オーディトリー・ニューロパシー (Auditory neuropathy; AN)
オーディトリー・ニューロパシー(Auditory neuropathy) という疾患に関する情報をまとめています(2023年10月9日更新)
オーディトリー・ニューロパシー(ニューロパチー)の概要
Auditory nerve disease ともよばれる。1996年にKagaら(1996)とStar et al. (1996)がそれぞれ別の論文で報告した疾患概念。
Kagaらが"Auditory nerve disease" というタイトルの論文で報告した症例は、純音聴力検査で低音部の閾値が中等度上昇、中音域~高音域は軽度に上昇する、語音の弁別(言葉の聞き取り)が著しく悪い(20-30%程度)、他覚的検査ではDPOAE(歪成分耳音響放射;内耳の働きを調べる検査)が正常、ABR(聴性脳幹反応;音を聞いた時の脳波を調べる検査)が無反応などといった特徴がある。語音弁別が極めて悪いにもかかわらず一対一の会話が可能。
Starらが"Auditory Neuropathy" というタイトルの論文で報告した症例は、純音聴力検査で中等度の感音難聴、DPOAEは正常、ABRは無反応、語音明瞭度検査でほとんどが50%以下、などといった特徴がある。
きわめて稀な疾患であると考えられてきたが、先天性難聴の中に5%前後含まれることがわかっている。
主な症状
主訴:言葉の聞き取りが悪い
対面での一対一の会話はできるが、周囲に雑音があると一対一の会話も困難
電話の聞き取りが悪い
音楽のメロディーはわかるが、歌詞は聞き取れない
テレビドラマは音楽と会話が重なると音楽が聞こえてしまい、会話が聞き取れない
耳鳴り
症例の約75%が両側性、25%が片側性(De Siati, Rosenzweig, Gersdorff, Gregoire, Rombaux, & Deggouj, 2020)
純音聴力検査による評価では、正常な難聴から重度の難聴まであり、臨床症状がまちまちであると指摘されている(De Siati et al., 2020)
原因
遺伝子変異(OTOF、OPA1遺伝子ほか)(Starr, & Rance, 2015)
出生前因子(蝸牛神経奇形、麻疹、おたふくかぜ、サイトメガロウイルスなどの胎児感染症、未熟児)
出生後因子(症状の発現が遅れる遺伝、未熟児、周産期障害、低酸素血症、敗血症など)(以上、De Siati, et.al., 2020)
高ビリルビン血症の後遺症
不明のケースもあり
有病率
依然として不明であり、研究によって難聴者の1%未満から10%までの有病率が報告されている(De Siati, et.al., 2020)
治療
人工内耳手術(効果がみられたという報告が多い)
補聴器(ただし、効果があったという報告が少ない)(いずれもStarr, & Rance, 2015)
FM補聴システム(騒音下での音声理解に有効)(De Siati, et.al., 2020)
ここまで小川 郁(編)(2010)「よくわかる聴覚障害ー難聴と耳鳴りのすべてー」(永井書店)とStarr, & Rance (2015)、De Siati, et.al. (2020)を参考に作成。「主な症状」は上記書籍に示された代表的な後天性の一例から。
サイト作成者(勝谷)の体験
はじめに
都内の某病院で2017年11月から聞こえの精密検査をずっと受けてきたのですが、このほどわたし(勝谷)の聞こえの問題は「オーディトリー・ニューロパシー」によるものと最終診断を受けました。
小学校5年の時に聞こえの問題がわかってからじつに35年原因がよくわからないままでしたが、やっと診断がつきました。主治医の先生、そして先生を紹介して下さったある先生には感謝の気持ちでいっぱいです。
検査、補聴器の使用 、人工内耳装用などもろもろ現在進行中ですが、言葉を身につけてからの症例(成人型)は少ないそうなので、これまでの&これからの経過を記録して一患者の体験談として少しずつnoteに公開していきます。
