原生生物151〜大系統分類から眺める原生生物の世界

原生動物園 特集

原生生物151〜大系統分類から眺める原生生物の世界

原生動物園 Vol. 3: 41-72 (2012)

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「付録・原生生物151 ポスター」

原生生物151に登場する原生生物を、一覧することができるポスターです。印刷して、教材などにご活用ください。

サイズ小(1198×1680)

サイズ中(1783×2500)

サイズ大(2853×4000)

(このポスターは、第45回日本原生動物学会大会 原生動物フェスティバルにて配布されたもののデータ版になります)

かつて生物の世界は、生き方をもとに分類されてきました。多細胞生物か単細胞生物か、 動物か植物か、 というようにです。その流れの中で、「原生動物」とは、単細胞で動物的特徴を持つ真核生物として扱われてきました。

しかし近年、分子系統解析という遺伝子の配列から生物の系統関係を明らかにする手法によって、原生動物をめぐる分類体系は大きく変わっています。

原生動物は、藻類や寄生性原虫、その他菌様体制をもつ真核生物とともに「原生生物」という大きな分類群に取り込まれ、更に、その原生生物の分類は、これまで生物の世界で主流とされてきた動物・植物・菌類をも巻き込んだ、大系統分類へと向かっていきます。動物・植物・菌類とは、原生生物が分岐していった枝葉の一部に過ぎず、それを上回る多様性が原生生物の世界には眠っているというのが、現在主流となりつつある考えです。

原生生物の多様性をもとにした大系統分類において、真核生物は7つの主要グループ(スーパーグループ)に分けられています。アメーボゾア、オピストコンタ、アーケプラスチダ、ストラメノパイル、アルベオラータ、リザリア、エクスカバータです。それに加えて、未だ分類的位置の不確かな原生生物が多く存在します。

本特集記事では、そんな聞き慣れないスーパーグループには、いったいどのような原生生物たちが所属しているのか、Adlらが今年の9月に公開した真核生物の分類体系(*)をもとにして、紹介していきます。

原生動物、そして原生生物の分類体系を把握すると、これまで動物・植物・菌類のみでしか見ていなかった生物の世界が、大きく変わります。今回、ここで紹介する151種類の原生生物たちを通して、原生生物の世界を通した、真核生物の世界の隠された一面を発見してみて下さい。(続きはpdfで)

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