オーディトリー・ニューロパシー (Auditory neuropathy; AN)

オーディトリー・ニューロパシー(Auditory neuropathy) という疾患に関する情報をまとめています(2023年10月9日更新)

オーディトリー・ニューロパシー(ニューロパチー)の概要

主な症状

原因

有病率

依然として不明であり、研究によって難聴者の1%未満から10%までの有病率が報告されている(De Siati, et.al., 2020

治療

ここまで小川 郁(編)(2010)「よくわかる聴覚障害ー難聴と耳鳴りのすべてー」(永井書店)とStarr, & Rance (2015)、De Siati, et.al. (2020)を参考に作成。「主な症状」は上記書籍に示された代表的な後天性の一例から。

サイト作成者(勝谷)の体験

はじめに

自覚している症状

これまでに受けた検査と経過

標準純音聴力検査(気道&骨導)、語音明瞭度検査、SISIテスト、耳音響放射(DPOAE)、耳鳴検査、聴性脳幹反応(ABR)、頭部CT、内耳MRI、難聴の遺伝子検査、耳小骨筋反射検査、自記オージオメトリー、自由音場語音明瞭度検査、方向感検査、前庭誘発筋電位検査 、聴性定常反応 (ASSR)

原因

その他の疾患

治療

福祉的支援

最終診断がついて感じたこと

1.原因が判明することの効果:診断がついたからといって病気が治るわけではないが、自分の症状や現象の説明がつくことによって、予想以上に前向きに受け止められた。一時期は知的な問題や脳疾患を本気で疑っていたのだ。コミュニケーション上の失敗をすることが多くなりがちなのだが、はっきりした原因がわからないのでそれを自分の努力不足やスキルのなさに原因帰属しがちなところもあったと思われる。自分でもうまく説明ができないので、人の話がわからないときはともかくごまかすという手法ばかりとっていた。今でもコミュニケーション上などでうまくいかないことがあるものの、病気によるものだとわかってからは過度な内的帰属はしないようになってきた。

2.最新の検査設備での検査のすすめ:以前は原因不明だった難聴でも、検査技術が発展した現在では原因や治療法、よりよい補聴手段がみつかるかもしれない。遺伝子検査もどうせ治らないから受けても意味ないのではと思っていたが認識が間違っていたと思っている。難聴遺伝子が突き止められれば、診断がつくだけでなく、難聴の予後を予測できる、治療法を選べる、予防ができる、遺伝カウンセリングで正確な情報を伝えられるというメリットがあるとされている(宇佐美, 2006)。じっさい、自分の場合も補聴器の効果は限定的であること、人工内耳の効果は一定の報告があることを論文等で知ることができた。また、視覚障害もあるとあらかじめ知ることができて、意識して眼科にかかるようになった。眼科医にも遺伝子検査の結果を伝えられたので、わかる先生にはわかってもらえた。もし遺伝変異があると知らなければ緑内障と間違われたまま、自分には効果がない点眼をしつづけていたかもしれない。

3.トータルでサポートできる機関が増えてほしい:「難聴」と耳鼻咽喉科で診断されてそれで終わり、あるいはその後は補聴器屋さんに丸投げ、でなく聞こえにまつわる問題を長期的にまるごとサポートしてもらえる体制が必要だと感じている。ここでいうサポートには、難聴の予防、経過観察、治療、再発予防だけでなく、心理的支援や福祉的支援、教育的配慮も求められる。今後はこうした多面的に支援する機関が増えてほしい。 耳鼻咽喉科医師だけでなく、看護師、言語聴覚士、公認心理師、社会福祉士など多種職連携が必要ではないかと思っている。自分は公認心理師の資格もあるので今後貢献していきたい。

患者会(オーディトリー・ニューロパシー[AN]友の会)

会員

ANと似ているけれど異なる疾患

文献情報

オーディトリー・ニューロパシーに関する文献の情報です。文献に示された知見はこのページにも加えていきます。新たなものが見つかりましたら追加します(随時更新)。

ウェブサイトの情報

オーディトリー・ニューロパシーに関する論文以外のウェブサイトやネットの記事など。