note:オーディトリー・ニューロパシー・・・原因がわからなかった頃に補聴器をはじめて買ったときのこと、検査を受けて「オーディトリー・ニューロパシー」とわかるまで
自覚している症状
上記にあげられた「主な症状」に付け加えると…
低い声が聞き取りにくい。そのため、男性との会話を避けるようになった。
少し離れたところからの発声は、声が広がってしまってぼやけた感じでよく聞き取れない。
英語のリーディングはできるが、リスニングが絶望的にできない。診断を受ける前に受験したTOEICのリスニングのスコアはほぼ最下位に近い点でした。
電話以外だと、インターフォン、トランシーバー、インカムのような機械を通した音声が聞き取りにくい。タクシーの無線の音声は一度も勉強したことがない外国語のように感じられる。
雑音があるところの会話、具体的には、ファミレス、居酒屋、学食、ファストフード、駅構内、エアコンがついているところ、雨が降っているとき、などでの会話が難しい。ところどころの単語しか聞き取れないので会話に加われない。懇親会、パーティ、打ち上げなどはたいてい騒がしい場所で行われるので、せっかく親睦を深めたくともコミュニケーションが取れず、親睦を深めるどころではない。
なにかしながらの会話が難しい。歩きながら、食事しながら、着替えなど何かの作業をしながら、自転車に乗りながら(!)会話している人をみるとなんて器用なんだと感心してしまいます。
静かなところなら普通に会話ができます。
NHKのニュースは何かしながらでも聞き取れます。
複数の人が同時にしゃべるバラエティ番組はひとまとまりに聞こえてしまうので字幕だよりです。
騒がしいなかでも聞きたい声に注意を向けて聞き取れる、というカクテルパーティー効果が(ゼロではないですが)弱いです。
同じ音声でも音声単独の場合と唇の動きを合わせた場合とで聞こえ方が異なる、というマガーク効果もちゃんと起きてくれません。
歌が上手い人の歌声を聞いても音痴に聞こえます。自分でも音程がとりにくいです。たぶん音痴です。
マスクを着用した人の話し声が聞き取りにくい。2020年から新型コロナウィルス対策でみんなマスク着用必須になり、コミュニケーションに非常に難儀しています。大事な話はマスクの口頭でなく記録が残るメールでお願いしています。
これまでに受けた検査と経過
小学校5年生ごろ(1981年ごろ)に近所のA耳鼻咽喉科で純音聴力検査(気道)を受け、はじめて低い音の聴力が低いことが判明するも、病気が見つからず。紹介されたB市民病院の耳鼻咽喉科を受診したがやはり病気が見つからず。
以降、純音聴力検査を複数回受けるが、上記と同様の結果、低音部の感音性難聴、正常、とまちまちの結果。「神経かも?」とは言われたものの、病気は見つからず。
隣市のC耳鼻咽喉科で低音部の感音性難聴と診断されたときに、Z社の補聴器を両耳分購入した。しかし、音は大きくなるがいろいろな音がみんなまとまって耳に届き、自分が聞きたい肝心の人の音声はくぐもって聞こえるため、1年ほどで使わなくなった。47万円もしたのに…。補聴器さえつければ会話が普通にできるようになると期待したたため、失望感は大きかった。
2017年9月に補聴器外来のある神奈川県のD耳鼻咽喉科クリニックを受診するも、聴力検査(気道の標準純音聴力検査)の結果が正常だから問題ないとまで言われてしまう。以前の検査結果を見せ、日頃の聞き取りにくさを訴えるも、値が正常だから問題ないの一点張りでまともに話を聞いてもらえない。受付でも何度も聞き返したり、呼ばれても返事がないからと大きな声を投げかけられたり、あきらかに正常じゃないのに…。正常と思い込まれているので他院も紹介してもらえず、助言もなく、検査費用3000円支払っただけで終わる。
こうなったら納得行くまで徹底的に調べてもらいたいと、ある先生に紹介された都内のE中央病院耳鼻咽喉科で2017年11月からさまざまな検査を受けました(下記)。この病院において聴力検査のわたしの反応が不安定で、結果が参照値にしかすぎないことがはじめて指摘された。これまでは聴力検査の結果の値のみで判断されていたのだった。
