日時: 2012/03/31 14:55-16:20
通信手段:Skype
参加者:木幡洋子、森田英嗣、天野由貴、木幡智子、大崎裕子
研究発表:天野由貴
「新学習指導要領による教科書の変化は、学校図書館に何をもたらすのか」
(慶應大学普通部庭井先生を主とした研究の紹介と提言)
学習指導要領の変化により、小学校段階から図書館スキルについて教科書に記述されるようになっている。
新学習指導要領における探究学習というのは現場にとっては大きな問題。
だれが指導をするのかを考えていかなければならない。
担任が担当するようになるのではないかと考えられているが、
探究学習を担うのは学校図書館だという意識もある。
どのように学校図書館を利用してもらい、どのように発展するのか。
教科書に載っているんだから教科教諭が教えることになるのではないかということが考えられる。
司書の役割について再考される可能性もある。
どういう学力を育てていくのかということを意識した学校図書館活動を考えていく必要がある。
討論
・学習指導要領を再度確認する必要がある。
・学校司書の生き残りの道は?
・学校司書は学校図書館整備のみの存在になるのか?
・教科書に載ってはいるが、探究学習を行う学校と行えない学校があるとすると
図書館スキルについて格差が生じるのではないか。
・図書館スキルが教科書に記述され、養成されるようになることは歓迎すべきことではないか。
・だれが担うかということについては外国の例を見てみるのでも良いのでは。
・学校司書は全校配置になっていないということもあり、学校司書を中心としたカリキュラムは作りにくいのではないか。
・教員と学校司書がともにカリキュラム作りをするということは難しい。
・学校司書は専任ではないという問題もある。私立の専任で配置され、経験もある学校は少数。
・学校の先生と働きにくいという同じ問題はカウンセラーでも起きている。
学校は専門家と一緒にやっていかなければならない時代に来ている。変わっていかなければならない。
今までの校長のやり方を変えていかなければならないという学校もあり、成果を上げている。
専門を理解して、チームで教育することができるようになればよいのではないか。
・行政的な定数をどうするかということが現実的にはあるのではないか。
・加配ではなく定数で司書を採用するようにしていくべき。
・今までの総合学習では調べ方、まとめ方を教えてこなかったことへの反省もあるのではないか。
・図書館関係者ががんばってきた成果として教科書に盛り込まれるようになったのでは。
・日本独自の学級というものが学校の中で支配的なのではないか。学校図書館の位置づけがベストなのか。
学級王国といわれる日本独自の学校のあり方の中で図書館を考えないといけないのでは。
・教員養成の中に学校図書館利用を入れていくことが学校図書館振興になるのではないか。
まとめ
・新学習指導要領により、図書館スキルが教科教育の中で展開されるようになると、
学校司書のあり方に変化があるのではないかということが懸念されるが、
学力観を考慮した学校図書館利用、発展を考えていきたい。
・いろいろな動きがあるので、整理するのは難しところもあるが、メリットとデメリットを整理し、良い方向に進むのではないかと思う。
豊中で学校図書館を整備している(現在1年目)。公共図書館との実践交流などを行っており、見学してみては。
・変化に合わせて学校司書の専門性の整理および教科へのアプローチをしていくようにすればどうか。
・良い方向に発展させる方法を考えていけたらと思う。
・新学習指導要領への不安はあるが、それを逆手にとって発展させていけばよいのではないかということはあるが、
安きに流れるということがあるかもしれないので、その懸念については持っておきたい。
【その他】
・サントリー文化財団への研究助成申請について
・科研の結果が4月中旬に分かるので、その後直ちに研究会を開催する
・4月中旬、四川師範大学から大阪への視察団があり、シュンビン先生に学校図書館研究について協力をお願いする予定。