ドウイロムクゲケシキスイ
体の表面は,銅色の光沢がある.触角の球桿部は強く拡大する.
本種は,成虫が各種の花から採集されている(久松定成,1985)ほか,幼虫及び成虫が,ヤブニッケイ黒穂病菌Melanopsichium onumae によりヤブニッケイCinnamomum yabunikkei に形成された菌えいからも採集されている(宮武,1975;薄葉,1981;Funamoto & Sugiura, 2017)。本種は,このように,幼虫がこの菌えいを生活史の一時期に利用していることが判明しているが,ケシキスイ科は成虫と幼虫の餌資源が異なるグループも多く知られている(久松定成,1973).
Funamoto, D. & Sugiura, S., 2017. Arthropods associated with fungal galls: do large galls support more abundant and diverse inhabitants? The Science of Nature, 104: 6.
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