そして、複数の検査結果から2017年12月に"Auditory Neuropathy" と最終診断がつきました。
検査結果も問題なければいずれ載せられたらと思います。おおむね、上記の概要にある通りの検査結果になったと思います。それにしてもたくさん受けました。強い痛みや不快感のある検査はありませんでした。
以下、2017年以降に受けた検査です。それにしてもたくさんやった・・・。やってないのは新生児聴覚スクリーニングくらいか(笑
標準純音聴力検査(気道&骨導)、語音明瞭度検査、SISIテスト、耳音響放射(DPOAE)、耳鳴検査、聴性脳幹反応(ABR)、頭部CT、内耳MRI、難聴の遺伝子検査、耳小骨筋反射検査、自記オージオメトリー、自由音場語音明瞭度検査、方向感検査、前庭誘発筋電位検査 、聴性定常反応 (ASSR)
"Auditory Neuropathy" と診断がついてからは主治医の先生の経過観察と両耳の補聴器調整で定期的に通院しています。
神奈川から石川に転居後も定期的に補聴器調整&経過観察が続いていましたが、言葉の聞き取りが以前よりも悪くなったのを自覚。仕事や普段の生活でのコミュニケーションが音声認識アプリなしではほぼ困難になったため、主治医の先生に相談をして人工内耳に切り替えることになりました。このときの語音明瞭度は、右20%、左15%でした(ふつうは100%)。
2020年9月16日に左耳に人工内耳埋め込み手術、術後の経過は順調で23日に退院、10月7日に音入れを行いました。現在マッピングを2週に一度のペースで行いながら聴覚リハビリ中です(「人工内耳」のページを参照)。
原因
遺伝子検査の結果からOPA1という遺伝子の変異がみつかりました。両親(健聴)からは難聴に関わる遺伝子変異は見つかりませんでした。
その他の疾患
OPA1遺伝子の変異は視覚障害も併発する傾向があるため、眼科の検査も行いました。今のところは強い近視以外の異常は見つかっていません(が、いつなにが起こるかわからないので、ひやひやしながら過ごしています)。、両目の緑内障&白内障との診断を受けて点眼治療を受けていました。どちらも遺伝子変異との関係が薄いのはと聞きましたが、この後どのくらい目が悪くなるかわからないので、びくびくものです。
神奈川から金沢へ転居後、別の眼科クリニックで視野の欠け方が緑内障とは異なるとの指摘を受けて地元の大学病院で精密検査を受けました。結果、緑内障ではなく常染色体優性遺伝性視神経萎縮と2020年3月に診断を受けました。細かい字がだいぶ見えにくいですが、完全な失明まではいかないだろうと言われ、少しだけ不安が低減しました。治療法はないそうなので健康的な生活を送るようつとめています。
治療
昔購入したものとは異なるADRO型というタイプの補聴器(マキチエ)を2018年に購入して使いはじめました。
装用してしばらくたち装用することには慣れましたが、音声が聞き取りやすくなった感じは残念ながらありませんでした。一方、携帯電話のバイブ音がわかる、店舗内を流れるBGMがよく聞こえるなど、環境音はよく聞けるようになりました。
将来的には人工内耳を適用する可能性も主治医の先生から示されています。自分と同じ病気で難聴の方が人工内耳にして聞き取りが改善されたという論文・学会報告が複数ありましたので、いずれはそうなるのかなと考えています。
その後、2019年から2020年にかけて聴力が落ちてきたことを自覚、言葉の聞き取りがほとんどできなくなったため、人工内耳について主治医の先生に相談しました。新型コロナウィルスの感染防止のため外来診療が制限を受けて受診待ちの状態でしたが、2020年7月に無事紹介状を 受け取り、当時住んでいた金沢の病院に転院しました。
2020年9月16日に金沢の病院で左耳の人工内耳埋め込み手術を受けました。同月23日に無事退院し、10月7日に音入れ、その後はリハビリ継続中です。右耳はマキチエの補聴器を使い続けています。この後どうなるかわかりませんが、音入れやリハビリについてこれから書いていきます。入院・手術とリハビリについては「人工内耳」のページを見て下さい。せっかくなので、人工内耳装用者の心理学研究も始めようと思っています。
