが,なぜか音声まわりにはインド人ばっかりでした.なんでだろ?
以下,日記です.
-2日目:日本を出発
大きい期待と超大きい不安を抱えてNAISTを出発しました.NAISTの師匠である戸田先生(現在,名大教授)に「ピッツバーグの冬は寒い(夜は-20℃のこともある)ので,肌を出したら負け」と言われたので,ヒートテックを大量に持って行きました.これは良かった.
-1日目:クレカ社会の洗礼
関西国際空港を発ちデンバーに着きました.予定では,そのままピッツバーグ(CMUのあるところ)に向かう予定だったのですが,天候の都合でキャンセル.デンバーで急遽一泊して明日,ヒューストンを経由して,23時頃ピッツバーグに着きました.そして発覚するトラブル.
クレカが壊れて無宿へ.
25時頃ホテルに着くもチェックインできず.「クレジットカードを読み込めない」とのこと.現金NGだし知り合いもいないしオワタ.ホテルの従業員に頼んだら「朝までロビーにいていいよ.現金で払えるホテルにタクシーで連れて行くよ」との事.タクシーの兄ちゃんには「クヨクヨするな,明日はいいことあるさ」と慰められる.-20℃の極寒の中,その優しさは効く.
0~7日目:スマホ&家探し,銀行口座の開設
CMUの師匠(Prof. Alan W Black)に挨拶を済ませ,早速,スマホの購入と銀行口座の開設へ.ここら辺は,台湾人の友達に超助けてもらった.口座開設にもわざわざついてきてくれた.(ただ,その時はCMUの身分証明書もクレカもなかったので開設できなかったけど)
苦しんだのは家探し.時期がら2月頃のCMU周辺のアパートは全く空いておらず,10件くらい回って全部NG.そしたら,私が家を探しているのを聞きつけて,インド人の友達が一言.
「私の彼氏がルームメイトを探してるよ」
あなたが神か.ということで早速懇願.この彼氏(この友達もインド人)には大変お世話になった.衣食住だけではなく,「お前の英語の発音はGoodだけどリズムをどうにかしろ」,「アメリカのフライトと郵便は信用するな」,「インドはいいぞ」とか色々教えてくれた.
7日目~8か月目:色々
CMUでは本当に色々あったが,他の方の書いているのと被りそうなので省略.
9か月目~10か月目(最終月):トークの旅
最後の2か月はトークの旅に出た.トークの旅とは,自分の研究成果を手土産に世界各地で訪問講演をすることである.私の場合,Edinburgh大学やGoogle UKなどでトークしてきた.↓は,その写真.
そこでもまだ研究仲間ができてうれしい限りである.その後も,IEEE President(これは日本)の前でトークしたり,ミュンヘン工科大学などでトークしたりした.トークする度に英語力の低さを実感するが,それ以上に得られるものが多いので,トークの旅はいいものである.
研究成果は?
正直,留学前まで私の研究成果は乏しかった.国際会議だと主著2本+共著2本だった気がする[*].10か月の留学を終えて,最終的に主著9本+共著6本まで行けたので良かったと思う.
[*] 言い訳すると,研究室1期生でD進したのでM1~D1まで研究室立ち上げの仕事ばっかりやってた.研究はあまりできなかったが,その経験のおかげで今の仕事はあんまり苦労してない.
まとめ
CMUはいいぞ.