透過型電子顕微鏡で見る原生動物のミクロな世界

原生動物園記事

透過型電子顕微鏡で見る原生動物のミクロな世界

著者:金澤篤志*、河崎絵梨香**、清水美里**、早川昌志***、吉見英明***

原生動物園 Vol. 2 P. 5-18 (2011)

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Keyword:

透過型電子顕微鏡、微細構造、筋肉、腸管、原生動物、中心粒、細胞表層、板状クリステ、粒状クリ ステ、管状クリステ、盤状クリステ、核、染色質、食胞、細胞内共生、エクストルソーム、キネトシスト、トリコシスト、 鞭毛、繊毛、マスチゴネマ、膜板、棘毛

Introduction:

生物、特に細胞を観察する為に、顕微鏡は欠かせない存在である。しかし、一般的に用いられている光学顕微鏡は、光を用いて観察する為に、「分解能」と呼ばれる観察の限界が生じてくる。そこで、細胞の更なる微細構造を観察する為に、光ではなく、電子線を用いて観察する顕微鏡が、電子顕微鏡である。特に、透過型電子顕微鏡(TEM)は、細胞の内部の微細構造を精細に観察できる為、細胞学の発達に貢献してきた。原生動物は、その多系統的多様性から、ユニークかつバラエティ豊かな微細構造が観察できる。そんな微細構造を、美しい電顕写真を豊富に用いて紹介する。

*) 岡山大学大学院教育学研究科, **) 神戸大学理学部, ***) 神戸大学大学院理学研究科

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