福祉的支援
2017年に受けた語音明瞭度検査の結果、右30%、左15%と身体障害者手帳4級相当(語音明瞭度50% 以下)とわかり、2018年5月に身体障害者手帳を取得しました。
E中央病院より前に受診した病院では、語音明瞭度検査を受けたことがありませんでした。純音聴力検査だけで身体障害者手帳の取得に至らないとされ、補聴器も全額自費でした。ひょっとしたら、もっと以前から4級相当だったのかもしれません。
最終診断がついて感じたこと
1.原因が判明することの効果:診断がついたからといって病気が治るわけではないが、自分の症状や現象の説明がつくことによって、予想以上に前向きに受け止められた。一時期は知的な問題や脳疾患を本気で疑っていたのだ。コミュニケーション上の失敗をすることが多くなりがちなのだが、はっきりした原因がわからないのでそれを自分の努力不足やスキルのなさに原因帰属しがちなところもあったと思われる。自分でもうまく説明ができないので、人の話がわからないときはともかくごまかすという手法ばかりとっていた。今でもコミュニケーション上などでうまくいかないことがあるものの、病気によるものだとわかってからは過度な内的帰属はしないようになってきた。
2.最新の検査設備での検査のすすめ:以前は原因不明だった難聴でも、検査技術が発展した現在では原因や治療法、よりよい補聴手段がみつかるかもしれない。遺伝子検査もどうせ治らないから受けても意味ないのではと思っていたが認識が間違っていたと思っている。難聴遺伝子が突き止められれば、診断がつくだけでなく、難聴の予後を予測できる、治療法を選べる、予防ができる、遺伝カウンセリングで正確な情報を伝えられるというメリットがあるとされている(宇佐美, 2006)。じっさい、自分の場合も補聴器の効果は限定的であること、人工内耳の効果は一定の報告があることを論文等で知ることができた。また、視覚障害もあるとあらかじめ知ることができて、意識して眼科にかかるようになった。眼科医にも遺伝子検査の結果を伝えられたので、わかる先生にはわかってもらえた。もし遺伝変異があると知らなければ緑内障と間違われたまま、自分には効果がない点眼をしつづけていたかもしれない。
3.トータルでサポートできる機関が増えてほしい:「難聴」と耳鼻咽喉科で診断されてそれで終わり、あるいはその後は補聴器屋さんに丸投げ、でなく聞こえにまつわる問題を長期的にまるごとサポートしてもらえる体制が必要だと感じている。ここでいうサポートには、難聴の予防、経過観察、治療、再発予防だけでなく、心理的支援や福祉的支援、教育的配慮も求められる。今後はこうした多面的に支援する機関が増えてほしい。 耳鼻咽喉科医師だけでなく、看護師、言語聴覚士、公認心理師、社会福祉士など多種職連携が必要ではないかと思っている。自分は公認心理師の資格もあるので今後貢献していきたい。
ANと似ているけれど異なる疾患
ANと一見似ているようで異なる疾患 として聴覚情報処理障害(APD)があります。
声は聞こえるけれど言葉として聞き取りにくい、騒音下では聞き取りにくいなど共通した症状があります。一方、ANとは異なり、APDは聴覚が正常で聴覚検査で異常が見られません。くわしくは、以下のサイト、書籍をご覧ください。
聴覚情報処理障害(APD)のサイトにようこそ!!(ミルディス小児科耳鼻科院長 平野浩二 先生)
小渕千絵・原島恒夫 (2016)「APDの理解と支援」 学苑社
小渕千絵(2020)「APD「音は聞こえているのに 聞きとれない」人たち ―聴覚情報処理障害(APD)とうまくつきあう方法」さくら舎
文献情報
オーディトリー・ニューロパシーに関する文献の情報です。文献に示された知見はこのページにも加えていきます。新たなものが見つかりましたら追加します(随時更新)。
遠藤志織, 中西啓, 大和谷崇, 水田邦博, & 峯田周幸. (2016). 両側人工内耳埋込術を施行した Auditory neuropathy spectrum disorder (ANSD) の 1 例. AUDIOLOGY JAPAN, 59(5), 353-354.
Colucci, D. A. (2020). Updates on Auditory Neuropathy Spectrum Disorder. The Hearing Journal, 73(6), 32-33.[New!]最近の知見
Chaudhry D, Chaudhry A, Muzaffar J, Monksfield P, Bance M. Cochlear Implantation Outcomes in Post Synaptic Auditory Neuropathies: A Systematic Review and Narrative Synthesis. J Int Adv Otol 2020; 16(3): 411-31. →AN患者における人工内耳植込み(CI)後の結果のシステマティックレビュー。関与している難聴遺伝子により結果が異なる
De Siati, R. D., et al. (2020). Auditory Neuropathy Spectrum Disorders: From Diagnosis to Treatment: Literature Review and Case Reports. Journal of Clinical Medicine, 9(4), 1074. →診断から治療までかなりまとまった最新の情報があるので上記の説明に少しずつ追加しています
Kaga, K., Nakamura, M., Shinogami, M., Tsuzuku, T., Yamada, K., & Shindo, M. (1996). Auditory nerve disease of both ears revealed by auditory brainstem responses, electrocochleography and otoacoustic emissions. Scandinavian audiology, 25(4), 233-238. →オーディトリー・ニューロパシーがはじめて報告された論文(1)
加我君孝. (2011). Auditory Nerve Disease あるいは Auditory Neuropathy—1996 年, DPOAE, 蝸電図, ABR の組み合わせた検査で発見された聴覚障害—. 日本耳鼻咽喉科学会会報, 114(5), 520-523.
加我君孝. (2015). Auditory Neuropathy (成人型) に対する人工内耳手術による聴覚の再獲得. MB ENT, 181, 61-67.
Kaga, K. (2016). Auditory nerve disease and auditory neuropathy spectrum disorders. Auris Nasus Larynx, 43(1), 10-20. →発症時期や検査結果の特徴から複数のタイプに分けている。
加我君孝・松永達雄 (2017). Auditory neuropathy と auditory neuropathy spectrum disorders—聴覚障害の病態生理と難聴遺伝子変異. 耳鼻咽喉科・頭頸部外科, 89(7), 530-542.→Auditory neuropathy と auditory neuropathy spectrum disordersは違う疾患概念、という理解でよいのだろうか?他の論文だと同じものとみなしていたりするのでまだ研究者によって見解が異なるのだろうか…?
加我君孝(編)(2008). Auditory Neuropathy-up to date ENTONI 93 →入手できてないので読めていませんが、ANの特集号
川瀬哲明. (2018). 聴覚臨床に役立つ聴覚メカニズムの知識―音受容から聴覚情景分析まで―. AUDIOLOGY JAPAN, 61(3), 177-186.→とくにAuditory Neuropathy と Hidden Hearing Lossといった一般にはあまり知られていない聴覚障害のメカニズムが解説されている。
川瀬哲明. (2018). Auditory Neuropathy の診断と治療. 日本耳鼻咽喉科学会会報, 121(3), 234-235.→2ページのコンパクトな解説
Katada, A., Nonaka, S., & Harabuchi, Y. (2005). Cochlear implantation in an adult patient with auditory neuropathy. European Archives of Oto-Rhino-Laryngology and Head & Neck, 262(6), 449-452. ⇒AN患者に人工内耳を装用することで聞こえが改善された
久保田江里・岡本康秀・貫野彩子・國頭麻里・松崎史也・小渕千絵・城間将江・岩崎 聡 (2016). Auditory Neuropathyに対する Adaptive Dynamic Range Optimization(ADRO)方式の補聴器適合と特例補装具申請について 第17回日本言語聴覚学会抄録, 149.
Mathai, J. P. (2018). Behavioural and electrophysiological correlates of aided performance in individuals with late onset auditory neuropathy spectrum disorder: A review. Journal of Audiology & Otology, 22(4), 171. →後天的に発症したANSDの補聴効果のレビュー。一部のサブグループには補聴器は有効。
野田昌生ほか (2022) Auditory Neuropathy ENTONI 276号 「耳鼻咽喉科頭頸部外科 見逃してはいけないこの疾患<増大号>」[NEW!] →原因、診断、治療、症例についてコンパクトにまとめてある
小川 郁(編)(2010)「よくわかる聴覚障害ー難聴と耳鳴りのすべてー」(永井書店)→加我先生によるAuditory neuropathy (Auditory nerve disease) の解説があります(231-240)
Parthasarathy, S., Shetty, H. N., & Apeksha, K. (2021). Is Working Memory Compromised in Individuals with Sensorineural Hearing Loss with Auditory Neural Origin?. Indian Journal of Otolaryngology and Head & Neck Surgery, 1-7. →オーディトリーニューロパシースペクトラム障害のある感温性難聴者とない感音性難聴者で視覚ワーキングメモリには差がないが、音声知覚能力(SNR 50)には差が見られた
Starr, A., Picton, T. W., Sininger, Y., Hood, L. J., & Berlin, C. I. (1996). Auditory neuropathy. Brain, 119(3), 741-753. →オーディトリー・ニューロパシーが報告された論文(2)
Starr, A., & Rance, G. (2015). Auditory neuropathy. In Handbook of clinical neurology (Vol. 129, pp. 495-508). Elsevier. →特徴、診断、発症メカニズム、治療など最近の動向を知ることができます。
Santarelli, R., Rossi, R., Scimemi, P., Cama, E., Valentino, M. L., La Morgia, C., ... & Biscaro, A. (2015). OPA1-related auditory neuropathy: site of lesion and outcome of cochlear implantation. Brain, 138(3), 563-576.⇒OPA1という遺伝子変異によるANについて病変のメカニズムと人工内耳の結果。1人を除いた患者の音声知覚が改善された。1人が気になる・・・。
Shearer, A. E., & Hansen, M. R. (2019). Auditory synaptopathy, auditory neuropathy, and cochlear implantation. Laryngoscope Investigative Otolaryngology, 4(4), 429-440.⇒ANを引き起こす遺伝子の一覧が表にまとまっていて、人工内耳の結果についても書かれている。自分の難聴遺伝子については人工内耳の結果は「良い」とあったので今後の音入れリハビリに少し希望が持てました。
山本修子, 南修司郎, 榎本千江子, 加藤秀敏, 松永達雄, 伊藤文展, ... & 加我君孝. (2019). 東京医療センターにおける成人人工内耳症例の適応と有用性の検討. 日本耳鼻咽喉科学会会報, 122(8), 1118-1126.→Auditory neuropathy への人工内耳手術の結果もあり、語音明瞭度が改善が報告されている。
ウェブサイトの情報
オーディトリー・ニューロパシーに関する論文以外のウェブサイトやネットの記事など。
極端に悪い聞き取り―オーディトリー・ニューロパシー知的・発達障害と診断される子も|医療ニュース トピックス|時事メディカル(2020/08/25 )
Auditory Neuropathy@ミルディス小児科耳鼻科(2018/06/19)
乳幼児におけるANSDの臨床管理 小児科オーディオロジストの役割(2020/09/08)
オーディトリー・ニューロパチーと共に|人工内耳装用者として、研究者として歩む | きこえライフ・・・インタビュー取材を受けました
<ひと ゆめ みらい>難聴のまな娘にアプリ開発 吉岡英樹(よしおかひでき)さん(49)=世田谷区:東京新聞 TOKYO Web
Auditory Neuropathy(オーディトリー ニューロパチー)について | 集音器の販売・貸出はルーセンテクノ・・・コラム記事
「難聴を知的障害と誤診」 中2女子、北九州市福祉事業団を提訴 | 毎日新聞・・・オーディトリーニューロパシーを知的障害と誤診されて適切な治療、養育が受けられなかったケース